弁護士の懲戒処分を公開しています。
日弁連広報誌「自由と正義」2019年10月号に公告として掲載された弁護士の懲戒処分・仙台弁護士会・後藤貞和弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由 『事件放置』
弁護士の懲戒処分の理由で一番多いのが『事件放置』です。
着手金や実費を得て事件受任して事件に着手しないで放置するという処分の内容です。
一般世間であれば『詐欺だ!』『泥棒だ!』ということになりますが、弁護士業界では処分は『戒告』です。弁護士会によりますが3回目~4回目くらいは戒告です。
処分を受けた弁護士も言い分があるのでしょう。例えば私に指図したとか、私の弁護方法に口を挟んだとか、依頼者がクレーマーだとか、弁護士会は『それなら仕方ないね』と注意処分しか出さないのです。損害賠償請求の時効まで放置した事案もあります。
戒告しか出さない理由のひとつに業務停止の処分を下すと法テラス出禁措置(約3年間)になるからです。被懲戒者は登録番号50760番 66期 2014年12月登録、事件受任は2016年 ヤメ検ヤメ栽でなければ、まだまだ新人の頃でした。
この事案は法テラスから斡旋された仕事であります。SNSで法テラスからの弁護士報酬が安いとツイートする弁護士がいますが、こういう仕事をするのですからきちんと仕事こなしてから文句を仰ったらいかがでしょうか、
仙台弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士
氏 名 後藤貞和
登録番号 50760
事務所 仙台市青葉区一番町2-10-26 旭コーポラス一番町A303
弁護士法人後藤東京多摩法律事務所仙台事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は、懲戒請求者の勤務先であった特定非営利活動法人に対する地位確認及び残業代請求の訴訟事件並びに仮処分申立事件の依頼を受け2016年5月26日付で代理援助実費として合計23万8600円のて替金を受けたが、被懲戒者が2017年10月30日に送付した訴訟原案について懲戒請求者が内容を確認し、手続を進めるよう回答したにもかかわらず、受任後3年余りの間、仮処分申立て及び訴訟提起をせず、そのことについて懲戒請求者に何らの説明や報告をしなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第35条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分が効力を生じた年月日 2019年6月19日
2019年10月1日 日本弁護士連合会
事件放置の研究