弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2010年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・兵庫県弁護士会・西村義明弁護士の懲戒処分の要旨
処分理由・債務を保証する旨約した念書を作成
神戸新聞記事から 2月9日
弁護士職務基本規程に反して債権者に債務返済を保証する念書を作成したなどとして県弁護士会は阪神間の同会所属の男性弁護士(63)を9日付で戒告処分(懲戒)にした。 同会などによると、弁護士は228万円の借金を抱える依頼者から債権者との交渉を委任され06年3月、分割返済の合意が成立。だが、依頼者が返済を怠り債権者側が弁護士に返済を迫ったため、請求から逃れようと07年8月、債務支払いを保証する念書を書いた。依頼者はその後も返済しなかったため、債権者側は08年に弁護士と依頼者を相手取り貸金返還請求訴訟を起こし09年3月、連帯して約158万円を支払うことで和解が成立した。返済は約51万円にとどまる。 同会は、債権者側の懲戒請求を受け、弁護士が依頼者の債務保証などを禁止する同規程と品位を損なう行為を禁止する弁護士法に違反したと判断。 弁護士は「しつように返済を求められ、要求を止めるために仕方なく念書を書いた」と話している
兵庫県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。
記
1 処分を受けた弁護士氏名 西村義明
登録番号 15704
事務所 尼崎市昭和南通 みらい法律事務所
2 懲戒の種別 戒告
3 処分の理由の要旨
(1) 被懲戒者は依頼者Aから同人の借入金債務の弁済について、債権者である懲戒請求者Bとの折衝の依頼を受けた、被懲戒者は2006年3月31日Bとの間で弁済に関する合意を成立させたがAが約定の弁済を怠ったところBの夫である懲戒請求者Cから。Aの債務の弁済を迫られた。被懲戒者はCからの執拗な請求を免れるため2007年8月30日Aの債務を保証する旨約した念書を作成しこれをCに交付した、
(2) 被懲戒者は上記(1)の保証債務を履行せずまた、Bから訴訟を提起され2009年3月4日Bとの間でAと連帯してBに対し分割払いを行う旨の訴訟上の和解を成立させたにもかかわらずその履行を怠った
(3)懲戒者の上記行為(1)は弁護士職務基本規定第25条等に違反し上記(2)の行為は著しく信義に反するものでありいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する