東綱第279号 議決書
【棄却された懲戒の議決書】宮下真理子弁護士(東京)世田谷区財産隠蔽指南講座!不適切な発言と認め謝罪したので処分までに至らず
東弁のデタラメ懲戒手続
【棄却された懲戒申立の懲戒請求書】被調査人宮下真理子弁護士(東京)たった2月で棄却した東弁綱紀、頭から棄却ありきの審査
東京都世田谷区玉川田園調布1-11-14 ファリオ田園調布401
茜空法律事務所
被調査人 宮下真理子(登録番号36173)
被調査人代理人弁護士 村田智子
同 柴田 崇
同 西廣陽子
同 渡瀬 耕
当委員会第一部会は、頭書事案について調査を終了したので、審議の上、以下のとおり議決する。
主 文
被調査人につき、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする。
第2 前提事実
被調査人は、令和5年9月9日、 世田谷区人権・男女共同参画課主催の「離婚をめぐる法律・制度活用講座」 において、講師として 「別居時点の残高が基本的に財産分与の対象となりますので、 別居時までに余裕がある方はちょっとずつそれを減らしておいて頂くと。 で、減らしておいて頂いていいんですけど、 減らし方には気をつけてください。 例えばあの生活費の口座として 使っている、 給与振込口座ですね。 皆さん持っていて、夫にもそれバレてい る。 でも、ここの部分減らしたいと言って一気に残高ポンって降ろしちゃう と「これ何に使ったんだ?」って後でなります。基本的に別居前1年分の口座は開示するもの、というふうに思っていてください。 1年以上前でもよくなんか 「2~3年分出せ!」 と言ってくる夫もいるので、そういった意味で口座はずっと全部隠し通せあの存在をバレている口座に関しては、「一切見せない」というのはちょっと難しいです。 特に裁判所が絡めば。 なので、開 示しても、いいように減らす時には、ちょこちょこちょこ減らすことで「何 に使ったんだ?」 「いやこの時なんかストレス溜まって、 ごにょごにょ・・・っ て感じで、 何となくごまかせるようにしといて頂くというのが一つ。 あとは 口座から口座に直接送金してしまうと、 別の口座があるってバレますから 「現金で出して現金で入れる」 という移し方をしてください」と発言した(以 下「本件発言」という。)。
第3 懲戒請求事由の要旨
令和5年9月9日になされた本件発言は財産隠匿行為の指南であり、 (信義誠実)、同第14弁護士職務基本規程第5条 (信義誠実)、 同第14条 (違法行為の助長の禁止)、 同第21条(正当な利益の実現) に違反し、弁護士としての品位を失うべき 非行に該当する。
第4 被調査人の答弁及び反論の要旨
本件発言をしたことは認めるが、 弁護士職務基本規程第5条、 同第14条、同第21条に違反すること、弁護士としての品位を失うべき非行に該当することは争う。
本件発言がなされたのは 「世田谷区立男女共同参画センターららぶす」 が主催する女性限定の離婚講座 (以下「本件講座」 という。) でのものであるところ、被調査人は、本件講座では経済的不安から一歩を踏み出せず、DV や モラルハラスメントを受ける現状を諦めて受け入れている女性も少なくないという状況を踏まえ、離婚時の経済面におけるプラス面マイナス面の話をし、 その中で妻名義の預金であっても夫婦共有財産に該当する可能性があることを指摘しつつ、 「妻が自身の名義の預金を確実に確保し、財産分与請求の対象とならないようにする必要性がある場合もある」 と考えて本件発言を行った。
本件発言は、 財産分与の原則に照らし、 適切なものとは言えないが、日々苦しんでいる中で足を向けることができ、本件講座に参加された方にとって、 唯一といっていいほど貴重な機会の方もおり、そのような方々を勇気づけようとするあまりのものであり、深く反省している。
本件発言は、一般的に厳しい状況に置かれていることが多い女性のことを慮った故のものであり、弁護士職務基本規程第5 慮った故のものであり、 弁護士職務基本規程第5条、 同第21条に違反するものでも弁護士としての品位を失うべき非行に該当するものでもないし、 弁護士職務基本規程第14条に関する先例との関係でも同条違反が認められ たものは明らかな法令違反であって本件とは事案を異にする。
第5 証拠の標目
別紙証拠目録記載のとおり
第6 当委員会第1部会の認定した事実及び判断
1 前提事実は関係証拠により全て認められる。
2 前提事実のとおり、 被調査人が本件発言を行った事実は認められる。 確かに本件発言は、本来財産分与の対象となるべき財産を財産分与の対 象とならないようにする方法を教示するかのような内容であり、不適切な発 言と言わざるを得ない。
3 本件講座の受講者がDVやモラルハラスメンしかし、他方で、 被調査人が本件講座の受講者が DVやモラルハラスメントの被害者である可能性が高いという前提で講演をして欲しいとの依頼を受けており (丙1) DVやモラルハラスメントの被害者には配偶者の財産の 詳細を把握していない一方で、自らの名義の財産は配偶者に把握されている という状態の者も少なくなく、そのような者にとっては本件発言のような方 法を取ることが結果として必ずしも不当とは言えない場合もあること、本件発言によって具体的に不当な結果が生じたと認めるに足りる証拠はないこと、 被調査人が深い反省の意を表していること (丙1) が認められる。
以上の事情の下では、本件発言を以って弁護士職務基本規程第5条、 同第21条に違反しているとは言えず、 また、違法行為を助長するおそれがあるものであるということは否めないとしても、 弁護士としての品位を失うべき 非行とまでは評価できない。
したがって、 懲戒請求事由は認められない。
3 よって、主文のとおり議決する。
令和5年12月18日 東京弁護士会綱紀委員会第1部会 部会長 (記載省略)
第1 提出された書証等
1 懲戒請求者提出
なし
2 被調查人提出
乙 世田谷区第二次男女共同参画プラン
3 その他
丙1 方方L(「離婚法律制度活用講座』)
丙2 CD–ROM
答弁書
第2 人証 なし
世田谷区役所に謝罪させた宮下真理子講師