懲戒の申立てをされた弁護士が綱紀委員会の判断が遅いので早く議決せよと日弁連に(相当期間)異議申立ができるか、

ある弁護士さんのツイートです。

裏●弁

@ikinarinanba

そういえば、当職が懲戒請求されてる件(もちろん不当)、どうなってるんだろ?もう1年近く経つんだが… 明らかな不当懲戒請求に対して、ここまで待たせてる綱紀委員会の先生方を懲戒請求する??

午後8:04 · 2021年3月5日·

懲戒申立をしたが、なかなか綱紀委員会の議決が出ない、懲戒請求者側は大よそ半年をメドに日弁連に相当期間異議の申立をするこができます。(ただし異議が認められ直ぐに綱紀が議決するとは限りません。時間がかかるものもあります。相当期間異議が認められ処分になるかどうかは関係ありません)

被調査人(弁護士)から早く結論を出せと「相当期間異議申立」ができるかどうか

懲戒請求の申立があり受理されると、先ず綱紀委員会に審議が付され「懲戒相当」の議決を受け、次に「懲戒委員会」に審議が付されます。懲戒処分をしない場合は綱紀委員会が処分しないという議決をします。

ほぼ半年で綱紀委員会の議決を終えるとなっていますが実際はかなりの時間を要しています。

2016年 懲戒請求から綱紀の議決まで要した期間(日弁連発表)

6か月以内     1533件   割合 51,2%
1年以内       831件    割合 27,7%
2年以内      498件     割合 16,6%
3年以内       91件    割合 3,0%
3年超        42件     割合 1,4%
         合計2995件     100 %

 

「赤本」と「条解本」を読む限り、明確に被調査人が異議申立ができるという記述はありません。

(赤本=弁護士懲戒制度の実務と研究 日弁連調査室編

(条解=条解弁護士法・日弁連調査室編)

日弁連ホームページ

2 異議の申出ができる方

異議の申出ができるのは、懲戒請求をした方だけです。

異議の申出

何人にも懲戒請求権を認めることにより法は主権者たる国民に司法制度の重要な一翼を担う弁護士又は弁護士法人の職務を直接監視する機会を与えて弁護士会の懲戒権が適正に行使されるようにしたが、懲戒請求者に弁護士会の懲戒に関する処分に対する不服申立の途を認めることによって弁護士会の懲戒権の適正な行使を更に徹底させるために設けられたのが異議の申出の制度である。

異議の申出をなしうる者

懲戒請求をした者に限られる(法64条1項)

第64条 第58条第1項の規定により弁護士又は弁護士法人に対する懲戒の請求があつたにもかかわらず、弁護士会が対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき又は相当の期間内に懲戒の手続を終えないときは、その請求をした者(以下「懲戒請求者」という。)は、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。弁護士会がした懲戒の処分が不当に軽いと思料するときも、同様とする

『相当の期間』およそ6か月以内と定められ事案が複雑その他特別の事情があるときはこの限りではない(綱紀委員会規程28条懲戒委員会規程38条、52条、68条

異議の申出制度は懲戒権の適正な行使を確保するため、専ら公益的見地からのものであって異議申出人の個人的利益や満足のために設けられたものではない (赤本)

懲戒手続である以上、慎重な審議が行われ結論を出すまである程度長期間が予想される。弁護士の登録換え等を禁止したときの不利益は弁護士業務を行うことを禁ずるものではないから、さほど大きなものとはいえないので右制限もやむ得ないというべきでるとの批判がなされいる。
法63条にいう懲戒の手続には異議の申出による日弁連の懲戒手続が含まれていると解すべきであろう。

以上(赤本)弁護士懲戒制度の実務と研究 日弁連調査室編

弁護士法(登録換等の請求の制限)
第六十三条 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。
2 懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、法律事務所の移転又は廃止により、 、 所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつてもこれを退会しないものとする。
3 懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、第三十六条の二第四項の規定により所属弁護士会を変更することができない。
4 懲戒の手続に付された弁護士法人が、主たる法律事務所を所属弁護士会の地域外に移転したときは、この章の規定の適用については、その手続が結了するまで、旧所在地にも主たる法律事務所があるものとみなす。
5 懲戒の手続に付された弁護士法人は、清算が結了した後においても、この章の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。

綱紀委員会に懲戒が付されたとしても懲戒処分になったわけでもないので弁護士業務は可能。被調査人が長い期間、被調査人の立場であったとしても弁護士はなんら不利益を被ることはない。

被調査人(弁護士)から日弁連に相当期間異議の申出はできない。

被調査人は弁護士自治の甘い部分も享受するのだから、どれだけ時間がかかろうと待っていなさいということでしょう。