弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2019年に公告として掲載された弁護士懲戒処分、東京弁護士会・吉原紀子弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・事件放置、高額な顧問料を請求、受領

女性弁護士で過去に処分歴もなく一発目で業務停止3月の処分は非常に珍しい懲戒処分です。

2009年弁護士登録 62期 事件を受任したのはまだ4年目のころ。まだまだ新人ながらけっこうな非行をやってしまいました。現在は目黒区洗足という住宅街で設立した事務所で執務をしておられますが、ネットの検索サイトで見ると以前は社内弁護士との表記があります、この会社はおいしいうどん屋さん?丸いカメさん製麺のようです(2016年?株式会社トリドール総務部総務課勤務東京弁護士会)
2013年に受任事件した件に関する処分です。その後2016年から社内弁護士に就任して、その後、個人事務所設立のようです。2013年当時に在籍していた事務所はわかりません。

東弁会報【リブラ】にも掲載されましたが自由と正義も合せてご覧ください。

懲 戒 処 分 の 公 告

東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表に関する規定により公告する。

             記
1 処分を受けた弁護士
氏名   吉原紀子
登録番号 39378
事務所  東京都目黒区洗足2-7-9
吉原法律事務所

2 処分の内容 業務停止3月 

処分の理由の要旨(1)被懲戒者は2013年4月1日、懲戒請求者株式会社Aから、B株式会社に対する損害賠償の交渉等を受任し、2014年4月22日に懲戒請求者A社を原告、B社を被告とする損害賠償請求訴訟を提起したが12回にわたり開かれた期日のうち7回の期日を復代理人を手配するなどしないまま出頭せず、また同年12月18日の弁論準備手続期日において裁判所から準備書面及び書証の提出を要請され、その後再三にわたり督促されたにもかかわらず、裁判所から指示された内容の書面を提出しなかった。

(2)被懲戒者は2013年5月、懲戒請求者A社から従業員の横領事件等の相談を受けたことから、月額顧問料を20万円とする顧問契約を懲戒請求者A社と締結したが、上記(1)の訴訟事件における実質的回収可能見込額をはるかに超え、また上記横領事件について簡易な告訴状の作成、警察署への同行等をしたにすぎないにもかかわらず上記(1)の訴訟事件の着手金等20万円のほかに、同月から2015年3月までの間に、懲戒請求者A社の事業規模や上記業務内容等と比較して到底見合わない合計280万円の顧問料を受領した。

(3)被懲戒者は上記(1)の訴訟事件について懲戒請求者A社の事前の了解を得ないまま辞任し、2015年10月23日、裁判所に対し訴訟代理権消滅通知書を提出した。

(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第76条に上記(3)の行為は同規程36条及び第44条に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2019年5月23日
2019年10月1日 日本弁護士連合会

東京弁護士会会報リブラに公表された弁護士の懲戒処分、(東京弁護士会の会員が業務停止以上の懲戒処分を下された時に会報に公表されます)

懲 戒 処 分 の 公 表

本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたのでお知らせします。

        記

被懲戒者    吉 原 紀 子(登録番号39378)
登録上の事務所  東京都目黒区洗足2-7-9

吉原法律事務所

懲戒の種類  業 務 停 止 3 月
効力の生じた日  2019年5月23日

 懲 戒 理 由 の 要 旨
被懲戒者は、懲戒請求者を原告とするA社に対する損害賠償請求事件を平成25年4月に受任し、平成26年4月に同請求訴訟を提起したが

1  平成26年7月から平成27年10月までの間の同訴訟事件における合計12回の弁論及び弁論準備手続期日のうち、7回の弁論準備手続期日に複代理人を選任することもなく出頭せず、また、裁判所から指示された書面を提出せず、これにより著しい裁判手続の遅延を招き、
2  依頼者である懲戒請求者へ事前に伝えることなく平成27年10月に、同訴訟事件の係属する裁判所に訴訟代理権消滅通知書を提出し、
3  同訴訟事件の受任後、懲戒請求者から従業員の横領事案の相談を受けたことから、平成25年5月に同訴訟事件の着手金を含むものとして懲戒請求者との間で月額顧問料を20万円とする顧問契約を締結し、平成25年4月から平成27年3月までの約2年間に、同訴訟事件の着手金等及び顧問料として総額300万円を受領したが、同訴訟事件における損害賠償請求額は976万3711円であるものの勝訴の見込みが84万0688円に過ぎず、また従業員の横領については簡易な告訴状の作成及び警察への付き添いをしたに過ぎず、懲戒請求者の事業規模、売上げ、被懲戒者が携わった業務内容に比して高額の顧問料等の報酬を請求し受領したものである。
これらの被懲戒者の行為は、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に当たる。2019年5月24日 東京弁護士会会長 篠塚 力

 

顧問弁護士に対する懲戒処分例

【顧問弁護士の懲戒処分例】弁護士自治を考える会 2020年4月更新