青酸連続殺人事件 裁判員裁判 6月26日 初公判 午後の部 傍聴記
青酸連続殺人事件 裁判員裁判 6月26日 初公判
午後の部 傍聴記
午前の部
午後からは4件の事件の中から「筧さん事件」の審理が始まり、救急隊員の証人尋問が行われた。
裁判員は女性9名男性2名、裁判官は女性2名男性1名だった。裁判員は若い女性が多い印象だった。
法廷には大きなモニターが左右の上部に設置され、そこに映しだされた資料が傍聴席にも見えるようになっている。(細かい文字はよく読めない)裁判官・裁判員の席にもそれぞれ専用のモニターが設置されている。
傍聴席の前2列は報道用の席になっている。傍聴しているのはほとんどが報道関係者で、テレビでみたこと有る顔がチラホラいた。警備は厳重で、傍聴者の行動は監視されている。携帯電話等の電子機器は触るだけで注意され、寝てても注意される。(笑)
被告人は紫のTシャツにハーフパンツ姿、検察官が立証事実を読み上げている間、ヘッドホンをして、まっすぐ前を向いて聞いていた。傍聴席の方は全く見ない。被告人に弁護士は5人ついていて、分厚いファイルの資料が山積みになっていた。
被告人と筧さん(被害者)は平成25年6月頃結婚相談所を通して見合いで出会い、11月に結婚、そして12月28日にシアン(青酸)中毒によって死亡した。
事件当時、筧さんは午後3時頃にベランダで隣人と普通に会話していたが、午後9時47分に被告人が筧さんが倒れていると119番通報をした。その後、搬送された病院で筧さんの死亡が確認された。後の司法解剖で筧さんの体内からはシアン化物イオンが検出された。殺害方法はカプセルに入ったシアン化合物が使われたと考えられている。
被告人が捨てたプランターの土の中にあったビニール袋からシアン成分が発見された。
被告人は12月にはすでに別の男性とも結婚相談所を通して見合いをしていた。
目撃者や直接的な証拠は無いようだが、事件当時、被告人と筧さんが2人きりであった等の状況や、事件後の被告人の言動、隣人や筧さんの親族などの証言を積み上げて立証していくようだ。
弁護側の方針は、検察側の主張を全て争う姿勢のようだ。
弁護人は、この事件が殺人であったのかすら疑問、自殺なのか、事故なのか、また証言が信用できるのか、どこまでの事実が認められるのかを判断してくださいと、裁判員に語りかけるように主張した。
証拠の取り調べとして、モニターに報告書や現場の住宅地図、間取り図、写真、婚姻届などが映しだされた。
今日は、事件当時の119番通報の音声データの再生や救急隊員の証人尋問が行われた。
被告人が119番をした音声が、法定内に流された。「9時半頃、2階に主人を起こしに行ったら倒れていた、既に体が冷たい?生ぬるい感じ?、仰向けで倒れていた、ころんで後ろにうったのかも知れない」といったことを落ち着いた様子で淡々と伝えていた。
救急隊員の証人尋問では、現場に到着すると玄関前に奥さん(被告人)がいた。筧さんが2階で仰向けに倒れていた、既に心肺停止状態で意識や呼吸・脈が無かった。体は硬直はしていなかった。奥さんは落ち着いていて、悲しんだり気が動転とかはしていなかったといった内容の証言がされた。
弁護側の反対尋問では、救急隊員の経験がどれくらいか?(年間300件ぐらい出動している・青酸カリを扱った事件や警察から問い合わせがあったのは始めて)、筧さんの顔の表情はどうだったか?(青白く無表情・首を掻きむしった等の様子はない)、救急隊員が死亡原因を確認する立場にはないことなどが確認された。
裁判官と裁判員が一旦退廷し協議がされた後、再び出廷した裁判官と裁判員から補充質問がされた。
奥さんが落ち着いていたことに違和感は感じなかったのか?という趣旨の質問に、救急隊員は年配の夫婦だからその時はそこまで違和感を感じなかった。といった内容の証言をした。
この日の公判はここまでで終了。