弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2011年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・木島喜一弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・会費滞納・事件放置

懲 戒 処 分 の 公 告

  大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

1 処分を受けた弁護士氏名 木島喜一

登録番号 26235

事務所 大阪市北区野崎町    木島法律事務所   

2 懲戒の種別  退会命令

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は200410月分以降、所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会費等を52か月分合計2255800円滞納した
(2)被懲戒者は所属弁護士会の法律相談センターにおいて法律相談を行ったり事件紹介を受けたりしていたが20026月から20081024までの間、合計168件について事件受理承認申請書等法律相談センターに提出すべき書類を提出しなかった
(3)被懲戒者は所属弁護士会の法律相談センターを経由して受任した事件のうち少なくとも6件について依頼者から受領した弁護士報酬に対する
7%の負担金を支払わなかった
(4)被懲戒者は20027月A及びその実母Bから自己破産の申し立てを受任し弁護士費用60万円を受領した被懲戒者は再三の督促にもかかわらず自己破産の申し立てをせず債権者の一人がAの給与を差し押させたことにつきAから相談を受けても何の反応もしなかった被懲戒者は2007年以降A及びBが解任を申し入れたにもかかわらず解任の申し入れを事実上拒否し辞任その他事案に応じた措置を採らなかった
(5)被懲戒者は20041月頃C及びその夫Dから個人再生手続きの申立てを受任し着手金60万円を受領したにもかかわらず申立てを行わず
Cらに連絡もしなかった。被懲戒者は200611月C及びD共有の土地建物に対する不動産競売についてC及びDから相談を受けたにもかかわらず有効な対応もしなかった
(6)被懲戒者は20051222日懲戒請求者Eから医療過誤事件の証拠保全手続きを受任し着手金25万円を受領したにもかかわらず申立を行わなかった
(7)被懲戒者は200512月ころ懲戒請求者Fから個人再生手続きの申立を受任し手続き費用25万円を受領したにもかかわらず受任に際して
委任契約書の作成及び事件の進行状況等の報告を怠り申立ても行わなかった
(8)被懲戒者は200824日マンションに関する紛争の件で所属弁護士会の法律相談センターからGを紹介され「前納金」50万円を請求の上
受領したにもかかわらず調停の申立てを行わずGに何の連絡もしなかった
(9)被懲戒者は2008728日懲戒請求者Hから交通事故の処理を受任し着手金15万円を受領したその後被懲戒者はHに対して調停手続きを
進めるという説明を行ったにもかかわらずHからの連絡に何ら応答しなかった
(10)被懲戒者の上記行為は所属弁護士会の会則並びに弁護士職務基本規定3035条第36条第43条及び第78条に違反しいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2010年10月5日 2011年1月1日   日本弁護士連合会
 弁護士職務基本規定
(事件の処理)第三十五条
弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。
(事件処理の報告及び協議)第三十六条
弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。
(信頼関係の喪失)第四十三条
弁護士は受任した事件について依頼者との間に信頼関係が失われかつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
 
 
 
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