被害者保護と弁護活動の在り方
宮崎マッサージ事件をめぐる経緯と分析
外山亮弁護士(宮崎弁護士会)
宮崎強姦事件で告訴取り下げを強要したとして、被害者と示談交渉をした弁護士に懲戒請求が所属の宮崎県弁護士会に申立てられました。
外山弁護士は対象弁護士の代理人です。代理人としての考え方を所属する青法協の会報に投稿されました。
(注)季刊刑事弁護第83号
季刊 刑事弁護
第83号[特集1]人質司法は変われるか?
[特集2]拡大する詐欺事件/[この弁護士に聞く]辻川圭乃/刑事弁護人の役割を問う 「強姦事件」の弁護人に対する懲戒請求事件/死刑事件における適正手続/量刑判断における行為事情と行為者事情「死刑と無期の間」を中心に/「あんな奴ら」を弁護することが、なぜ、本質的なことなのか ほかhttp://www.genjin.jp/keiji-bengo/keiji-index.html
(文中)前田裕司弁護士
東京デフェンダー法律事務所(東京)から宮崎に登録換え
全国の公設事務所の開設に尽力した。刑事弁護の専門家
(事件の報道)
告訴取り下げ:盗撮ビデオ処分条件 弁護士を近く懲戒請求
毎日新聞 2015年02月06日
女性客らへの強姦(ごうかん)罪などに問われた宮崎市のマッサージ店経営者の男(44)の弁護士が、男が盗撮したビデオの処分を条件に告訴取り下げを求めた問題で、性犯罪被害者の支援者らが宮崎県弁護士会に、近く弁護士の懲戒請求をすることが分かった。
請求するのはNPO法人「しあわせなみだ」(東京都)の中野宏美代表ら関東、九州の男女3人。懲戒請求とともに、日本弁護士連合会と宮崎県弁護士会に性犯罪被害者への不当な圧力を排除する仕組み作りも要望する。インターネットなどで趣旨に賛同する人を募り、5日現在で7000筆超の署名を集めており、1万筆を懲戒請求のめどにするという。
懲戒請求の理由は「(弁護士の行為は)明らかに不適切で、被害者に対する不当な圧力」としている。また、性犯罪では告訴取り下げの圧力のほか、裁判官ら司法関係者の発言で被害者が苦しめられる事例もあると指摘。司法関係者が被害者の状況を理解するための講座の必修化▽司法関係者から圧力を受けた際の相談窓口の設置▽被害者が不利益を受けることを防止する法制度の整備−−を要望する。
中野代表は「被告側弁護士の行為は、市民感覚では許されないこと。被害者が人権侵害されずに裁判に臨めるような環境を実現するきっかけにしたい」と訴えている。
宮崎強姦ビデオ:被害女性が手記「人生終わった恐怖」
毎日新聞 2015年01月21日 21時02分(最終更新 01月21日 21時42分)
宮崎市のオイルマッサージ店での女性客らに対する強姦(ごうかん)罪などに問われた経営者の男(44)の弁護士が、男が盗撮したビデオの処分を条件に被害者側に告訴取り下げを求めた問題で、被害女性が代理人弁護士を通じて21日、手記を公表した。示談交渉で初めてビデオの存在を知り「人生が終わったような恐怖を覚えた」と訴えている。被害者側弁護士も当時の経緯を文書で正式に発表した。