イメージ 1
6月26日 京都地方裁判所
連続殺人事件(青酸化合物)裁判員裁判第1回 公判
被告人 筧千佐子 
9時に京都地裁に行くと既に500人くらいの裁判傍聴の行列ができていました。
イメージ 2
10時の抽選時点では600人を超えたようです。傍聴席は80席くらいはあるのでしょうが報道各社がアルバイトを使って並ばせていますので、抽選に当たる確率はほとんどないとあきらめていました。
が。。。なんと傍聴券をゲットしました。
イメージ 3
10時30分に法廷に入ると傍聴席の一般人は30席程度で他の席はマスコミ関係者が座っていました。一般人に当たる30分の1くらいの確立だろうか
裁判官は女性、右も女性、裁判員のうち8人が女性
10時35分 被告人が手錠をはめられて入廷してきました。右胸に赤い花の刺繍の紫色のTシャツとうすい茶色半ズボンを穿いて、頭は白髪が目立っていましたが、顔色も良くふっくらした感じでした。
週間新潮が先ごろ亡くなった野際陽子さんに似ていると書いていましたが、面影はありませんでした。そこらにいる普通のオバちゃんが第一印象
イメージ 4

裁判長に促されて法廷の中央の証言台に向かうと、耳が遠いのかヘッドフォンが用意されていました。裁判長が聞こえますかと聞くと、聞こえますと答えました。名前と住所を聞かれると名前と生年月日を小さな声で話すと、次に本籍、住所を聞かれると、「向日市の~あの~」「書いたものとかノートとか持たされていないのでので・・・分かりません。番地は忘れました~」と答えた。(はっきり聞こえず)
弁護人席には5人の弁護士が座っており、中央の席の弁護人は、京都弁護士会副会長を務めて、3年前に元弁護士会会長刺傷事件の被告人の国選弁護を務めた弁護士さんでした。被告人に懲戒請求まで出されながら最後まで被告人のために弁護をした方でした。
検察が4つの事件について起訴状朗読が始まり、殺人、強盗傷害で刑法199条殺人で起訴したという内容。【約15分】
罪状認否
普通はここで、「罪を認めます」とか「私は何もやってません無罪です」という場面
裁判長が被告人に起訴状に書かれた内容について、聞くと、弁護人の元京都弁護士副会長から渡されたメモを読みました。
「すべて弁護士にまかせてあります」
弁護人が「これは4つの事件すべてのことです」と補足説明をして、被告人は弁護側の席の二段目左奥に座りました。
検察側から4つの事件の内容が説明され、すべて青酸化合物で計画性、
があり発生状況、捜査状況は共通であり、筧さん事件から分かったことである。被害者はすべて高齢の独身男性であり被告人と親しい関係にあった。一人の事件は被告人が借金をしていた男性に対して青酸化合物を飲ませた。借金の取り立てを逃れようとしたが、男性の家族から請求され、次の事件の遺産から支払った。
次に被告人の生い立ち、結婚歴などの紹介、借金を抱えていたことなど説明があった。
弁護側冒頭陳述
裁判員の皆さまへ、この事件は、マスコミが先に報道し大きく取り上げられた、報道後に捜査が入るという異常性がある。
裁判員の皆さまにお願いしたいのは3つのルールがあり常に念頭に置いて欲しい。先入観や余談なく証拠によって判断されたい・
① 証拠裁判主義
② 立証主義 
③ 疑わしきは被告人の利益
誰が立証するのか、被告人を有罪にするのは検察にある。立証できない場合は無罪にならなければならない。捜査する側は国家であり予算もあり力もある、被告人は一かいの女性にすぎない。強大な権力を持っているのは検察である。
今、裁判員に有罪か無罪かと聞かれたらどう答えますか?
裁判になっているのだから、報道されているのだから、そして、声の大きな裁判員のいう事を聞くことなく自分で判断をして欲しい
証拠基準
証拠を検討した結果、有罪になるが疑わしき、疑問がある場合は無罪にならないといけない。
争点
公訴事実、責任能力、訴訟能力、事件性、犯人性すべて争う
事件性
4つの事件の被害者はシアン化合物で亡くなったのか、4人は誰にシアンを飲まされたのか、弁護側は検察の主張には疑問を持っている
被告人がシアンを飲ませることはない。犯人ではない
殺意 死んでほしい、死んでも構わないと思っていない
責任能力 現在、認知症であり事件のこと、現在のことなど分かっていない。事件の記憶がない。先ほどの住所さえ正確に答えられない
事件当時は悪意、善意の判断もできない状態にあった。
訴訟能力
認知症のため、自分のことを伝えること表現することができない。
法廷で自分を守るために何もできない。自分の身を守ることができない
弁護側はすべて争う
検察は証拠に基づいて立証しなくてはならない。事件はマスコミの報道で捜査が始まった。捜査に携わった警察、医師らが予断や偏見があったのではないか
裁判員の皆さんは予断、偏見なく判断して欲しい。
死刑制度について
この裁判で死刑が求刑される可能性があり大きな問題を抱えている
公訴事実を争っているのに死刑などという必要はないのであるが、裁判員裁判制度は刑罰の重さまで判断する。
死刑求刑をするということは、場合によっては筧さんに死刑を課す
筧さんの命を奪うのか、重大な判断をしなければならない
日本の死刑制度を知っているでしょうか
フランスやスペイン他の国では死刑はない。被告人に刑罰を与えるなら刑罰が釣り合わなければならない。
これから数か月間、審議、協議、評決があり皆さんに大きな心理的、肉体的負担を掛ける、裁判官の意見に従う、大きな声の裁判員に従う必要はない。死刑制度は憲法第31条に違反をしている。絞首刑は残虐性が強い。人の命を奪うのは国際条約に反している
被告人にシアン化合物の入手は困難
自白は厳しい取調べがあり捜査官に合せたもの
弁護側は上記の説明をされました。【約30分】
次に裁判長から公判前整理手続きにおいて検察側から
被告人の認知症は軽度であり責任能力、訴訟能力がある
死刑は憲法に違反していないとの説明があり11時30分
午前の審理は終了した、午後は1時15分から
午前中は4件のまとめ的な内容でこれからはひとつひとつの事件毎に審理を進めていくとのこと
午前の審理が終了しても傍聴人は被告人の退廷を見ていました。
おとなしくまた手錠をはめられてゆっくり退廷しました。
マスコミの記者はすぐに法廷を出たのですが一般傍聴者は、彼女の
様子を最後まで見ていました。第一印象と変わらず、どこにでもいる、普通のオバちゃんに見えた。4人も殺したと検察に言われたのに表情を変えなかった。
この老女が4人もの人間を殺したのだろうか? 
それとも痴呆の芝居をしているのだろうか?
録音は禁止ですのでメモを必死で取りました。
                (京都 I)