弁護士の懲戒処分を公開しています日弁連広報誌「自由と正義」2019年4月号に公告として掲載された弁護士懲戒処分・第一東京弁護士会・越知保見弁護士の懲戒処分の要旨
経済関係が専門分野の明治大学院教授
処分理由・双方代理、利益相反行為、守秘義務違反、委任状作成せず報酬説明せず。
報道がありました。
法科大学院教授の弁護士懲戒
第一東京弁護士会、「利益相反」
第一東京弁護士会は28日、千葉県の学校法人の法律相談を受任中に、法人の不正経理を指摘した職員の代理人も務めたとして、明治大法科大学院教授の越知保見弁護士(58)を業務停止3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は27日付。「利益相反」に当たると判断した。越知弁護士は不服として日弁連に審査請求する方針。
越知弁護士は28日、都内で記者会見し「職員の代理人を務めたのは法人から契約解除の通知を受けた後だ」と反論。学校法人が懲戒請求したのは「内部告発した職員への圧力だ」と述べた。12月28日 佐賀新聞
大学院教授の弁護士懲戒 日弁連に審査請求へ 2018/12/28第一東京弁護士会は28日、千葉県の学校法人の法律相談を受任中に、法人の不正経理を指摘した職員の代理人も務めたとして、明治大法科大学院教授の越知保見弁護士(58)を業務停止3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は27日付。「利益相反」に当たると判断した。越知弁護士は不服として日弁連に審査請求する方針。越知弁護士は28日、都内で記者会見し「職員の代理人を務めたのは法人から契約解除の通知を受けた後だ」と反論。学校法人が懲戒請求したのは「内部告発した職員への圧力だ」と述べた。第一東京弁護士会によると、越知弁護士は法人と契約を結んだ2012年以降、職員の依頼を受けて学校法人に内部監査を要求し、理事長に背任の疑いがあるとして千葉県に通報した。〔共同〕
双方代理での処分例
ほとんどが相続事件と会社の紛争に関与してですが、ほとんど戒告処分です。
今回は利益相反行為よりも紛議調停での被懲戒者の対応で重い処分が出たのではあいかと思います。審査請求を出されたようですが日弁連で処分変更される可能性は半々です。
懲 戒 処 分 の 公 告第一東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士 越 知 保 見 登録番号20193
事務所 東京都港区浜松町2-2-15
2 懲戒の種別 業 務 停 止 3 月
3 処分の理由の要旨
(1)被懲戒者は、懲戒請求者学校法人Aから2012年9月頃に懲戒請求者A法人を相手方として申立てられた労働審判事件に対する助言等を、同年11月に懲戒請求者A法人を債権者とする仮処分命令の申立て等を2013年3月に申立られた懲戒請求者A法人を債権者とする仮処分命令申立事件についてのそれぞれ依頼され代理人になる等したが、いずれも委任契約書を作成せず、かつ事件の受任に当たって弁護士報酬について適切な説明をしなかった。
(2)被懲戒者は懲戒請求者A法人からの継続的な法律相談業務の提供関係が存続していたにもかかわらず懲戒請求者A法人に勤務するBらの代理人として2013年8月27日付けの書面において懲戒請求者A法人に対してその内部統制についての調査及び業務監査の実施を要求した。
(3)被懲戒者は懲戒請求者A法人からの継続的な法律相談業務等の処理の過程でしった懲戒請求者A法人に関する情報を利用してBらの代理人として2013年9月2日付けの書面において懲戒請求者A法人に対してその業務監査を要求し、またBらの代理人として同月26日付け告発書において知事に対して懲戒請求者A法人に関する告発を行い。同年11月11日頃に記者会見を行って上記告発の内容を公表し、さらに同年12月5日にBの代理人として懲戒請求者A法人を相手方とする労働審判の申立てを行った。
(4)被懲戒者は2013年11月15日、懲戒請求者A法人から紛議調停を申し立てられて被懲戒者が懲戒請求者A法人に請求した弁護士報酬について業務内容の内訳の説明や請求の根拠となった業務時間記録の交付、支払済みの弁護士報酬のうち相当額の返還等を求められていたにもかかわらず、報酬請求の根拠となる資料の提出をせず、その結果、紛議調停は2014年2月24日不正立により終了した
(5)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第29条第1項及び第30条に上記(2)の行為は同規程第28条第2号に上記(3)の行為は同規程第23条に違反ししずれも弁護士法第56条第1項の品位を失うべき非行に該当する。
なお被懲戒者が2005年に戒告の懲戒処分を受けていることなどを考慮して上記処分とした。
4 処分の効力が生じた日 2018年12月27日
2019年4月1日 日本弁護士連合会
弁護士職務基本規定
(秘密の保持)
第二十三条 弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。 (職務を行い得ない事件)
第二十八条 弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行っては ならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその 依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。
一 相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件 二 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件 三 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件 四 依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件 第三節 事件の受任時における規律 (受任の際の説明等)
第二十九条 弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事 件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなけ ればならない。 2 弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。 3 弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任 してはならない。 |
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