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平成21年3月に日弁連広報誌「自由と正義」で公告として公開された
弁護士懲戒処分要旨
その中で大阪弁護士会の今口弁護士の戒告処分から業務停止1月に変更されています

【戒告】から【業務停止1月】に変更されたが・・・
大阪弁護士会は当初【戒告】としたことは恥じるべきではないでしょうか

2008年8月に出された戒告はいかにも軽いと記事にしました。
業務停止1月でもまだ軽いと思ってます

少し長いかもしれませんがご辛抱ください
また、資料として残しますのでこの記事にはコメントは入りません

自賠責の報酬は約束もなく1割

        

 懲戒処分の公告
大阪弁護士会が同懲戒委員会の議決に元づき、2008年3月27日付づけでなし同日に効力を生じた戒告の懲戒処分に対する懲戒請求者からの異議の申出について日本弁護士連合会は上記懲戒処分を変更して以下のとおり懲戒処分をしたので懲戒処分の公告及び公表等に関する規定第3条第6条の規定により公告する
           記
1 懲戒を受けた弁護士
氏名 今口 裕行 
登録番号 15189 (大阪弁護士会)
事務所  大阪市北区西天満4-8-2 北ビル本館504
2 懲戒の種別 業務停止1月 
3 処分の理由の要旨
(1)
2004年8月故障のため停止中の異議申立人らの乗用車に、居眠り運転のトラックが衝突し、
その結果、長男、長女が死亡し異議申立人B(夫)は重篤な障害を負うとともに
異議申立人A【妻】も一時は生命が危ぶまれる程の傷害を負う事故が発生した
(以下「本件事故」という)
(2)
ア 異議申立人らはC損害保険の代理店を営むDを介し損保数社の顧問である懲戒請求者を紹介され、
2004年8月被懲戒者に対し本件事故に関する損害賠償請求等の依頼をした。その際、被懲戒者は、
依頼を受け着手金を受領するに際しDを介するとともに委任契約書を作成せず、受任事件の範囲と
報酬の基準を異議申立人らに明らかにしなかった
イ その後被懲戒者は異議申立人らの長女、長男に関する自賠責保険の請求をし、同年12月に
5313万8035円の支払いを受けた
そして被懲戒者はDに対して報告するのみで異議申立人らに対する説明及び同人らの
承諾を得ることなく、上記支払いの報酬額を530万円と決定し、その金額を控除して異議申立人らに
対し返金した。その間被懲戒者は、異議申立人らとの着手金のやりとり書類の授受、報告について
全てDを通じていた。
その後も対象弁護士は2005年4月に異議申立人らと初めて面談するまでの約8ヶ月の
間、面談はおろか電話ないし文書による連絡をしなかった
また同年5月に異議申立人Aが被懲戒者に連絡をしたところ、被懲戒者からDを通じて連絡するように
告げられるなど不誠実な対応を受けた
(3)
一方、上述した仲介者のDは2004年8月から翌2005年3月までの間に手数料、経費等の名目で
異議申立人らから合計1335万円の金員を受領した。結果的には異議申立人らに対し1160万円は
返還されたが、金員の受領の際Dは子供2人を失い茫然自失の
精神状態にあった異議申立人Aにつけこみ虚偽の事実を告げるなどし受領したものであり
不当なものであった
(4)
2005年6月被懲戒者は異議申立人らの不満を察知し上記530万円を異議申立人らに
対し返還したが異議申立人らは被懲戒者に対する不信感から被懲戒者を解任した
なお被懲戒者は異議申立人Aから合計257万5千円の着手金及び報酬を受領した
(5)
弁護士はその職務に当たって依頼者の意思を確認し依頼者との密接な協議報告を通じて絶えず依頼者との意思疎通を図り依頼者の信頼を獲得し維持しることが求められしかも依頼者が事件について報告と助言を求めてきた場合には理由なく拒むことがあってはならないが、被懲戒者の上記対応はそのような弁護士の職責に反するとともに本件事故の処理においてDとのみ接触したが自賠責保険請求に関する過大請求に対する被懲戒者の心理的抵抗を弱めDによる手数料名下の不当な請求の繰り返しを誘発したものと認められる
大阪弁護士会は委任契約書及び報酬基準を作成していないこと、異議申立人らの承諾を得ずに自賠責の報酬を530万円と決定し天引きしたことを非行に該当するとして被懲戒者を戒告の処分に付したが、上記認定を併せ考慮すると大阪弁護士会の懲戒の程度は軽きに過ぎると言わざるを得ず、大阪弁護士会のなした戒告を変更し業務停止1月を命じるを相当とする
(6)
以上は委員14名中12名による意見であるが本件には委員2名による業務停止1月では
軽きに過ぎるとの反対意見がある
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処分の効力の生じた日  2009年1月22日
2009年3月1日  日本弁護士連合会 
【2008年8月の私の記事】
https://jlfmt.com/2008/08/18/28070/