弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2023年4月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・兵庫県弁護士会・中村航太郎弁護士の懲戒処分の要旨

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処分理由・医療事件の放置、怠慢な自県処理 

事件放置にもいろいろありますが、ここまで杜撰な事件放置であれば、依頼者と揉めた、事件処理能力がない、相手方と通じていた等、推測ができます。どういう事情があったて放置したのか? 何があろうとここまで放置しても処分は戒告しかありません。戒告の要旨でこれほど長いものはあまりありません。

懲 戒 処 分 の 公 告

兵庫県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 中村航太郎

登録番号 46672

事務所 兵庫県尼崎市御園町21 MG尼崎駅前ビル401

 尼崎西宮総合法律事務所 

2 懲戒の種別 戒告

3 処分の理由の要旨 

(1)被懲戒者は、懲戒請求者医療法人Aから同法人の運営する事業所を対象とするB市の監査に対する対応及び処理を依頼され、これを受任したところ、B市の市長から2018年8月27日付で介護保険法第83条に基づき、書類の提出を命じられたが当初の期限から約3か月間提出を遅延した。また被懲戒者は2019年3月25日の監査日にB市から陳述書の提出を求められたが同年7月1日になるまで陳述書を提出しなかった。同月8日以降の監査日の日程調整のためB市から再三再四にわたる電話連絡を受けたにもかかわらず、これに応対せず4か月以上の期日間隔を空けさせた。

(2)被懲戒者はB市から上記(1)の書類の提出を命じられたものの、懲戒請求者A法人に何らの報告も協議もしなかった。

また被懲戒者は上記(1)の事業所の責任者であるCから懲戒請求者A法人のD理事長をかたった内容虚偽のメールを受け取ったがDにその真意や抗議内容等について確認するための報告や連絡をしなかった。

さらに被懲戒者は受任後に立ち合いした監査について、全く懲戒請求者A法人に報告しなかった、また被懲戒者はCが監査日直前に立会いできないと連絡を入れて2度にわたって監査日を延期させたことについて懲戒請求者A法人に何らの報告もしなかった。

(3)被懲戒者はB市からの要請文書を示すことなく、1回目の電話で、懲戒請求者A法人に不利益な事実を記載した書面をB市提出し、しかも、その提出する書面を事前にDからチェックを受けることもせず、また事後にも提出した書面をDに送付して報告しなかった。

また、被懲戒者は受任後、懲戒請求者A法人への連絡や報告をせず、Cに対しても助言や指導等を行わず問題となる法律等に関する法的調査や研鑽した経過もなく、事実関係の把握についてもさほど困難でない調査も行わなかった。

(4)被懲戒者は、懲戒請求者A法人との委任契約の終了に当たり、事件処理の経過及び結果に対する十分な説明を行わなかった、また被懲戒者は事件を引き継いだ懲戒請求者A法人の代理人弁護士Eから、被懲戒者が所持及び保管んしている資料の提出を求められたが、その一部を提出しなかった。

(5)被懲戒者の上記行為はに弁護士職務基本規程第35条に上記(2)の行為は同規程36条に、上記(3)の行為は同規程第37条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2022年11月17日 2023年4月1日 日本弁護士連合会