弁護士の懲戒処分を公開しています

「日弁連広報誌・自由と正義」2016年12月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福岡県弁護士会・大谷辰雄弁護士の懲戒処分の要旨

 

〈懲戒処分の理由〉

職務上請求の不正使用で戸籍謄本を取得
弁護士は職務上請求用紙を利用して裁判の相手方や相続人の調査のために戸籍謄本や除籍謄本などを取り寄せることができます。
しかし、戸籍に関する内容は個人情報に関する重大な内容が含まれています。当然ですが不正に取得をすることは許されていません。
弁護士会は不正はありえない不正を行った場合は厳しく処分をすると声明文まで出していますが、戒告です。
不正取得するのは興信所の依頼や自分の興味本位、またジャーナリストに頼まれて芸能人の戸籍を売り渡していた弁護士もいます。処分が甘いしなかなか本人が気が付くこともなく、「裁判をする目的で取得した」と虚偽で申請しても「裁判をしようと思ったけど辞めた」という言い訳が通用するので処分になることはほとんどないと思われます。
職務上請求は自分ために利用はできません。依頼人がいないと利用できません。
京都弁護士会の声明文
職務上請求について、不正取得防止のための制度が整備されている
(1)  刑罰法規による処罰・資格剥奪の制裁
そもそも、弁護士等の専門家が不正に住民票の写し等を取得することは、犯罪であり、戸籍法、住民基本台帳法、刑法等による処罰が予定されています。そして、それに加え、弁護士法等の士業法に基づく資格の剥奪等の制裁があります。弁護士等の専門家にとっては、資格剥奪は業界における死に等しい制裁であり、そのような危険を冒してまで不正をなすことは極めて稀な例です。
このように弁護士等の専門家は、法の専門家としての自らの使命感に加え、刑罰法規や弁護士法等の士業法の規制によって、不正を防止するための措置が採られているものであり、これをさらに本人通知制度の対象としなければならない必要性はないというべきです。
京都弁護士会意見書
こんなことを言っておいて出した処分は戒告です。
職務上不正請求弁護士
懲戒処分例


懲 戒 処 分 の 公 告

福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士

氏 名          大谷辰雄    

登録番号         22312

事務所          福岡市中央区六本松4

             六本松中央法律事務所
2処分の内容       戒 告
3処分の理由の要旨
被懲戒者は過去に事件の紹介を受けたことのある興信所従業員Aから、Aの知人Bが被懲戒者に損害賠償請求事件を依頼する予定であるとの相談を受け、Bから具体的依頼を受けたことも面談したこともないにもかかわらず、2014年4月頃、被懲戒者の事務所の事務員に対し具体的な請求の理由を説明しないまま戸籍謄本を取り寄せるよう指示し、その結果、相続人調査という虚偽の理由に基づき上記事件の相手方と思料される懲戒請求者の戸籍謄本を取り寄せた。
被懲戒者の上記行為は日本弁護士連合会の戸籍謄本等請求用紙の使用及び管理に関する規則第3条及び第5条に違反し弁護士職務基本規定第35条及び第36条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた年月日 2016年7月21日
2016年12月1日 日本弁護士連合会