当会会員に対する懲戒処分についての会長談話 2023年6月27日
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本日、当会は、2023年5月17日付け懲戒委員会の議決に基づき、当会の古澤眞尋会員に対し、退会命令の懲戒処分を行い、効力を生じました。
同会員は、同会員の法律事務所または同会員が代表を務める弁護士法人に勤務していた弁護士に対し、違法なハラスメントを繰り返し、さらに同勤務弁護士が退所後に係属した、同会員と同勤務弁護士を対立当事者とする未払賃金や慰謝料の支払いに関する民事訴訟事件において、訴訟を自らに有利に進める意図で、証拠のねつ造・改ざん及び訴訟への提出に関与し、又は、これを放置し、更に当初の証拠ねつ造等を糊塗するために、更なる証拠のねつ造・改ざん及び訴訟への提出に関与し、又は、これを放置したという事案です。
違法なハラスメントは、一般社会においても強く非難されるものであるところ、本件では、法律の専門家たる弁護士が違法なハラスメントを繰り返したという点で、弁護士の品位を欠くべき非行(弁護士法56条1項)に該当します。また、証拠のねつ造・改ざん及び訴訟への提出に関与し、又は、これを放置したことは、弁護士の使命である基本的人権の擁護及び社会正義の実現(同法1条1項、弁護士職務基本規程1条)に反し、弁護士が裁判の公正に努めなければならないこと(同規程74条)にも反し、弁護士としてあるまじきものであって、弁護士の品位を著しく欠くべき非行(同法56条1項)です。これらは、司法に対する国民の信頼を害する行為であり、決して許されません。
同会員に対しては、2021年6月29日、2019年(懲)第5号事件として、前述した民事訴訟事件において、今回の証拠のねつ造等とは別に、作成名義を偽りねつ造した証拠を提出したことで、当会としては退会命令の懲戒処分を下した経緯があります。
これに対して、同会員が不服を申し立てた結果、日本弁護士連合会において、2022年5月17日、同会員の処分を業務停止2年とする懲戒処分に変更したことから、当会会員の資格が回復しましたが、上記のとおり、更なる多数の懲戒事由が確認されたことから、この度、2回目の退会処分となったものです。
同弁護士の行為は、弁護士を含めた司法に対する市民の皆様の信頼を損なうものであり、極めて遺憾であります。
当会としては、弁護士に対する信頼回復に努め、弁護士の職務の公正の確保に向けてより一層真摯に取組を行う所存です。
2023年6月27日 神奈川県弁護士会 会長 島崎 友樹
元々退会命令だったのを業務停止2年に変更し、また退会命令に改めたカナ弁のドタバタです。
弁護士からパワハラ 報道
横浜市内の法律事務所で勤務していた神奈川県内在住の40代女性が7日、パワーハラスメントなどを受けてうつ病を発症した上、休職中に不当に解雇されたとして、雇用主だった80代男性弁護士と息子の50代弁護士に解雇無効の確認と891万円余りの損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。 訴えによると、女性は2010年から弁護士の親子が共同経営する法律事務所で事務員として働き始めた。翌年以降、父親の弁護士から拳で殴られたり暴言を吐かれたりするなどしたほか、セクシュアルハラスメント行為も受けるようになった。
https://www.47news.jp/localnews/7386882.html
懲戒処分公告
川崎市内にあった法律事務所に所属していた男性弁護士(35)が、事務所を経営する男性弁護士(55)から長期間のパワハラを受けたとして慰謝料などを求めた訴訟で、横浜地裁川崎支部は27日、経営者によるパワハラを認定し、慰謝料など計520万円の支払いを命じる判決を言い渡した。 被害者は司法修習を終え、2011年12月から16年3月までこの事務所に所属。判決は、13~16年ごろに、経営者が被害者の胸ぐらをつかみ「うそつきやろうが」などと大声を出しながらロッカーにたたきつける▽指示棒やスリッパでたたく▽メールの宛先表示を「クズ」と設定する▽ADHD(注意欠陥・多動性障害)に関する書籍を渡して「常識を持って行動しないと笑われる」とメッセージを送信▽懲戒請求の可能性をちらつかせて「てめえなんか無資格者にしてやるぞ」と叱責(しっせき)――などの行為をしたと認定。「優越的な立場を利用し、適正な指導の範囲を逸脱して行われたもので、違法なハラスメント行為にあたる」と指摘した。 被害者側は、所属して2年目の途中から給与が支払われていなかったとして、その支払いも請求。判決は「独立の事業者」だとして給与支給は退ける一方、事務所が依頼を受けて被害者が担当した事件について、業務委託報酬を支払うことも命じた。 被害者側は「一部認められていない部分は高裁の判断を仰ぎたい」として控訴する方針。経営者側の代理人弁護士は「判決文をみていないのでコメントは控えたい」とした。引用 朝日https://news.yahoo.co.jp/articles/d04645dd0db7a4a281823ed91a85ab42bd4bdf6e
神奈川県弁護士会が2021年6月29日に告知した同会所属弁護士 古澤眞尋 会員(登録番号27161)に対する懲戒処分(退会命令)について同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2022年5月7日弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり採決したので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規定により公告する。
記
1 採決の内容
(1)審査請求人に対する戒処分(退会命令)を変更する。
(2)審査請求人の業務を2年間停止する。
2 裁決の理由の要旨
(1)神奈川県弁護士会(以下「原弁護士会」という。)は、本件懲戒請求事件につき、審査請求人を退会命令の処分に付した。
(2)審査請求人の本件審査請求の理由は、要するに、原弁護士会の前記認定と判断には誤りがあり、また、過去の懲戒事例と比較すればその処分は不当に重いものであって、原弁護士会の処分に不服なので、その取消しを求めるというにある。
当委員会が、審査請求人から新たに提出された証拠及び当委員会における審査請求人の審尋結果を含めて審査した結果によっても、原弁護士会懲戒委員会の議決書(以下「原議決書」という。)の認定に誤りはない。
審査請求人は、本件懲戒請求事由は一部のメールの作出と訴訟における証拠提出のみであり、他の証拠の作出ないしは証拠提出等は別に提起された懲戒請求事件において審議されるべき事由であって、これらを含めた原議決書の認定と判断は相当ではない旨主張する。
しかし、審査請求人は、本件懲戒請求事由の対象とされているメールの作出及び証拠提出を行った後に、その捏造の事実を糊塗するために、次々と他の証拠を作出して、これらを訴訟に提出したばかりか原弁護士会の懲戒手続にも提出したのであって、原弁護士会が懲戒請求事由の対象とされているメールが捏造されたものか否かを判断するに当たっては、審査請求人が捏造ではない根拠として次々と提出したこれら他の証拠についても触れざるを得なかったといえる。原議決書は、こうした観点から他の証拠についても検討して、これらもまた捏造ないしはその疑念がある等と認定したが、原議決書によれば、懲戒請求事由はあくまで一部のメールの作出と訴訟における証拠提出とした上で、他の証拠の作出等については量定の事情として考慮しているものと見ることができる。審査請求人が退会命令の処分に付されたことによって、別に提起された懲戒請求事件は手続上終了せざるを得ないことになるという本件の事情をも鑑みると、前記の原議決書の認定と判断には誤りはないというべきであって、審査請求人の主張は採用しない。
原議決書も指摘するように、審査請求人は、自身が訴訟当事者となっている訴訟において、作成名義を偽り捏造した証拠を提出したものであって、その行為は、およそ弁護士として決して許されないものである。加えて、審査請求人は、その後その捏造の事実を糊塗するために、第三者を利用して、次々と捏造ないしはその疑念がある証拠を作出して訴訟に提出しているのであって、こうした事情を考慮すると、その非行の程度は極めて重大といわざるを得ない。
(3)しかしながら、本件懲戒請求事由はあくまで一部のメールの作出と訴訟における 証拠提出に限られるものであること、その後に懲戒請求者との間で和解が成立し、和解金も既に支払われていること、懲戒請求者が行っていた原議決に対する異議申出は取り下げられたこと等の事情を考慮すれば、前記のとおり審査請求人の非行の程度は極めて重大ではあるものの、原弁護士会が付した退会命令の処分はやや重きに過ぎるので、これを変更して、審査請求人の業務を2年間停止することを相当と認め、主文のとおり議決する。
なお、審査請求人の非行の程度は極めて重大であることに加えて、審査請求人がメールの作出と証拠提出を行った行為すら否認する態度には何ら反省が見られないとして、原弁護士会が付した退会命令処分を変更する理由はないとする意見が少なからずあったことを付言する。
4処分が効力を生じた日 2022年5月21日 2022年7月1日 日本弁護士連合会
当会会員に対する懲戒処分の変更について 5月25日 神奈川県弁護士会HP
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当会は、2021年6月29日、古澤眞尋弁護士に対し、退会命令の処分を言い渡しました。
しかし、日本弁護士連合会は、2022年5月17日、本件懲戒事由はあくまで2通のメールの作出と訴訟における証拠提出に限られるものであること、同弁護士と懲戒請求者との間で和解が成立し、和解金も既に支払われていること、懲戒請求者が行っていた原議決に対する異議申出は取り下げられたこと等の事情を考慮すれば、非行の程度は極めて重大ではあるものの、退会命令の処分はやや重きにすぎるので、業務停止2年に変更する旨の採決をしました。
神奈川県弁護士会 HPhttps://www.kanaben.or.jp/news/info/2022/post-395.html
裁判でウソの証拠を提出したとして横浜地検は25日、弁護士活動をしていた男らを逮捕しました。 偽造有印私文書行使の疑いで逮捕されたのは、鎌倉市に住む弁護士活動をしていた行政書士の古澤眞尋容疑者と妻で社会保険労務士の和美容疑者です。 横浜地検によりますと、2人は共謀して古澤容疑者が起こした民事訴訟を有利に進めようと、印刷したメールの文書に知人の弁護士の名前と職印を許可なく記載し正しい証拠として提出した疑いがもたれています。 古澤容疑者は当時、県弁護士会に所属していて、その後退会命令の懲戒処分を受けていましたが、県弁護士会によりますと、日本弁護士連合会は25日付けで業務停止2年へと処分を変更する採決をしたということです。 横浜地検は2人の認否を明らかにしていません。
引用https://news.yahoo.co.jp/articles/8f1170636a1a113ece021b6231e164699b822a63tvkニュース(テレビ神奈川)
当会会員 古澤眞尋弁護士の逮捕についての会長談話 5月26日 神奈川県弁護士会HP
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当会会員の古澤眞尋弁護士(業務停止処分中)が偽造有印私文書行使の疑いで2022年5月25日に逮捕されたとの報道がありました。被疑事実の詳細については承知しておりませんが、当会は、同会員が逮捕されたことを重く受け止めております。
当会は、同会員に対し、自らが当事者となっている民事訴訟事件において作成名義を偽り、自ら捏造した証拠を提出したとして2021年6月29日付けで退会命令の懲戒処分を行ないました(なお、日本弁護士連合会は、2022年5月17日付けで懲戒処分を業務停止2年に変更する旨の裁決をしました)。
今回、同会員が逮捕された被疑事実と当会が懲戒処分をするにあたり認定した事実との関連性については明らかではないものの、偽造された証拠を裁判所に提出する行為は、裁判制度に対する信頼を根底から覆すものであって、弁護士として到底許されるものではありません。当会としては、今後、会員の倫理意識を一層高め、会員一人ひとりにさらなる自覚を求めるべく、再発防止のため当会としてとりうる対策を検討し、速やかに実施してまいります。
2022年5月26日 神奈川県弁護士会 会長 髙岡 俊之
古澤眞尋(ふるさわまさひろ)登録番号27161
弁護士法人古澤総合法律事務所 横浜市中区不老町2-8 不二ビル602
新聞報道時は川崎市の事務所となっています。 古澤総合法律事務所(弁護士法人) 川崎市川崎区砂子1丁目2-16