東京弁護士会の会員で業務停止以上の処分があった時に会報に処分内容が公表されます。
日弁連広報誌「自由と正義」の懲戒処分の公告(処分理由)は普段は処分日から4か月後に掲載になりますが、新型コロナウイルス感染のため日弁連業務がダウンしていましたので、自由と正義への掲載は未定です。(2021年3月頃の予定)
ネット版のリブラには処分公表は掲載されません。
東弁会報リブラ
https://www.toben.or.jp/message/libra/
本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたので、お知らせします。
記
被懲戒者 赤瀬康明(登録番号45633)
登録上の事務所 東京都渋谷区道玄坂1-22-9 AD-O渋谷道玄坂3階
弁護士法人赤瀬法律事務所
懲戒の種類 業務停止2月
効力の生じた日 2020年10月9日
懲戒理由の要旨
1 被懲戒者は、2016年3月、懲戒請求者から、その未成年の子(以下「懲戒請求者の子」という)が法廷相続人として当時者となった遺産分割事件を受任したが(以下「本件遺産分割事件」という)。同年7月に懲戒請求者の子が被相続人から相続した金銭債務の債権者から提起された訴訟(以下「本件訴訟」という)について、同年8月に他の法定相続人が立替払することになったと報告する一方で、同年9月には懲戒請求者の承諾を得ずに本件訴訟の訴訟委任状を作成して裁判所に提出したのみならず、訴訟遂行の過程で債権者が一切和解に応じていないにもかかわらず、その後の懲戒請求者の再三の問い合せに対し、訴訟係属の事実はおろか判決確定の事実及び判決の内容の報告を怠ったものである。
2 被懲戒者は本件遺産分割事件において
(1)懲戒請求のコが、被相続人が加入していた都民共済に関する共済金の受給権を有するか否かを確認することを求められていたにもかかわらず、事件受任後約10か月間にわたり確認することを怠り、
(2)懲戒請求者の子が被相続人から相続したカード会社からの債務について、2016年8月に、他の法定相続人が同月15日までに和解金全額を立替払する旨の合意を成立させた旨を懲戒請求者に報告したが、その後支払期限に立替払がなされていない旨カード会社から連絡があったにもかかわらず、漫然と放置してきたのみならず、懲戒請求者からの再三の問い合せに対し、2017年1月には、何の確認もせずに他の法定相続人が立替払をしたと事実に反する報告をしたものである。
3 被懲戒者の1の行為は弁護士職務基本規程第36条に違反し、また被懲戒者の2の行為は弁護士職務基本規程第35条第36条それぞれ違反し、それぞれ弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に当たる。
2020年10月9日 東京弁護士会会長 冨田 秀実