弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2016年7月号に掲載された弁護士懲戒処分の公告・懲戒処分の理由の要旨福岡県弁護士会・武藤治樹弁護士の懲戒処分の要旨
武藤弁護士2回目の懲戒処分となりました。
報道がありました。
武藤治樹弁護士、3カ月の業務停止処分
データマックス社
 福岡県弁護士会は3月30日、同会所属の武藤治樹弁護士が受任した交通事故の示談交渉事件で示談成立後約2年間に渡って事故被害者である依頼者に示談金を渡さなかったなどとして、同弁護士を業務停止3カ月の懲戒処分にしたと発表した。 武藤弁護士は、北九州市小倉北区室町で、ガイア法律事務所を開業している。 県弁護士会によると、武藤弁護士は2011年5月に交通事故の被害者から示談交渉を受任し、12年7月に示談が成立し被害者の代理人として312万円余の示談金(和解金)を受領したにもかかわらず、その一部約41万円を被害者側に渡しただけで、14年7月まで約2年間、清算していなかった。現時点では、すでに全額、依頼者に支払っているという。 また、県弁護士会の発表によると、11年1月に受任した債務整理の事件で、事務員に処理を任せ、経過・処理について適切な指導監視をしていなかった。債権者との間で分割払いの和解が12年1月に成立し弁済金について同法律事務所が依頼者から預かって債権者に毎月支払うことにしていたものの、事務員への指導監視を怠ったため、弁済が滞り、依頼者が債権者から14年5月に訴訟を提起された。
 いずれも、依頼者が福岡県弁護士会に苦情を申し立てて、発覚した。  県弁護士会によると、武藤弁護士は、事実関係を認め、処分について異議を出していない。 武藤弁護士は、2013年にも、2010年に受任した労働事件の申立を怠ったにもかかわらず依頼者に申立て済みであるかのような弁明を行うとともに、申立てが遅れたことによって依頼者に経済的不利益を与えたとして、戒告処分を受けている。 武藤弁護士は、司法修習61期で、新司法試験の2回目合格にあたる。
懲 戒 処 分 の 公 告
福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士
氏 名         武藤 治樹
登録番号        37497
事務所         北九州市小倉北区室町2
            ガイア法律事務所
2 処分の内容     業務停止3月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者はAから依頼を受けた損害賠償請求事件に於いて2012年7月、相手方から示談金312万円6190円を受領し事件が終了したにもかかわらず、そのうち41万2890円は返金したが、残金271万3300円は預り金口座で保管せず、2014年7月11日まで約2年間清算しなかった。
(2)被懲戒者は2011年1月頃、B及びその妻Cから債務整理事件を受任したが、債務整理の交渉及び示談後の支払等をDに任せ、示談の内容及び示談後の支払経過を全く把握しなかった。結果としてB及びCは被懲戒者の事務所宛てに毎月4万円を送金していたが上記分割金が債権者に支払われず貸金返還請求訴訟を提起された。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第45条に、上記(2)の行為は同規定第19条に違反し上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2016年3月29日
2016年7月1日 日本弁護士連合会
懲 戒 処 分 の 公 告 2013年7月号
1回目の懲戒処分 「戒告」

処分の理由の要旨

被懲戒者は、懲戒請求者から20106月勤務先に対する違法配転を理由とする慰謝料及び未払賃金435140円の請求をするための労働審判申立を受任し着手金315000円のうち10万円を同年712日に7万円を同年818日に受領したが申立てをしていないにもかかわらず、懲戒請求者からの問い合わせに対し7月には第1回期日日があります」等と事実に反する弁解を繰り返した。被懲戒者は20111月に労働審判の申立てをしたが上記未払い賃金のうち約22万円を消滅時効にかからせた。被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第21条及び第35条及び第36条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日 201374日 201310月1日   日本弁護士連合会