弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2025年5月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・玉岡健祐弁護士の懲戒処分の要旨
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処分理由・事件放置 紛議出頭せず
民事訴訟の手続きを怠るなど50件以上の苦情が寄せられているとして、京都弁護士会は7日、同会所属の弁護士(42)の氏名を公表し、相談窓口を開設したと発表した。 同会によると、弁護士は2021年4月~23年11月、民事訴訟の提訴に向けて依頼者と委任契約を結んでいたのに、約2年7カ月間、訴訟の手続きを怠った。同5月~11月は電話に出ず、面談を当日キャンセルするなどした。依頼者側からの懲戒請求を受け、懲戒委員会が審査を行っている。このほかにも昨年4月以降、弁護士に関し「連絡が取れない」「放置されている」などの苦情が52件寄せられている。
弁護士は昨年9月にも同様の事案で戒告の懲戒処分を受け、現在は同会とも連絡が取れない状態という。岡田一毅会長は「被害拡大を防ぐ必要があり、処分決定前に公表した。
京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 玉岡健祐 登録番号 40070
事務所 京都市伏見区瀬戸物町732 ビックワンビル306 玉岡健祐法律事務所
2 懲戒の種別 業務停止3月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2020年9月19日懲戒請求者の母であるA及び懲戒請求者の長男であるBを依頼者として、Cに対する貸金返還請求事件等を受任し、着手金22万円を受領し、2021年2月7日、懲戒請求者からBの代理人として、改めてCを被告とする貸金返還請求訴訟の提起の依頼を受け、訴訟提起費用として2万5000円を受領したが、懲戒請求者と最後に打ち合わせした日である同年4月11日から依頼者との委任関係が終了した2023年11月までの約2年7カ月にわたって懲戒請求者に連絡しないまま上記訴訟の提起をしなかった。
(2)被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、2023年5月22日から同年11月7日までの間、懲戒請求者からの連絡に応答せず、同年8月9日に面談の約束をしながら当日になってキャンセルした上、以後再度の面談日を打ち合わせする等の行為もせず、同年11月7日、懲戒請求者からの電話に対し、電話に出るが即座に電話を切るという行為をして、懲戒請求者との連絡を拒絶又は回避する態度を示し続けた。
(3)被懲戒者は、2023年11月20日、懲戒請求者と面談して上記(1)の訴訟提起に関する委任契約を合意解除した際、懲戒請求者から、被懲戒者がCの代理人宛てに送付した2020年12月23日付け通知書の控え及びCの代理人から送付を受けた2021年3月31日付け通知書の原本の交付を求められたが、これらを交付しなかった。
(4)被懲戒者は、依頼者であったDから2023年6月27日付け紛議調停請求書をもって申し立てられた紛議調停事件において、いずれも被懲戒者が事件受任後に事件事件処理を行わないまま依頼者との連絡を絶った事案であったところ、紛議調停委員会からの再三の呼出しにもかかわらず、何ら応答しないまま複数回の不出頭を重ねた。
(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第45条に、上記(2)の行為は同規程第5条及び第36条に、上記(3)の行為は同規程第44条及び第45条に違反し、上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2024年12月16日 2025年5月1日 日本弁護士連合会
京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 玉岡健祐 登録番号40070
事務所 京都市伏見区瀬戸物町732 ビックワンビル306 玉岡健祐法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、2021年4月20日、懲戒請求者の代理人として、懲戒請求者の夫Aを被告とする離婚請求訴訟の訴訟を提出したところ、その訴状には慰謝料の支払を求める記載はなかったにもかかわらず、懲戒請求者に対し、上記訴訟において慰謝料請求がなされているかのように誤信を生じさせる説明を意図的に行った。
(2)被懲戒者は、Aが申し立てた懲戒請求者を相手方とする婚姻費用分担調停事件において、懲戒請求者の代理人として2021年5月6日になされた調停に代わる審判書を受領したところ、審判所受領後速やかに、懲戒請求者に対し、その内容を報告し、説明、協議を行った上で、異議申立ての意思の有無を確認し、懲戒請求者に異議申立ての意思があるのであれば、異議申立期限までに、超過請求者が異議申立てできるように配慮することが求められていたにもかかわらず、これを怠り、結果として懲戒請求者は異議申立ての機会を失った。
(3)被懲戒者は懲戒請求者から2021年7月26日から同年9月18日までの間、再三にわたり電話やショートメールにより懲戒請求者がそれまで助言するなどしたことがある事件等の進捗状況の問合わせ等を受けたにもかかわらず、ショートメールを返信せず、2回折り返し架電した以外は応答しなかった。
(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務規程第36条に違反し、上記(2)の行為は同規程第22条第1項、第36条及び第44条に違反し上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた日 2023年9月13日 2024年2月1日 日本弁護士連合会