弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告

弊団体会計不正問題についてお詫びとご報告

2023年11月2日

特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
理事長 赤石千衣子

 このたび、特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむにおいて、2019年度~2022年度に、不正な現金引き出しが確認され、総額802万7603円の使途不明金が生じていることが判明いたしました。

 生活に困難を抱えやすいひとり親と子どもたちを支援し、ひとり親と子どもたちが生き生きくらせる社会を実現することをめざす弊団体において、このような不正行為が発生したことを、たいへん重く受け止めております。
 また日頃よりご支援いただいております、個人の寄付者のみなさま、寄付してくださった企業のみなさま、そして事業にご協力してくださったみなさま、さらにともに連携協力してきた個人・団体のみなさま、そして、わたしどもがご支援しているひとり親と子どもたち、みなさまの期待を裏切るようなことになったことを心苦しく思い、深くお詫びいたします。

 また、組織として、会計の不正を発見するまでに時間がかかったことをお詫び申し上げます。
 このような不祥事を起こさぬよう、役員、職員が会計不正防止のための取り組みをしており、また今後も徹底いたします。

1,会計不正問題の概要

 2019年度から2022年度の4年間において802万7603円の使途不明金が生じていることがわかりました。会計担当であったAの不正の事実が濃厚です。

2,会計担当Aへの対応

 2023年5月中旬からの無断欠勤後、連絡が取れなくなり、会計業務の報告、業務用パソコンと会計関係書類の返還を求め働きかけてきました。また4年間の会計不正が明らかになったのち、横領の疑いを伝え、懲戒解雇の通告、懲戒解雇の弁明書・弁済計画書の提出を求めましたが、提出がない状態が続いております。10月31日付で懲戒解雇し、一部弁済がありました。現在、業務上横領罪を理由とする刑事告訴を準備しております。

3,会計不正問題発生の原因と対策

〈会計体制の不備〉
・2022年5月までは会計担当が1人体制であった
→対応策:
〇複数人数での会計業務体制の構築
〇2022年6月より会計業務を2人体制とし、10月からは3人体制とした
(職員Aの離脱により、2023年5月より再び2人体制となる)

・会計業務における現金引き出しや口座間の資金移動、支払いにおける規則が整備されず、担当Aが自己判断で行える体制となっていた。
→対応策:
〇月次の現金会計確認(事務局長を含む複数による現金取引、有高の確認・照合)
〇現金の取り扱いの縮小(仮払現金による経費支払・精算は可能な限り行わない)
〇現金引き出し、口座間の資金移動の許可制

〈管理部門体制の不備〉
・決裁権限表が不備であった
→対応策:
〇決裁権限表の作成、一定金額以上の決裁の複数チェック

・理事長・事務局長含め管理職の会計知識の低さ
→対応策:
〇管理職・職員向けの会計に関する研修の実施
〇財務におけるガバナンス体制の強化

〈環境的要因〉
・コロナ禍により事業と予算規模が急拡大、業務量急増
・リモートワーク化とそれに伴う管理部門体制強化の遅れ・チェックレベル低下等
→対応策:
〇複数人数での会計業務体制の構築
〇事務所外への証憑・現金の持ち出し、保管の禁止

4,関係者処分と被害額の補填

〈理事長、事務局長の減給処分〉
法人全体の責任者である理事長、管理部門の監督責任者である事務局長には以下のような処分を行いました。

    理事長 減給2分の1(支払い給与40万円の2分の1)  5か月
    事務局長 減給10分の1  1か月

〈被害額の補填〉
理事長と事務局長により上記被害額802万7603円の補填を行いました。

理由:被害額をただちに回復し、それによって団体のミッションであるひとり親の支援業務を継続するため、また失われた団体の信頼を取り戻すことを目的としております

5,第三者調査委員会の発足

  第三者調査委員会を設置し、内部調査によって明らかになった使途不明金問題の事実を認定し、それが起こった組織的な原因の究明と再発防止策についての提言を求めています。

第三者調査委員会は2023年10月13日に第1回委員会を開催、2024年1月に報告書完成の予定です。

山岡 義典 氏 (委員長) 法政大学 名誉教授
菅沼 友子 氏 東京中央法律事務所 弁護士
早坂 毅 氏 早坂毅税理士事務所 所長(税理士・行政書士)

6,認定NPO法人の更新について

 当法人は2018年10月15日より東京都の認定NPO法人となっております。2023年10月14日に認定NPO法人の満了日を迎えるため、7月10日に認定NPO法人の更新申請を行い審査中です。

 今回の会計問題については所轄庁である東京都に報告し、認定基準に不適合となる可能性が高いため、当法人は認定NPO法人の資格更新は困難と認識しております。認定NPO法人の有効期間が終了したのちはNPO法人として活動を継続することとなります。

弁護士自治を考える会
ひとり親支援のNPOで使途不明金800万円 元職員を解雇 11月2日 毎日新聞

ひとり親世帯を支援する認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京都、赤石千衣子理事長)は2日、2019~22年度の4年間で計約800万円の使途不明金が生じており、会計を担当していた元職員が帳簿を改ざんするなどした疑いがあると発表した。同法人は第三者委員会を設置して調査を進めるとともに、元職員を懲戒解雇した。 同法人によると、23年5月、22年度会計の決算をしている過程で法人の現金が不足していることが発覚した。その後の調査で、法人に振り込まれた複数の寄付金が帳簿に計上されない一方で、口座から引き出されたり、帳簿上は入金されたことになっている現金が実際には振り込まれていなかったりしたことが確認されたという。  元職員は5月から体調不良を理由に欠勤。9月に聞き取りをした際には横領を認めなかったという。同法人は弁護士に相談し、10月31日に元職員を懲戒解雇した。刑事告訴する方向で警察に相談している。  同法人は1980年、シングルマザーと子どもたちの支援を目的に任意団体として発足した。ひとり親の就労支援や相談事業、子どもの新入学お祝い金事業などの活動を続けている。【御園生枝里】