弁護士自治を考える会

元東京弁護士会会長。元日弁連副会長の懲戒処分要旨

『弁護士会会長選挙で金いるから1000万円貸して』の巻

2003年1月8日田中弁護士は2800万円の預かり金を返す時に山本さんに対して『弁護士会の会長選挙がヤマ場なので競そりあってる』『選挙資金が不足しているので預かり金のうちの半額を援助して欲しい』
と言って1000万円を山本さんの会社(A社)から借りた、しかしその後、売主である山本さんの会社(B社)から別の会社にこの金の請求権が移ったので、その会社から預かり書を出した司法書士に金を返せと裁判が起こされた。司法書士はこの預かり金は田中弁護士に渡したと主張した、結局、裁判の末、和解になり田中弁護士は和解金を払った(1審敗訴 控訴審で和解)

弁護士会の会長選挙でとありますが東京弁護士会の会長選挙です
この懲戒要旨では弁護士会会長選挙で金が掛かることは弁護士会は否定していない

懲戒処分の公告 2008年7月号
懲戒を受けた弁護士 田中敏夫 11017 東京弁護士会所属
東京都新宿区西新宿1-19
新宿法律事務所
懲戒処分  戒告
処分の理由の要旨
被懲戒者は2002年11月1日懲戒請求者より同人がオーナーを勤めるA社を買主B社を売主とする土地建物の売買契約書の作成と所有権移転登記手続の履行の確認の依頼を受け同月14日売買契約が成立した。

B社は上記移転登記費用に関わる預かり金として司法書士Cに対し2800万円を預けCはB社に対し預り証を発行したが上記預かり金を被懲戒者に預けた
被懲戒者は2003年1月18日上記預かり金を返還する際に懲戒請求者に対し
『弁護士会の会長選挙ヤマ場なので競り合っている。選挙資金が不足しているのでその半額を援助して欲しい』と申し入れA社からの借り入れとして受領した、その後B社から上記預かり金の返還請求権を譲り受けたとするDからCに対し上記預かり金の帰属が争点となる返還請求訴訟が提起され、被懲戒者はCに補助参加そたが第一審は敗訴し、控訴審において懲戒請求者の協力は得られず結局和解になって被懲戒者が和解金の負担をするに至った
被懲戒者の懲戒請求者からの上記借入行為は特別な理由もないものであり
これに起因して職務の独立性に問題が生じて実質的当事者であるはずの懲戒請求者に十分な指導ができず訴訟において当事者的立場に立って依頼者と利益が相反しるような地位に身を置き、Cに多大な精神的負担を負わせる結果が生じたなどの経過から考えると実質的にも廃止前の弁護士倫理第41条に違反するものである
被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を
失うべき非行に該当する
処分の効力の生じた日 2008年4月7日 2008年7月1日  日本弁護士連合会