弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年12月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・札幌弁護士会・田中燈一弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

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処分理由・高額な報酬を請求

報道がありました

札幌弁護士会に所属する70歳の弁護士が依頼人に対して過大な報酬を請求したうえ、預かり金の返還を拒んだなどとして業務停止2か月の懲戒処分を受けました。

懲戒処分を受けたのは、札幌弁護士会に所属する田中燈一弁護士(70歳)です。札幌弁護士会によりますと、田中弁護士は4年前、夫婦間の離婚をめぐる争いで一方から代理人としての依頼を受けた際、理由がないのに契約書を作成しなかったということです。さらに、その後、訴えが取り下げられたにもかかわらず、これを前提として報酬額を算出せずに依頼人に過大な金額を請求したうえ、預かり金の返還を拒んだということです。札幌弁護士会は、これらの行為は弁護士としての品位を失うものだとして田中弁護士を4日付けで業務停止2か月の懲戒処分にしました。札幌弁護士会の坂口唯彦会長は「所属する弁護士が重大な非行に及んだことを厳粛に受け止め、信頼回復に努めていきたい」と話しています。NHK 引用 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220305/7000044105.html#:~:text=

この懲戒の問題はここからです、

弁護士が処分を受けて日弁連に審査請求を申立ます。処分を受けた弁護士のほぼ全員がおこないます。依頼者から処分を受けたと問い合わせがあった場合などに日弁連に異議を申し出ているから決定していないという被懲戒者もいます。

日弁連懲戒委員会で処分が取消、変更になるには約1年かかります。業務停止2月で業務停止1月に変更されても2月の停止期間は過ぎています。変更になれば官報、自由と正義に告知と変更要旨が掲載されます。

当然 自由と正義に所属弁護士会の処分が先に掲載され、変更取消になればまた自由と正義に掲載されます。

ところが今回、日弁連がとった措置は過去にないものでした。

札幌所属弁護士会の処分    業務停止2月 2022年3月4日

日弁連懲戒委員会の変更の決定 業務停止1月 2022年7月20日 

「書庫」審査請求と異議申立、処分取消と処分変更例 2022年11月更新

あり得ないスピードで処分を変更しました。特別な配慮です。

弁護士自治の制度では、私たち市民が文句をいうことはできません、この弁護士だけなぜ特別なのかなどいうていくところはありません。自分たちの好きにできるのが弁護士自治です。弁護士で文句をいう人もおりません。

ただし慣習、お約束というものがあります。この札幌の弁護士だけ自由と正義に先に処分変更の理由を掲載させました。

業務停止2月と1月は何が違うでしょうか、2月は受任している事件を辞任しなければなりません。また顧問、社外取締役も辞任しなければなりませんが業務停止1月であれば裁判1回飛ばしだけですみます。顧問は辞任しなくても構いません。日弁連が超特急で便宜を図った、忖度したということでしょう。

懲 戒 処 分 の 公 告 2022年12月号

札幌弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 田中燈一  登録番号16524 

事務所 札幌市中央区南1条西12丁目 新永ビル2階

レイズアップ法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止2月

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は懲戒請求者Aから離婚事件を受任するに際し委任契約書を作成しなかった。

(2)被懲戒者は、上記(1)の事件に係る訴訟が原告である懲戒請求者Bの取下げによって終了した後、懲戒請求者Aに対し同人の得た経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして相当な報酬額を検討しても880万円という極めて高額で明らかに適正かつ妥当な報酬の域を超える報酬を請求した。

(3)被懲戒者は2020年8月31日、上記(2)の訴訟についての和解の成立を見越して懲戒請求者Aから158万0165円を預かったところ、和解が成立することなく訴えの取り下げにより終了し、懲戒請求者Aとの訴訟委任関係が終了したにもかかわらず、遅滞なく上記預り金を返還しなかった。

(4)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第30条第1項に上記(2)の行為は同規程第24条に上記(3)の行為は同規程第45条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2022年3月4日 2022年12月1日 日本弁護士連合会

裁 決 の 公 告 2022年10月号(変更)

札幌弁護士会が2022年3月4日に告知した同会所属弁護士 田中燈一会員(登録番号16524)に対する懲戒処分(業務停止2月)について同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり、本会は2022年7月12日弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり採決したので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第3号の規定により公告する。

 記

1裁決の内容

(1)審査請求人に対する懲戒処分(業務停止2月)を変更する。

(2)審査請求人の業務を1月間停止する

2裁決の理由の要旨

(1)札幌弁護士会(以下「原弁護士会」という。)は、本件懲戒請求事件につき、審査請求人を業務停止2月の処分に付した。

(2)審査請求人の本件審査請求の理由は、原弁護士会懲戒委員会の議決書に記載のとおりなされた原弁護士会の認定と判断には誤りがあり、原弁護士会の処分に不服なので、その取消しを求めるというにある。

(3)当委員会が審査した結果、原弁護士会懲戒委員会の議決書の認定と判断に誤りはなく、その処分の程度も原弁護士会懲戒委員会の議決当時においてはやむを得ないところである。

(4)しかしながら、審査請求人から当委員会に新たに提出された証拠によれば、審査請求人は、原弁護士会の議決後において、懲戒請求者Aに対し、同人からの預り金158万0165円全額を返還したこと、本件紛争に関する非を認め、本件離婚事件に関する報酬請求権を放棄する旨を通知したことが認められ、かかる原弁護士会懲戒委員会の議決後に生じた新たな事情を斟酌すれば、原弁護士会懲戒委員会の審査請求人に対する処分は現時点においてはいささか重きに失するものになったと考えられ、これを業務停止1月に変更するのが相当である。

3 採決が効力を生じた日 2022年7月20日  2022年10月1日 日本弁護士連合会

 

2022年12月現在の事務所

事務所 札幌市中央区南1条西12丁目 新永ビル2階  

レイズアップ法律事務所 

2022年3月の事務所所在地 (処分時)
事務所 北海道札幌市中央区北1条西3丁目2 井門札幌ビル7階   
田中燈一法律事務所