弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・青木一雄弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・遺留分減殺請求事件 勝手に取下げ書を作製

ベテランがよくこんなことが出来ますねと思いますが、ベテランは処分がでても戒告しかないと知っていますから、頼まれればやる弁護士もいるということです。それにしても事件の発端が2010年、処分が2020年、いつ懲戒が出されたかわかりませんが、時間がかかりました。

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 青木一雄

登録番号 19092

事務所

青木一雄法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、同居する母親Aらから遺留分減殺請求請求権に基づく訴訟を提起されたBの訴訟代理人であったところ、Bの求めに応じて、Bに送付すればその原稿が利用され、Aがその訴訟代理人である懲戒請求者C弁護士に相談せずに上記訴訟を取り下げる可能性があることを認識しながら、日付と名前を加えて清書すればすぐに裁判所に提出できる上記訴訟に即した取下書の原稿を2010年1月26日、B宛てに送付し、その結果、Aは懲戒請求者Cに相談せずに手書きの取下げ書を裁判所に提出した。

被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第70条及び第71条に違反し、弁護士法第29条及び弁護士職務基本規程第34条に違反し、同法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2020年1月14日 2020年7月1日 日本弁護士連合会

 

 

弁護士職務基本規程

(名誉の尊重)
第七十条  弁護士は他の弁護士弁護士法人及び外国法事務弁護士との関係において、相互に名誉と信義を重んじる。 。
(弁護士に対する不利益行為)
第七十一条
弁護士は、信義に反して他の弁護士等を不利益に陥れてはならない

相続事件に関する弁護士懲戒処分例(4)