弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・竹原孝雄弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・職務上請求使用で住民票を不正取得したものが事件に使用された。

竹原孝雄弁護士は2回目の処分となりました。(2000年 4月 業務停止10月)

報道がありました。

住民票不正取得 弁護士懲戒処分

読売新聞 1月30日

東京弁護士会は29日同会所属の竹原孝雄弁護士(79)を業務停止6月の懲戒処分にしたと発表、処分は28日付
発表によると竹原弁護士は2015年~16年弁護士が住民票や戸籍の付表の写しなどを請求する際に使う「職務上請求書」に「遺産分割調停で相続人を確定させるため」と虚偽の名目を記載した上で、自治体に提出、住民票や戸籍の付表の写しを不正に取得したとしている。同会の調査に対し竹原弁護士は「利用目的は偽っていない」などと説明している。 
「職務上請求書」を利用し住民票など不正に取得しても弁護士会の処分は「戒告」か「処分しない」です。オウム事件で有名だった東京弁護士会の弁護士がタレントの個人情報を取得して報酬を得ていた。この件だけが業務停止です。業務停止6月の処分は、取得した住民票を利用して事件になったからですが、東弁は被懲戒者がどこまで事件にかかわったか判断しなかった、しかし業務停止6月であればある程度は知っていたのではないか、中途半端な処分ですが、処分要旨を読めばこれは地面師詐欺事件であったということがわかります。本当に詐欺事件に関与していたならばもっと厳しい処分をすべきです。2000年の処分要旨をみればこの弁護士の取り巻きが想像できます。
懲 戒 処 分 の 公 告

 東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 竹原孝雄

登録番号 12575

事務所 東京都千代田区麹町3-4-3 シェルブルー麹町301

RMC法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止6月  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2015年頃、不動産会社から、懲戒請求者Aの所有する土地の取引の話があり、懲戒請求者Aと折衝したいとの理由でその住民票の写しの取得を依頼されたところ、上記土地の所有者の住所は登記簿謄本上明らかであり住民票の写しを取得する必要性が存在せず、かつ、懲戒請求者Aに関する遺産分割事件を誰からも受任したことがなかったにもかかわらず、同年10月8日、利用目的の内容欄に「相続人確定の為 遺産分割調停の申立事件」等と記載した職務上請求書を使用して懲戒請求者Aの住民票の写しを不正に取得し、その住民票の写しを上記不動産会社に交付した。

(2)被懲戒者は、2016年1月頃、Bから、懲戒請求者Cの抵当権設定登記が不実の登記であり、懲戒請求者Cに対し抵当権設定登記抹消登記手続を行う必要があるが、懲戒請求者Cが行方不明であるとの説明を受けて、懲戒請求者Cの所在の調査依頼を受けたところ、懲戒請求者Cから遺産分割調停事件を受任していなかったにもかかわらず、利用目的の内容欄に「遺産分割調停事件 相続人確定の為」と記載した職務上請求書を使用して懲戒請求者Cの戸籍の附票の写しを不正に取得し、同月下旬頃、その戸籍の附票の写しをBが同行した懲戒請求者Cに成りすました人物に対して交付した。

(3)被懲戒者の上記各行為は、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。上記(1)の住民票の写し及び上記(2)の戸籍の附票の写しが、懲戒請求者らの成りすましの資料に利用され、上記(1)の土地につき所有権移転登記手続がなされ、上記(2)の抵当権設定登記の抹消手続がなされる被害が発生していることなどから業務停止6月を選択する。

4 処分が効力を生じた日:2021年1月28日 2021年6月1日 日本弁護士連合会

 公 告 2000年6月号

東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、日本弁護士連合会会則第97条の3第1項第1号の規定により公告する。

           記

1 処分を受けた弁護士

氏名 竹原孝雄 登録番号 12575

事務所 東京都中央区銀座6-4-5オリエントビル4階

竹原法律事務所

住所 東京都足立区××× 

2 懲戒の種別 業務停止10月  

3 処分の理由の要旨

被懲戒者は、

(1)1997年、公衆電話ボックス内のチラシで多重債務者を勧誘するものから、その勧誘に応じた多重債務者の債務整理事件を紹介され、報酬を得る目的で事件斡旋を業とする疑いのある者との継続的な関係に基づき事件の斡旋を受け

(2)同日、事務所を訪れた前記多重債務者と自らは一切面談することなく、被懲戒者事務所事務職員に対し、前記多重債務者からの事情聴取及び返済計画の立案、弁護士報酬の取り決め並びに同人をして債務整理委任契約書に署名押印させるなどの事務を行わせたものである。

4 処分が効力を生じた日 2000年4月1日 2000年6月1日 日本弁護士連合会

(注 2000年と現在の処分公告の方法が違います。当時は自宅住所も記載されていました)

職務上請求用紙不正請求・使用で懲戒処分例 『弁護士自治を考える会』2024年3月更新