岡山では日弁連も一緒に現役裁判官と弁護士が飲む!!
 
 
 
報告

中国地区会研修報告
日弁連法務研究財団中国地区会幹事・弁護士 中井 克洋
 
平成23年(2011年)35日土曜日、岡山市北区の岡山弁護士会館において、
2010年度公益財団法人日弁連法務研究財団中国地区会の法務研修が行われました。
 今回のテーマは「民事訴訟のポイント」です。昨年度、東京で「民事訴訟を究める」という研修があったのですが、今年度、中国地区会のほうで、東京の研修講義のなかから「どうしてもこの先生達の話を聞きたい。」という要望のアンケートをとりました。その結果、要望の多かった講師の先生にきていただいて今年度の研修をすることになったという次第です。
 そして、その講義の内容は、
高橋宏志先生による「民事訴訟法学と実務・判例」と加藤新太郎裁判官による「裁判所から見た民事弁護」というテーマです。
高橋宏志先生は皆さんご存じのように、法律に関係している者なら誰でも知っている民事訴訟法の大家です。高橋先生の基本書によって司法試験に合格したり、実務に励んでいる弁護士たちによる要望が多かったようです。
 また加藤新太郎裁判官は現在、東京高等裁判所部総括判事の職に就かれていますが、我々40期代の司法修習を経験した者にとっては、研修所の指導教官や事務局長をされておられましたので、とても身近な存在です。当時は非常にきさくで、ダジャレやジョークを頻発されていましたが、それが変わっていないかどうか、も含めて、教え子たちがぜひお話を聞きたいという要望が多かったようです。
 それを受けていよいよ始まった研修会でしたが、開会のご挨拶は、中国地方弁護士会連合会の理事長であり法務研究財団中国地区会の会長である山下哲夫先生と財団専務理事の庭山正一郎先生にしていただきました。本来であれば、財団理事長の高橋先生のご挨拶をいただくべきところですが、すぐに講義をしていただくことになっていたので、庭山先生にお願いしました。
 そしてまず1315分から15時前ころまで、高橋先生が講義をされました。その内容は、先生のお言葉によると「一見無駄に思えるような民事訴訟法学者の理論も、実務に少しは影響も与えることがあるんだよ」という趣旨とのことです。しかしもちろん少しどころか、非常に大きな影響を与えていることを痛感させるものであり、例えば文書提出命令の範囲の拡大などにおける実例を挙げられました。
 次に加藤先生が、15時から17時前まで講義をされました。加藤先生は、民事訴訟、民事弁護のあり方について、非常に多くの本や論文を書いておられます。この日の講義でも、多くのエピソードを踏まえて、裁判官からみた民事弁護のあるべき姿をわかりやすく講義してくださいました(ちなみに、昔と変わらずというか、さらにパワーアップしたダジャレやジョークも連発されました)。そこでお話しいただいた実例は、私にとっては、これまでの15年以上の自分自身の民事弁護活動について背筋がぞっとするようなエピソードが多く、非常に勉強になりました。
 その後、両先生の講義に対して多くの書面質問が出たため、急遽、直接の質疑応答ではなく、財団本部の馬橋隆紀常務理事と春日秀文先生に司会をしていただいて、高橋先生と加藤先生とのパネルディスカッション形式の意見交換会となりました。
 研修会の終了予定は17時半ころのはずでしたが、18時前まで意見交換がされたのち、最後は、開催地の岡山弁護士会の河村英紀会長にご挨拶していただきました。
 その後、岡山駅前のサンピーチ岡山に場所を移して、懇親会が行われました。今度は財団理事長である高橋先生と山下地区会長の挨拶があり、その後、加藤先生の乾杯の御発声の下に懇親会は始まりました。 懇親会も非常に盛り上がり、20時過ぎに馬橋財団常務理事よりお言葉をいただいて閉会となりました。 しかし余韻覚めやらず、両先生をはじめとして財団本部の方々は2次会につきあっていただいたうえ、高橋先生には3次会にも付き合っていただきました。
 なお、この日の研修会は中国5県のみならず東京や札幌からも参加があり、財団本部関係者を除いて総勢95名の参加でした。また懇親会は同じく財団本部関係者を除いて30名の参加でした。
 研修内容については実務的に非常に勉強になるものであり、また懇親会においても日頃はとてもお話しをしてもらえないような立場におられる先生達が気さくにお付き合い下さいました。そのおかげで、懇親会だけでなく、その後の2次会、3次会でも若手弁護士を中心にして、高橋、加藤両先生にいろんなお話を聞くことができました。
 両先生、本当にありがとうございました。
日弁連も現役裁判官の実名出して懇親会をレポートということか
加藤新太郎裁判官ウイキ
(2011.5.31発行)