弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年7月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第一東京弁護士会・大久保雅晴弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・預り金返還せず、懲戒請求を出され不法行為だと訴訟提起
預り金を返還せず、懲戒請求の申立があり不当懲戒だと依頼者を提訴
第一東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士
氏名 大久保雅晴
登録番号 17051
事務所 東京都新宿区四谷2-14-8 YPCビル8階
大久保・藤井綜合法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止3月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、懲戒請求者Aから委任を受けて申し立てた損害賠償請求調停事件につき2007年9月14日に調停が成立し、その調停に基づき相手方らから被懲戒者の預り金口座に分割して振り込まれる金員を懲戒請求者Aに返還すべきであったにもかかわらず、2011年1月から2012年7月までの間に相手方らから振り込まれた金員について遅滞なく返還せず、かつ、懲戒請求者Aの再三の請求に対してもその返還に応じなかった。
(2)被懲戒者は、2015年5月7日に懲戒請求者A及び懲戒請求者Bが被懲戒者に対して懲戒請求を申し立てたことに対し、上記(1)の預り金が返還されておらず、懲戒請求には相応の理由があるものであり、懲戒請求者らが根拠を欠く懲戒請求であることを容易に知り得たのにあえて懲戒請求をしたような相当性を欠く懲戒請求とはいえなかったにもかかわらず、懲戒請求者らに対し、不当に懲戒を申し立てたとして、2018年7月24日付け内容証明郵便にて損害賠償請求の通知をし、懲戒請求者らがこれに応じなかったため、同年8月3日、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第45条に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
処分が効力を生じた日:2021年1月20日 2021年6月1日 日本弁護士連合会