弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・愛知県弁護士会・高野クミ子弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・依頼者の承諾なく報酬を預り金から差し引く

懲 戒 処 分 の 公 告

 愛知県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 高野久美子

 職業上の氏名     高野クミ子

登録番号 32075

事務所 名古屋市名東区藤森2-286 ステイタスビル303

アリス法律事務所

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

1)被懲戒者は、懲戒請求者から2015年10月27日に損害賠償請求の交渉を受任し、同年11月26日に損害賠償請求訴訟を受任したところ、それらの委任契約書の規定によれば、小口実費に関する清算義務と、小口実費の明細につき説明する義務を負っていたにもかかわらずこれらの義務を履行しなかった。

(2)被懲戒者は、2017年2月7日に懲戒請求者が被懲戒者に送金した38万4000円についてその趣旨が明確でなく、実費等を清算して懲戒請求者に返還すべき義務があったにもかかわらずこれを履行しなかった。

(3)被懲戒者は、上記(1)の訴訟に関し、2018年1月16日に100万円及びその遅延損害金の限度で請求を認容する旨の判決の言渡しを受け、同年2月1日付けで懲戒請求者に対し成功報酬21万6000円、小口実費12万円の合計33万6000円を請求したところ、同月6日に懲戒請求者から14万4000円の送金を受けたが、その趣旨を明確にしないまま、同年3月2日、懲戒請求者に対し、被告代理人から受領した賠償金から報酬等の全額に当たる33万6000円を一方的に控除しその残額を送金した。

(4)被懲戒者の上記各行為は、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4 処分が効力を生じた日2021年5月13日 2021年10月1日 日本弁護士連合会

「女性弁護士(お弁女さん)の懲戒処分」弁護士自治を考える会 2023年11月更新