ついに除名になった弁護士の足跡を追う

 伊関正孝弁護士(東京)

                    

 

2016422日付官報に伊関正孝弁護士(東京)の除名処分の懲戒処分の公告が掲載されました。4000万円の預り金を流用したという処分理由と発表されていますが、実際は非弁提携での処分であることは容易に推察できます。

東京弁護士会 懲戒処分の事前公表・(伊関正孝弁護士)


 

伊関弁護士が除名になるまでの足跡をたどってみたいと思います

伊関弁護士の懲戒処分で問題にしたいのは処分内容はともかく

事務所の移転です。処分を受ける度に事務所の場所と名称を変えました


 

伊関正孝弁護士が1回目の処分を受けたのは2004年11月でした。これは東京弁護士会綱紀委員会が棄却(処分ナシ)としたものを日弁連が非行ありと処分をしたものです。1回目から東京弁護士会の甘い体質が伺えます。

  

懲戒処分の公告(1回目)

氏名 伊関正孝  20214

処分日 20041112日  

処分の種類 戒告

事務所 東京都港区西新橋1  弁護士ビル

八木忠則法律事務所

〔処分の理由の要旨]

被懲戒者は懲戒請求者の代理人として19991215日預託金返還請求訴訟を提起したが、2002328日請求棄却の判決が言い渡された、さらに被懲戒者は懲戒請求者の代理人として同年411日控訴を提起したが、同年1218日控訴棄却の判決が言い渡された。同日夜、懲戒請求者から被懲戒者に対し「上告はしません」と明記し、かつ、信頼関係が全く破たんしていることを通告する内容のFAXが送信された。しかしながらその後、被懲戒者は懲戒請求者に対して何らの説明、連絡をすることなく懲戒請求者の上告委任状を偽造して同月27日懲戒請求者の代理人として上告状を提出した、

 

懲戒処分の公告(2回目)

氏名  伊関正孝

処分日 200621

事務所    東京都港区西新橋1 弁護士ビル

伊関正孝法律事務所

処分の種類 戒告

〔処分の理由の要旨〕

被懲戒者は20012月頃、信用調査会社の代表者であり以前から事件の紹介を受けていた知人Aから懲戒請求者を紹介され離婚事件の紹介を受けた。

A2001223日懲戒請求者に対し被懲戒者の着手金としてAが取得する弁護士紹介料を含むことを明示して金451500円を請求した。懲戒請求者は同月26日上記金額をAが代表者を務める信用調査会社の口座に振り込んだ、被懲戒者はAが弁護士費用等を懲戒請求者から受領し差額である金151500円を取得していることを容認していた。以上のとおり被懲戒者はAが懲戒請求者に対して弁護士紹介料を請求し弁護士法第72条に違反する者であること又は違反するおそれがある行為をするものであることを認識しながら懲戒請求者の紹介を受け離婚事件の周旋を受けたものである。

 

2006年ごろには東京弁護士会も非弁提携のことを十分知っていながら「戒告」処分しか出さなかったのです。事務所は同じ弁護士ビルに移転をしています。

 

懲戒処分の公告 (3回目)

氏名 伊関正孝  

事務所  東京都千代田区神田多町2

     神田多町法律事務所

処分の種類  業務停止3月  処分日200783

〔処分の理由の要旨]
懲戒請求者は懲戒請求者からA社に対する損害賠償請求の相談を受け遅くとも20027月頃までには訴訟提起の委任を受け印紙代及び切手代として12万円を預ったが20031023日まで訴訟提起しなかった。(他に(2)(3)の処分理由が掲載されています)

 

神田多町法律事務所

3人の弁護士で開設した事務所。3人の所属弁護士が同時に事務所で執務しなかったのではないかと・・・

 

伊関正孝弁護士  被害拡大を防ぐ事前公表

岩淵秀道弁護士 弁護士法違反・在宅起訴

須田英男弁護士【第一東京】 (弁護士登録抹消)

懲戒処分の要旨 業務停止2


神田多町法律事務所は長く続きませんでした。


そして伊関弁護士に2014年東京弁護士会綱紀委員会の事前公表がでました。
その時の事務所は

千代田国際法律事務所 

 東京都千代田区内神田3

東京弁護士会 懲戒処分の事前公表・(伊関正孝弁護士)



そして伊関弁護士の最後の事務所移転が(5回目)潮総合法律事務所です。

 

潮総合法律事務所

 

東京都千代田区神田多町2-4 第二滝ビル6F 

 

所属弁護士

伊関 正孝 / 弁護士大橋秀雄 / 行政書士 青木美男

 

潮総合に所属した大橋秀雄弁護士は懲戒処分が3回あります。1回は非弁提携です。

非弁のカリスマ・保持清弁護士(退会命令)(東京)が業務停止を受けた時に保持先生のNPO法人公尽会を救いに行ったのが大橋秀雄先生でした。

 

大橋秀雄弁護士(東京)登録番号15462

199110月  業務停止10月 業務停止1月

20092月   戒告 大橋秀雄法律事務所

20121月   業務停止3月 大橋秀雄法律事務所


大橋秀雄弁護士は2012年頃から、山王綜合法律事務所に所属します。(代表駒場豊弁護士)当時の事務所は赤坂でした。
駒場弁護士が破産申請をしたため現在の潮総合法律事務所に移籍したのです。

 駒場豊弁護士に詳しい鎌倉九郎さんのブログ記事

  

潮総合法律事務所は伊関弁護士、大橋弁護士の2人でしたが1人の弁護士が追加されます。

潮総合法律事務所に在籍した弁護士

笠井浩二弁護士です。

 
笠井浩二 17636

 

事務所名

  潮総合法律事務所

郵便番号

  1010046

事務所住所

  東京都 千代田区神田多町2-4 2滝ビル6

 (掲載している弁護士情報は20150618日現在のものです)

 

笠井浩二弁護士が潮法律事務所に参加することになりました、
5回の懲戒処分がすべて長期の業務停止、一旦は会費未納で退会まで追い込まれた先生ですが、どなたかの援助を受け退会から業務停止に変更、20155月に業務停止の懲戒処分が明け、潮総合法律事務所に在籍されました、

 

笠井浩二懲戒処分の要旨

 

潮総合法律事務所に在籍した弁護士 

伊関弁護士 懲戒処分4回 事前公表1

大橋弁護士 懲戒処分3

笠井弁護士 懲戒処分5 

所属弁護士3人で懲戒処分12回という事務所が誕生したのです。


 20164月 伊関正孝弁護士はついに除名処分となりした。

 

当然、残りの二人の弁護士も潮総合を去り独立をしました。潮総合法律事務所は短い歴史を閉じました。
 

笠井浩二弁護士 17636   東京弁護士会

京信総合法律事務所   東京都新宿区新宿2

 

大橋秀雄弁護士 15462 東京弁護士会

大橋法律事務所  東京都世田谷区経堂4


弁護士は自分の事務所を設立すること、大きくすることが夢だと思いますが
このように事務所を転々とする弁護士もいるのです。

2004年 八木忠則法律事務所⇒伊関正孝法律事務所⇒神田多町法律事務所千代田国際法律事務所⇒潮総合法律事務所(2016年)