東京弁護士会「リブラ」2021年1月号 弁護士懲戒処分の公表
東京弁護士会の会員で業務停止以上の処分があった時に会報に処分内容が公表されます。2021年1月号は4人の弁護士の処分公表がありました。日弁連広報誌「自由と正義」の懲戒処分の公告(処分理由)は普段は処分日から4か月後に掲載になりますが、新型コロナウイルス感染のため日弁連業務が遅れていますので、自由と正義への掲載は未定です。(2021年7月頃の予定)ネット版のリブラには処分公表は掲載されません。
東弁会報リブラhttps://www.toben.or.jp/message/libra/
笠井浩二弁護士
笠井浩二弁護士は7回目の懲戒処分となりました。現役2位の成績です。
業務停止月数は79か月となり他の挑戦者の追随を許していません。東弁が今後どれだけ記録を伸ばせてくれるか期待しましょう。連続業務停止9回の大記録は6回目が戒告になりましたので断念となっています。
笠井浩二弁護士 処分歴
①2008年4月 業務停止1年6月 高齢者から1300万円を自分のために取った。当初は業務停止2年
②2009年11月 業務停止1年6月 依頼人から預かった重要な書類を失くす、虚偽報告
③2011年8月 業務停止2年 業務停止中の業務
④2013年11月 業務停止6月 会費滞納 当初は退会命令 弁済し業務停止に変更
⑤2014年10月 業務停止10月 損害賠償金を依頼者に払わず
⑥2018年10月 戒告 依頼者から100万円借りた
⑦2021年1月 業務停止3月 取り扱えない事案
処分件数 7 業務停止月数 79か月
懲 戒 処 分 の 公 表
本会は下記会員に対して弁護士法第57条に定める懲戒処分をしたので、お知らせします。
記
被懲戒者 笠井浩二(登録番号17636)
登録上の事務所 東京都千代田区神田小川町3-28-9
街の灯法律事務所
懲戒の種類 業務停止3月
効力の生じた日 2020年 11月13日
懲戒理由の要旨
被懲戒者は、2016年、懲戒請求者から債務整理事件を受任し、その委任関係が終了していないにもかかわらず2017年9月、被懲戒者の事務所の職員が2016年10月頃n懲戒請求者から支払いを受けた売買代金請求事件について同職員から受任し懲戒請求者を相手方として交渉した。被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規程第28条2号に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
2020年11月13日 東京弁護士会会長 冨田 秀実
弁護士職務基本規程第28条第2号 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件