弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年 月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・弁護士会・弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

あなたが取った懲戒処分の記念にぜひ1冊。お申込みは、日弁連広報課 自由と正義担当 03(3580)9840年間購読費12000円(税別)1冊でも購入可能です。

処分理由・事件放置外

短期間で5回目の処分、5回目でも業務停止3月、この後、横領で起訴され有罪判決。弁護士資格喪失で登録取消となりました。2022年突然頭角を現した堀弁護士、あっという間に消えてしまいました。兵弁は最後に除名の処分を下すことはしませんでした。

懲 戒 処 分 の 公 告

兵庫県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 堀寛 

登録番号 23040

事務所 兵庫県芦屋市業平町4-12陽光プラザ404

 堀法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止3月

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、懲戒請求者から受任した懲戒請求者を被告とする貸金返還請求訴訟において、懲戒請求者が電話やメールで連絡を試みても、ごくたまに簡単なメールを返信するのみで、速やかに折り返し電話をする等せず、懲戒請求者と協力して事件に対処しなかった。また被懲戒者は、2019年9月4日に行われた当事者尋問に当たり、懲戒請求者が事前準備を求めても、事前準備を行わず、尋問のための打合わせは尋問期日の始まる直前に、裁判所で数十分おこなったのみであった。また、被懲戒者は弁論終結後、懲戒請求者が主張の追加と弁論の再開を求めたが、その後の訴訟活動をどのように行うか懲戒請求者が求めても協議に応じず、控訴審では懲戒請求者が何度連絡を取っても、控訴趣意書においてどのような主張を行うか等につき協議せず、裁判所から再三にわたり提出を命じられた控訴理由書を期日までに提出しなかった、さらに被懲戒者は懲戒請求者に対して控訴審判決に対する評価や説明を行わず、上告と上告受理申立ての可否とその手続きについて説明を行わなかった。

(2)被懲戒者は2021年5月分から2022年1月分までのうち6か月分の所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会費等合計28万1400円を滞納した。

(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第35条及び第36条に違反し、上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2022年12月13日 2023年6月1日 日本弁護士連合会

堀寛弁護士(兵庫)懲戒処分の要旨 2022年11月号 (4回目)

堀寛弁護士(兵庫)懲戒処分の要旨 2022年8月号(3回目)

堀寛弁護士(兵庫)懲戒処分の要旨 2022年8月号(2回目)

堀寛弁護士(兵庫)懲戒処分の要旨 2022年7月号 1回目

会長談話  兵庫県弁護士会 2023年5月9日

 本日、神戸地方裁判所において、当会会員である堀寛弁護士につき、業務上横領の罪により懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が宣告されました。
 改めまして、当会会員の重大な犯罪行為によって本件の関係者に著しい被害を与えたことに遺憾の意を表明します。 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とするものであって、その使命に基づき誠実に職務を行うからこそ、市民に信頼され、その職責を果たすことができるものと考えます。本件は受任事件に際して預かった預り金を着服した事件であり、このような行為が弁護士としてあるまじき行為であることは言うまでもありません。

 当会は、これまで依頼者や市民からの情報提供に基づく不祥事の早期察知を進めるとともに預り金規定を制定するなどの対策を講じてきましたが、本件においては、実際に市民の方からの情報提供を契機に、預り金規定に基づき当該会員に対して調査権限を行使するなどした結果、当会から同会員を刑事告発するに至りました。

 当会としては、上記有罪判決が宣告されたことを改めて真摯に受け止め、今後当会の全会員に向けて、基本的人権擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士として高度な職業倫理意識が求められていることを発信し、再発防止に向けて取り組み、本件のような重大な非行が生じないよう努めてまいる所存です。

2023年(令和5年)5月9日  兵庫県弁護士会  会長 柴田眞里

PDFファイルはこちら

依頼者に支払われた和解金など558万円横領 堀寛弁護士(兵庫)に有罪判決 地裁「高い生活水準見直さず、犯行に」5月9日神戸新聞