本田洋司弁護士(二弁)詐欺・懲役10年の判決
国有地の架空取引を持ち掛けて9億円超をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元日弁連常務理事の弁護士本田洋司被告(82)ら3人の判決が30日、東京地裁であり、室橋雅仁裁判長は本田被告に懲役10年(求刑懲役12年)を言い渡した。共犯者の会社役員中原利浩被告(52)は懲役14年(求刑懲役15年)、無職若林秀世被告(77)は懲役8年(求刑懲役10年)とした
弁護士自治を考える会

弁護士が詐欺で逮捕・起訴・有罪になることは珍しくありません。岡山。福岡の弁護士の横領事件には詐欺容疑もありました。他にもたくさんの弁護士が詐欺で逮捕されていますが、ほとんどが単独犯行でした。事務所費用や依頼者に立替をしたため自転車操業になったためでした。

ところが本田洋司の場合は違います。

前代未聞の詐欺団を組んだのです

主犯の中原は過去にも詐欺で逮捕歴があります。若林はジャーナリストという肩書ですが前科のある詐欺師です。中原が国有地を払い下げする紹介会社を作り若林が募集をしていく。本田が私が任されていますと偽造した委任状を見せて購入希望者を安心させる。所有権移転まではできませんから手付金やコンサル代として購入者から騙しとる。購入者がまだですかという問い合わせが来たらもう少し待てとか、もっといい物件がある。と紹介しまた手付金をだまし取る。
舞台は国会近くの高級ホテルの最高級の部屋や上野公園近くの高級マンションを貸し切って購入者を安心させる。
実際に騙されたのは東京のや静岡の中堅不動産会社等数社、都内の用地は喉から手が出るくらいに欲しい。特別に御社だけ、国有地の払い下げが取得できるとなれば騙される。しかも、この詐欺軍団の頭がいいのは直接に購入希望者にアタックしない。偽情報をひとつの業者に言えば、次々と広がる。そして購入希望者が信頼を寄せている会社に行く、情報元は誰か分からない。東京の業者が情報をもらったのは外資系の証券会社。証券会社が持ってきた情報は疑う余地もない。購入希望者が見つかったら今度は逆回りにかの不動産業者やコンサルタント業に連絡があり中原。若林が会い面談し真実味を持たせるために本田弁護士が登場するのです。本田の法律事務所で偽造された委任状を見せられたら誰だって信用します。

 中には直接に国有地の所有者に連絡をとりたいと本田らに言った人もあるようですが、それならこの話はなかったことにする。極秘で進めているのだと言われたら、問い合わせもしないでしょう。 

 本田洋司裁判2014年1月 傍聴日記 当時者尋問(限定公開記事)

 
初公判 傍聴
 東京地裁:元日弁連常務理事に3億円賠償命令

毎日新聞 20131111日 

 東京都内の不動産会社が、国有地の架空取引で詐欺罪に問われた元日本弁護士連合会常務理事の弁護士、本田洋司被告(80)に対し、別の国有地購入の売買交渉を委任したのに取引が成立しなかったとして3億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、本田被告に全額の支払いを命じた。本田被告は手付金として受け取った3億円を国に納入したと主張したが、小林久起裁判長は「客観的な証拠がなく、金の所在も不明」と退けた。
 提訴したのは渋谷区の「シマダアセットパートナーズ」。判決によると、同社は2011年9月、財務省が所有する東京都品川区の郵政宿舎の土地建物を巡り、交渉の委任契約を本田被告と締結。3億円を支払ったが、実際には取引は成立していなかった。
 本田被告は静岡県内の国有地の架空取引で浜松市の住宅販売会社から1億7000万円をだまし取ったとして起訴され、同じ会社から他にも約2億円をだまし取ったとして詐欺容疑で警視庁に再逮捕されている。

 

 読売の記事
「国有地を特別に安く売ります」

という詐欺は目新しいものではない。この事件の特徴は、実在するRFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)という機構が「仲介」すると騙り、「国側の取引の立ち会い」として本田洋司をはじめとして実在する弁護士が関与した点。

 第一回刑事裁判では、この事件の主犯である中原利浩、若林秀世(鏡水)、本田洋二弁護士が犯行に至った経緯と犯行状況が検察側より述べられていた。
 RFOが仲介するように仕立てて、国有地払い下げの詐欺を行ったのは、中原らが最初ではありません。2009年に浅倉友利という男がRFOが仲介で日本郵政の物件を売るといった詐欺で逮捕され、懲役6年の実刑判決がおり、現在服役中。 今回の事件の主犯、中原利浩と若林秀世は浅倉友利の配下でこの事件に関わっていた。いわば浅倉事件の残党である。

  <刑事裁判で検察が述べた犯行に至る経緯>

 郵政民営化に伴い、H1810月頃から浅倉は、複数の不動産会社に対し、郵政物件を随意契約で安く購入できるなど持ちかけ、仲介手数料名目などで金をだまし取ることを繰り返していた。浅倉は、不動産業者らに詐欺の営業を続けていたのだが、ひっかかる不動産業者が少ないため、H20年7月頃までには、RFOを間にカマせる手口を思いつく。

中原は浅倉からこのアイディアを聞き、これに加担することを決め、H20年7月30日にRFOの印鑑を勝手につくった(注文して購入したのは中原)。浅倉の指示に従い、売主をRFO、買主を浅倉に指示された不動産業者とする売買契約書等を作成して、浅倉に渡すようになった。

若林はH1911月頃から浅倉に郵政物件の購入を希望する不動産業者を紹介し、H20年7月頃からは取引が不正だと認識しながら、郵政物件の購入を希望する不動産業者を紹介し、手数料などを得ていたが、H21年9月16日、浅倉が詐欺罪で警察に逮捕されたことを知り、浅倉が進めていたRFO関連の取引が詐欺であることを認識した。

21918日。若林はRFOの担当者に面会し、RFOが郵政物件を売る法的権限がないことをなどを確認した。遅くともこの頃には若林が浅倉のRFO関連の取引は嘘であることに気づいていた。
しかし若林は詐欺の報酬目当てでH22年はじめ頃、(刑務所の)浅倉に面会に行き、浅倉から中原を頼るように言われ、中原と会う。
この後、若林は中原と2人で不動産業者に対してRFOの名前を騙った詐欺を続け、金を騙し取ることを続ける。
本田弁護士は、知人を通じて若林、中原と知り合い、H22年8月頃から、中原や若林のやっていた嘘の不動産売買契約の複数に立ち会うようになる。本田はRFOを訪れ、担当者と面会。RFOを売主とする不動産売買契約書が偽造されたものであることを聞き、遅くともこの頃までには、中原らの取引が嘘であることを認識した。しかし、その後も金ほしさから、弁護士の信頼を悪用して、嘘の売買契約に立ち会い続けた。
 RFOは厚生年金関係の施設を運営、売却する機構だが、今回の架空取引に使われた日本郵政やKKRなどの物件を売却する法的な権限はない。この詐欺団が使用した売買契約書には売主がRFOとなっていたが、日本郵政等の物件の売主にRFOの名前が記載されることはあり得ない。それだけでその契約書は「無効」である。
 浅倉が逮捕された時、中原は事情聴取を受けていたようだ。しかし浅倉がかばったため中原は逮捕を免れたと言われている。今度は自分が主犯として新たな詐欺に手を染めた。  
検察の主張の通りなら、刑務所に収監されている浅倉の助言で中原と若林のタッグが誕生したことになる。今回の詐欺事件の被害者は相当数にのぼっているようだ。過去の中原と若林のように、主犯の配下で事件に関与した人間も数多いと言われている。残党が新たな詐欺事件を起こさないためにも、今回はできるだけ多くの関係者に法の裁きが下るよう願いたい
200336日朝日

 

本田 洋司

<学歴>

昭和26年長崎県立長崎西高等学校卒。昭和35年中央大学法学部卒。昭和44年司法試験合格。昭和473月司法修習生の修習終了。
<職歴>
昭和264月長崎家庭裁判所に勤務。昭和331月東京地方裁判所書記官補。昭和359月最高裁判所第一小法廷書記官。昭和453月退官。昭和474月弁護士登録(第二東京弁護士会所属)荻野陽三法律事務所勤務。昭和501月独立して事務所開業、現在に至る。
<主な仕事歴>
昭和47年から平成13年まで、東京都の都民のための法律相談担当。現在台東区の区民のための法律相談担当。昭和50年スモン訴訟原告弁護団に参加。
<事務所の仕事>
顧問先として、銀行、建設会社、運輸会社、商事会社等。
<弁護士会の役職>
平成3年民暴対策委員長。平成5年第二東京弁護士会副会長。平成6年日本弁護士連合会常務理事。平成14年関東弁護士会連合会副理事長。平成16年第二東京弁護士会常議員会議長。
<役所関係の仕事>
東京地方裁判所調停委員。司法委員。東京都下水道局委員。平成1216年国家公安委員会専門委員。