弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年11月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・東京弁護士会・吉澤 雅子弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・成年後見人に就任した弁護士の怠慢な事件処理。

成年後見人制度は高齢や病気になって自分で財産管理等ができなくなった時、そして亡くなった時にも財産を争いなくスムーズに相続するために弁護士に依頼をします。揉めないために弁護士に依頼するのですが、時に弁護士に依頼して争いになることがあります。48年目のベテラン弁護士でもこの事件処理です。過去に処分歴無くベテランが1発目で業務停止3月はめったにありません。

吉澤 雅子(よしざわ まさこ)  登録番号14200  弁護士26期  48年目
事務所名 吉澤法律事務所

取扱業務 遺言・相続 高齢者・障害者の財産管理,介護,成年後見 
重点取扱業務 遺言・相続 高齢者・障害者の財産管理,介護,成年後見

 

懲 戒 処 分 の 公 告

 東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 吉澤雅子 登録番号 14200

事務所 東京都杉並区梅里2-5-15

吉澤法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止3月  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2001年12月21日、Aの成年後見人に選任されAの財産と既に相続が生じていたAの夫であったBの相続財産について、相互に混交しないよう管理する基礎的義務を負い、またBの相続財産のうちA以外の相続人の所有に帰する財産に相当する財産を保全する等して相続人らにいつでも配当できる準備等をしておく必要があったにもかかわらず、Bの相続財産を精査して適切にAとBの財産を管理することをせず、また、A以外の相続人の取得分の相続財産等を別途保管して適正に保全せず、さらに2013年7月10日にAが死亡して成年後見業務が終了した時点でA以外の相続人との間で相続財産を清算等しなかった。

(2)被懲戒者はAが死亡した後、AとBの各相続財産について遺産分割を受任し相続人全員の代理人であったところ、相続関係処理の方針をめぐって相続人間に意見の対立があり、遅くともCから代理人を解任された2017年1月20日、またDから代理人を解任された同月25日の段階で共同相続人間の利益相反が顕在化したにもかかわらず、全相続人の代理人を辞任しなかった。

(3)被懲戒者は、上記(2)の遺産分割に関しC及びDとの間で委任契約を締結する際、委任契約書を作成しなかった。

(4)被懲戒者は上記(2)の遺産分割に関しC及びDから委任契約を解除され代理人の地位を失ったにもかかわらずCらが返還を求めた資料を返還しなかった。

(5)被懲戒者の上記(3)の行為は弁護士職務基本規程第30条に、上記(4)の行為は同規程第45条に違反し、上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2020年4月20日 2020年11月1日 日本弁護士連合会

東弁会報リブラ6月号・弁護士懲戒処分の公表・吉澤雅子弁護士

「成年後見人」 弁護士懲戒処分例 2024年1月更新 弁護士自治を考える会