2021年1月もあっという間に終わりました。1月行く2月逃げる3月去ると昔からいわれますが、とにかく新型コロナ感染拡大だけはなんとか早く収束してもらいたいものです。
新型コロナ感染拡大で弁護士さんも飲み会がなかったようで毎年1月好例の弁護士逮捕の報道はありませんでした。
1月の話題はなんといっても第二東京弁護士会から業務停止1月を受けた弁護士が日弁連に審査請求を行い処分取消になり二弁に対し弁護士業務の損害があったと提訴し4200万円が認められたとのこと。過去になかった処分取消と損害賠償請求訴訟判決の話題でした。
弁護士さんでも1000人近い人から懲戒請求を出されたが答弁書も提出せず懲戒請求者を訴えて30万円の請求をせっせとやってる方もいるようですが、1000件の訴訟で満額なら3億円になるのですからおいしい訴訟です・・
二弁に何かあったのことでしょうか、綱紀委員会、懲戒委員会で何度も大勢の委員で審議したものが日弁連懲戒委員会であっさり処分取消になった。業務停止から戒告ではなく、そもそも処分すべきものではなかったということです。過去にない内容です。二弁綱紀委員会懲戒委員会は赤っ恥です。
弁護士会の処分に恣意的な懲戒などありえないという方もいますが、日頃は敵味方に分かれる弁護士、綱紀委員に敵方がいたから処分されたという弁護士の言い訳も聞いたことがあります。大阪に多い弁護士会の派閥争い?次期会長に出馬をしようとして処分された東弁のセンセイもいます。二弁ですからいろいろあると思います。
被懲戒者は所属弁護士会の処分が不服の場合は日弁連懲戒委員会へ審査請求を申し出ることができます。日弁連懲戒委員会で「処分取消」が出れば懲戒審議は懲戒請求者・被調査人とも「結了」日弁連で審査請求が×つまり「処分取消」「棄却」となった場合は官報・自由と正義に「裁決の公告」が掲載されます。
裁決の公告(棄却)
大分県弁護士会が2020年3月16日に告知した同会所属弁護士 河野聡 会員(登録番号20528)に対する懲戒処分(戒告)について、同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2020年11月10日、弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて、本件審査請求を棄却する旨裁決し、この採決は2020年11月16日に効力を生じたので、懲戒処分の公告及び公表に関する規程第3条第2号の規定により公告する。
2021年1月1日 日本弁護士連合会
日弁連懲戒委員会の審査請求が棄却となっても次に行政不服審査法により東京高裁に「処分取消訴訟」を提起することができます。これも棄却や処分取消、処分変更になった場合は官報と自由と正義に公告として掲載されます。
裁決取消訴訟の判決確定の公告
東京弁護士会が同会所属弁護士 杉山博亮 会員(登録番号23069)に対してなした懲戒処分(業務停止1年6月・2018年3月14日告知)につき本会がこれに対する審査請求について前記懲戒処分を業務停止9月に変更する旨の裁決を行ったところ(同年12月12日告知)同会員から裁決取消の訴えが提起され2020年1月25日東京高等裁判所において原告の請求を棄却する旨の判決が、また同年10月30日、最高裁判所において上告を棄却する及び上告審として受理しない旨の決定がなされ、上記東京高等裁判所は同日確定した、よって本会はこれを懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第7条の規定により公告する。
2021年1月1日 日本弁護士連合会
毎年約100件の懲戒処分があります。処分は不当と日弁連の審査請求はほぼ全員が行います。東京高裁へ処分取消訴訟提起は約半分くらいではないでしょうか。所属弁護士会が処分を行い日弁連で処分変更(業務停止3月⇒2月)処分取消(戒告⇒処分なし)は年間2件から3件です。但し今回の業務停止1月が処分取消になった例は知りません。最高裁まで頑張って処分変更を勝ち取った最近の例は1件です。
高裁で判決が出てもう一度、日弁連懲戒委員会で審議され、結局この懲戒は①「所属弁護士会 業務停止1月」②日弁連審査請求 棄却(業務停止1月)③東京高裁 原告の請求を認めた。④ 日弁連に戻され「戒告」で確定
氏 名 所 属 登録番号 処 分 処分日 回数
① 太田垣万里 第一東京 33551 退会命令 2年12月9日 2
② 野村義造 第一東京 15405 業務停止3月 12月9日 2
③ 小山三代治 第二東京 13385 業務停止1年 12月16日 3
④ 筧宗憲 兵 庫 17854 戒告 12月16日 初
⑤ 弁護士法人筧法律事務所 426 戒告 12月16日 初
⑥ 橋本長平 京都 15088 戒告 12月21日 初
⑦ 藤原式子 京都 39940 戒告 12月21日 初
⑧ 中山雅雄 第二東京 28947 戒告 12月21日 2
東西の雄、東弁、大阪の処分がまだありません。なお8番目までは2020年に処分を受けたという分類になります。
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