依頼者に十分な説明怠る 弁護士を懲戒処分 (大阪)
依頼を受けた事件の見通しについて十分な説明を怠ったなどとして、大阪弁護士会は14日、同会所属の井門忠士(いもん・ただし)弁護士(75)を業務停止1カ月の懲戒処分としたと発表した。 同会によると、井門弁護士は平成28年6月ごろ、親族間の遺産分割について相談を受け、その後、着手金などとして計420万円を受け取り事件を受任。その際、依頼者に事件の見通しや手続きなどについて、十分な説明をしなかったという。
井門弁護士は30年1月、担当した別の事件をめぐり業務停止3カ月の懲戒処分を受けた。これを知った依頼者から着手金の精算を求められたが、返金に応じたのは一部にとどまっているという。
弁護士自治を考える会
井門弁護士は4回目の処分となりました。
事件放置は、3回目くらいまでは、戒告ですが、着手金の額の多さと前回の業務停止から間がないため業務停止1月の処分となったと思われます。
懲戒処分の公告 自由と正義 2018年5月号
大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知が受けたのに懲戒処分の公告及び公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する。
1 処分を受けた弁護士氏名 氏 名 井門 忠士
登録番号 14119
事務所 大阪市北区天満3-3-7 井門忠士法律事務所
2 処分の内容 業 務 停 止 3 月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者はA弁護士及びA弁護士が所属する法律事務所の事務員であった懲戒請求者が証人となったBの遺言公正証書についてBの子Cから事実調査及び法的対処を依頼されたため、懲戒請求者に対し2014年3月3日付け文書において上記公正証書の作成経過等について回答を求め、懲戒請求者から同月7日付け回答書により任意で一通りの回答を受けたにもかかわらず、上記回答書に対する同日付け文書、同月10日付け文書等において、懲戒請求者が業務上横領の共謀共同正犯あるいは虚偽公文書作成の共謀共同正犯であるかのような文章を繰り返し記載し、また客観的根拠がないにもかかわらず、懲戒請求者が不誠実で不正直な人間であるかのように断定するとともに2015年2月7日付け文書において、「当職事務所に説明に来てください。その場合には代理人を同道せず、1人で来てください。なぜならば貴殿代理人は真実を明らかにする方針を取っておらず、虚偽の事実主張を貴殿に強要しようとしているらしいことが文面上明らかだからです」等と記載し、法的に回答義務のない懲戒請求者に対しCの主張する内容に適合する回答を執拗に求めた。
(2)被懲戒者は懲戒請求者の代理人D弁護士らから、2014年3月18日付け文書によりD弁護士らが懲戒請求者の代理人になった旨及び懲戒請求者は既に必要かつ可能な範囲で誠実な回答しており、これ以上回答することはない旨明確な回答を受けたにもかかわらず懲戒請求者に対し、上記2015年2月7日付け文書を直接送付した。
(3)懲戒者の上記(2)の行為は、弁護士職務基本規程第52条に違反し各行為はしずれも弁護士法56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた年月日 2018年1月15日
2018年5月1日 日本弁護士連合会
2002年1月号 業務停止10月
1993年11月号 業務停止6月