法律事務所の「代表弁護士」が所属弁護士の監督責任を問われた懲戒処分例 
弁護士の懲戒処分を公開し分類しています。書きかけです。新しく処分が出ましたら追加します。非弁提携と被ることがありますがご了承ください
懲 戒 処 分 の 公 告 2022年12月号

処分を受けた弁護士氏名 松尾 翼 登録番号 7809  事務所 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル18階

弁護士法人松尾綜合法律事務所 

2 懲戒の種別 戒告

3 処分の理由の要旨 

被懲戒者は2017年5月12日に懲戒請求者が株式会社Aを被告として提起した損害賠償請求訴訟について、被懲戒者が代表社員であった弁護士法人において受任し、事務所に所属するB弁護士らと共に被告訴訟訴訟代理人として名前を連ね、担当のB弁護士による名義使用を包括的に許諾していたところ、B弁護士が上記訴訟において、懲戒請求者の社会的評価を低下させ、かつ、争点との関連性がなく訴訟行為追行のための必要性、相当性からしても正当な訴訟活動とは認められない記述を含んだ準備書面を提出し、被懲戒者はB弁護士の訴訟追行等に関して監督上の努力義務を行った。4処分が効力を生じた日 2022年7月13日 2022年12月1日 日本弁護士連合会 

懲 戒 処 分 の 公 告 2022年5月号 神奈川

処分を受けた弁護士氏名 大河内秀明 登録番号 17415 事務所 横浜市南区港南台8-5-4-106

横浜シルク法律事務所 

2 懲戒の種別 戒 告 

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、Aの遺言の遺言執行者に就任したところ、2020年1月27日付けで預貯金のみの目録を作成したが、相続財産全部についての財産目録を作成せず相続人である懲戒請求者B及び懲戒請求者Cに交付しなかった。

(2)被懲戒者は、上記(1)の遺言の検認前に、理由なく、懲戒請求者Bから100万円を受領した。

(3)被懲戒者は、上記(1)の遺言の執行に関して事務処理を行っていたDが、被懲戒者の指揮監督を受けないで、懲戒請求者らと面会して法的な助言をし、懲戒請求者らに対する文書を送付し、またメールを送信していることを知りながら、何らの対応もしなかった。

(4)被懲戒者の上記(1)及び(3)の行為は弁護士職務基本規程第5条及び第6条に、上記(2)の行為は同規程第5条、第6条等に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4処分が効力を生じた日 2022年1月12日 2022年5月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年12月号  福岡
処分を受けた弁護士氏名 松山哲彦  登録番号 44478 事務所 福岡県福岡市中央区天神3-16-17 第一城戸ビル2階

弁護士法人九州総合法律事務所 処分の内容  戒告

処分の理由の要旨

被懲戒者は、慰謝料請求事件を常時50件以上抱えている状況下において、Aから不貞行為を原因とする慰謝料請求事件を受任したところ、その雇用する事務職員Bに相手方との交渉にわたることのないように十分留意する旨を指導することなく、電話で懲戒請求者に対して受任の事実を通知すること等を指示し、その結果、Bは、2018年7月24日懲戒請求者に対し、電話で、慰謝料を支払う意思の有無を問い、交渉に時間をかけるつもりはないこと、文書でのやり取りを望むのであればもはや訴訟を提起するしかないこと等を述べて交渉を行った。4 処分が効力を生じた年月日 2021年6月28日 2021年12月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年1月号 大分

処分を受けた弁護士法人 名 称 弁護士法人清源法律事務所 届出番号 298

主たる法律事務所名称   弁護士法人清源法律事務所  所在場所    大分県中津市中殿町3-23-2 ビルナカドノ1階所属弁護士会   大分県弁護士会 懲戒にかかる法律事務所 名称  弁護士法人清源法律事務所 所在場所    大分県中津市中殿町3-23-2 ビルナカドノ1階 所属弁護士会  大分県弁護士会 名 称     弁護士法人清源法律事務所宇佐支店 所在場所 大分県宇佐市上田1001-10

所属弁護士会  大分県弁護士会

2 処分の内容 業務停止6月

3 処分の理由の要旨

被懲戒弁護士法人は当時被懲戒弁護士法人の代表社員であったA弁護士が2015年3月頃から2018年8月頃までの間、被懲戒弁護士法人の事務所に勤務していたBに対し、その職務上の地位を利用し、Bの意に反して複数回セクシュアルハラスメント行為を行ったがセクシュアルハラスメント被害の予防について適切な措置を採るべき義務があったにもかかわらず、これを漫然と怠りA弁護士がBに対して上記セクシャルハラスメント行為に及ぶことを看過した。 処分が効力を生じた年月日 2020年9月17日  2021年1月1日 日本弁護士連合会

処分理由・女性事務員に対するセクハラ

弁護士法人の懲戒処分の要旨ですが、これしかやりようがなかったのかという内容です。弁護士法人の代表社員弁護士が女性事務員にセクハラをしたのに処分を受けたのは個人ではなく法人、本来そんな馬鹿な処分はありませんが、これしか方法がなかったのです。推測になりますが経過を見てみましょう。

清源善二郎弁護士 登録番号19265 2009年度大分県弁護士会会長・2009年度日弁連理事就任。 

セクハラ行為は2015年3月から2018年8月頃まで。おそらく事務員さんが被害を訴えたのがこの後、そして清源善二郎弁護士は2018年10月20日弁護士登録を取消します。推測ですが被害事務員さんが個人に懲戒請求申立をしたとすれば2018年8月頃、申立があり清源善二郎弁護士は10月20日に弁護士登録を取り消した。懲戒の申立が出て綱紀に付されば登録換え(他の弁護士会に移動)は懲戒逃げと見られできません。しかし懲戒が綱紀に付されていても弁護士登録を抹消することはできます。これもある種の懲戒逃げということではないでしょうか、弁護士法人に対する処分が出たのが2020年9月17日、処分になるのは誰かが懲戒請求者にならなければ弁護士会は動きません。もうひとつは会請求とよばれるもので弁護士会が懲戒請求者になるものです。この弁護士法人に対する懲戒は会請求となっています。

懲 戒 処 分 の 公 告 2019年11月号

1 処分を受けた弁護士氏名 平間民郎登録番号 32365 ひらま総合法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止2月  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2013年12月21日、不動産売買の仲介業務を営む懲戒請求者に紹介した依頼者の不動産売買契約締結の場に被懲戒者が雇用する事務職員Aを立ち合せたところ、その指導監督を怠り、その結果、同日、Aが懲戒請求者にアルバイト代金として3万円を請求して受領した。

(2)被懲戒者は、懲戒請求者に依頼者を紹介し、懲戒請求者の媒介によって不動産売買契約が成立してその決済も終了した後、2014年1月17日に懲戒請求者から上記契約成立等に対する謝礼の趣旨が含まれている13万2706円を受領した。

(3)被懲戒者はAに対する指導監督を怠り、その結果、Aは被懲戒者が懲戒請求者に紹介した依頼者から懲戒請求者に清掃作業を受注させた上で、その仕事をAに下請けに出させて報酬として2016年6月30日付けで13万円を受領し、また被懲戒者の依頼者から懲戒請求者が20万円の費用で処分業務を受注して、Aは何らの作業を行わないにもかかわらず、そのうち5万円をAに支払うよう要求した。

(4)被懲戒者は、懲戒請求者に依頼者を紹介し、懲戒請求者の媒介によって不動産売買契約が成立してその決済も終了した後、2016年8月24日及び29日にファクシミリによる書面で懲戒請求者に対して上記売買契約について仲介手数料15%を支払うよう請求した。

4処分が効力を生じた日 2019年7月23日 2019年11月1日    日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2012年1月号 東京

処分を受けた弁護士氏名 大橋秀雄 登録番号 15462 事務所 東京都中央区銀座8  大橋秀雄法津事務所   懲戒の種別  業務停止3月

3 処分の理由の要旨         

(1)被懲戒者はA弁護士法人の唯一の社員である弁護士が業務停止の懲戒処分を受けるに先立ち、業務停止期間中にA弁護士法人の業務を行うことを承諾して法律事務所の変更の届け出をしないまま、A弁護士法人の社員に就任し2010年10月5日社員就任の登記を経て二重に事務所を設置した

(2)被懲戒者はA弁護士法人から引き継いだ事件について相手方からの問い合わせに対し「そのような会社なんて聞いたことがない」と回答するなど、極めて無責任な処理をした。また被懲戒者はA弁護士法人の事務員が被懲戒者名義の書面を相手方に送付することについて、十分に指導監督せず放置した

4 処分の効力を生じた年月日 2011年10月5日 2012年1月1日   日本弁護士連合会