弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・山梨県弁護士会・反田一冨弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・着手金を受けながら事件処理せず放置・預り金の返還が遅い
弁護士の懲戒処分で一番多いのが事件放置と預り金の返還が遅いという処分理由です。
事件放置については弁護士会、日弁連は対策も対応もありません。又処分も戒告しかありません。3回目4回目でも戒告です。
第三十条 委任契約書の作成
弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由がやんだ後、これを作成する。
第四十五条(預り金等の返還)
弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算したうえ、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない
山梨県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士
氏名 反田一冨
登録番号 19492
事務所 山梨県甲府市相生2-3-19ナトリビル2階
ビイヘッドクラス法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は2011年6月、懲戒請求者から、元妻A名義の預金の払戻し及び供託金の還付等を求めること並びにAから仮差押えされていた懲戒請求者の所有する不動産についての仮差押えを解除することについて委任され、着手金として100万円の支払いを受けたが、預金の払戻し及び供託金の還付について2013年10月23日まで訴訟を提起せず、その結果、請求権の一部が時効により消滅したとする判決が確定し、上記不動産仮差押えの解除の処理についても、受任後6年以上にわたり業務に着手しなかった。また被懲戒者は、上記各事件について委任契約書を作成しなかった。
(2)被懲戒者は2015年6月19日、懲戒請求者がその全株式を所有する有限会社Bから委任され、B社を被告とする敷金返還請求訴訟事件を受任したところ、その事件で成立した和解に基づく支払として2015年8月10日に被懲戒者名義の口座に5万円が入金されたにもかかわらず、2019年1月5日までこれを返還せず、また上記事件につき委任契約書を作成しなかった。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第30条及び第35条に上記(2)の行為は同規程第30条第1項及び第45条に違反しいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2019年8月2日
2020年1月1日 日本弁護士連合会
事件放置の研究 事件放置懲戒処分例