弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2019年9月号・に掲載された弁護士の懲戒処分の公告/大阪弁護士会・井門忠士弁護士の懲戒処分の要旨。
井門忠士弁護士は4回目の処分となりました。

1993年11月  業務停止6月
2002年1月   業務停止10月  弁護士報酬規定違反
2018年5月   業務停止3月   相続事件、相手方に回答義務の無い質問を求めた
2019年9月   業務停止1月   着手金の返還が遅かった。

大阪にしては珍しく1回目からすべて業務停止が付いています。

懲 戒 処 分 の 公 告

大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知が受けたのに懲戒処分の公告及び公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する。

             記     

1処分を受けた弁護士

氏 名    井門 忠士

登録番号   14119               

事務所  大阪市北区天満3丁目3-7

井門忠士法律事務所

2 処分の内容 業務停止1月   

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2016年7月頃、懲戒請求者3名を含む5名の依頼者からその母親の生活費の確保や介護費用の分担を目指した多岐にわたる事件を受任したところ、いずれの事件においても、依頼者が満足する結果を得ることが極めて困難であることが予測されたにもかかわらず、事件の見通し及び処理の方法について不十分な説明しかなかった。また被懲戒者は同年8月5日付けで上記依頼者からその父親の遺産分割協議に関する問題等の円満調整を目指した親族間の調停申立事件を受任したところ、その調停において依頼者の満足する結果を得ることは相当困難であることが予測されたにもかかわらず、事件の見通し及び処理の方法について不十分な説明しかしなかった。さらに被懲戒者は2017年2月10日付けで、その兄に対する訴訟を受任したところ、認容判決を得るのは極めて困難であることが容易に予測されたにもかかわらず、事件の見通し及び処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について適切な説明を行わず、かつ依頼者の受け得る実質的な利益等に鑑みれば適正かつ妥当とは評価しがたい金額の着手金225万円を受領した。
(2)被懲戒者は上記(1)の事件に関して依頼者から預かった金銭について遅くとも2018年5月7日には依頼者全員との関係において返還すべき状態になっていたところ、その清算に時間を要する特別な事情が認められないにもかかわらず、それから相当期間経過した後の同年11月15日まで返還しなかった。また被懲戒者は上記(1)の事件のうち、依頼者の兄に対する訴訟について、その係属中に依頼者との間で委任契約が終了したにもかかわらず、着手金225万円の全額を返還しなかった。
(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第24条及び第29条第1項に、上記(2)の行為は同規程第45条、及び弁護士の報酬に関する規程第5条第4項に違反ししずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力の生じた日 2019年5月14日
2019年9月1日 日本弁護士連合会