弁護士の非行・懲戒専門ブログです。
弁護士懲戒処分 業務停止期間中は一切業務に関する通知を受け取ってはならない
公示送達という制度があります。行政機関等が郵送した書面が申立人に到着しなかった場合に官報に公告し通知文が着いたとする。たまに弁護士が官報の公示送達に公告されるときがあります。
2021年6月23日付官報
高島章氏が本会から送達を受けるべき下記書類は、本会が保管しており申出があればいつでも交付します。なお、日本弁護士連合会懲戒委員会及び懲戒手続に関する規定第12条第3項により本会がこの旨を本会掲示板に掲示した令和3年6月23日の翌日から起算して14日を経過したときに下記書類の送達があったものとみなします。
記
日本弁護士連合会懲戒委員会2021年懲(異)第13号異議申出事案の審査開始通知
令和3年6月23日 日本弁護士連合会
これは弁護士の高島章氏が日弁連からの書面を受け取らなかったとして官報に公告されたものです。
髙島章 新潟県弁護士会
業務停止 2021年2月18日~8月17日 業務停止6月
髙島弁護士は業務停止6月の処分を受け日弁連懲戒委員会に審査請求を申立しその審査が開始されたという通知書を受け取らなかった。日弁連が通知を送付したのは6月23日の前ですから業務停止期間中です。
業務停止期間中、被懲戒者は一切業務に関する通知を受け取ってはならない
業務停止期間中、とは、弁護士記章(バッジ)も弁護士会に返し名刺の使用、看板の使用は見えないようにし、ポストにガムテープを貼り事務所の特段の事情が無い限り立ち入りはできません。電話も留守電にするか電源を切る(留守電に対応してはいけません)FAXも電源を切ります。
つまり『俺は業務停止中の弁護士だ』という弁護士もいますが、業務停止期間中は弁護士の資格は無いと考えるべきで業務停止中は一般人と同じになります。弁護士業務は一切できませんから業務に関する書類、法律に関する相談はできません。
業務停止期間中に業務に関する書類を受け取ったら業務停止の処分を受ける場合もあります。
処分例(1)業務停止の処分を受けた相手方弁護士、当然処分を知っていて事務所にFAXを送った。『お元気ですか?』すると処分中の弁護士が『はい、大丈夫です』と返送した。返送した時期が業務停止期間中、返送FAXを受け取った弁護士は喜んで弁護士会に懲戒請求。業務停止中の弁護士業務となりまた業務停止を受けた。
処分例(2)業務停止を受けた弁護士、家裁にDVによる保護命令を申請、業務停止期間中に家裁から書面が届き、保護命令の措置をした。緊急で人命に係わる内容であっても業務停止中の法律行為だったとしてまた業務停止を受けた。いったい誰が懲戒請求者だったのか?
業務に関する書面、通知書を受け取った場合、公示送達の公告は官報に掲載されませんから、受け取ったことを知っているのは日弁連と弁護士会。弁護士の懲戒処分は必ず懲戒請求者がいなければなりません。弁護士会がこの種の内容で懲戒請求者となり懲戒請求の申立てをしたことは過去ありません。それでも弁護士会は『いつでもお前を処分できるのだ』という懲戒事由を弁護士会は持っているということになります。
懲戒処分を何回も受けている弁護士は、うかつに『日弁連』『●●弁護士会』『●●地方裁判所』などの郵便物を受け取ることはしません。
懲戒請求者・一般市民、対象弁護士とは訴訟等の当事者などではなく、対象弁護士とは面識も事件の関連等ない。
対象弁護士・弁護士法人の代表弁護士、1回目の処分で業務停止6月を受ける。弁護士法人も同時に業務停止6月を受ける。
懲戒事由(要旨)・業務停止中でありながら『業務停止中の弁護士』としてSNSで情報発信、その中には弁護士業務、法律行為に関するコメントも投稿されていた。対象弁護士の弁護士法人とライバル関係にある同じく弁護士法人の法律事務所に対し、個人ではなく法人代表として法的措置を取った等投稿した。これは弁護士の業停止期間中の措置に違反する行為であり処分を求める。
対象弁護士の答弁・業務停止中の弁護士として記載し投稿している。弁護士が業務停止を受けた場合、代理人として法廷に出廷できない、新たな訴訟提起等が禁止されているだけでSNSで業務や法律に関する内容を投稿する行為は禁止されていない。
現在綱紀に付されましたので。通報者としての役目は終わりました、後は綱紀委員会の判断に委ねます。
① 業務停止を受けたのは法律事務所(弁護士法人)と代表弁護士。この懲戒請求の申立は業務停止中に出されたもの、懲戒請求書は所属弁護士会に提出しますが1通は法律事務所に届きます。大きな弁護士法人ですが業務停止期間中であったにもかかわらず事務所は開いていて対象弁護士に渡ったことになります。
② 対象弁護士は申し立てられた懲戒請求に対する答弁を業務停止期間中に所属弁護士会に送付しています。そして弁護士会から懲戒請求者に送られています。業務停止期間中は弁護士としての資格は無いと解するならば、弁護士として答弁したことは、業務停止期間中の弁護士業務とならないか
③ 対象弁護士の答弁書には、弁護士●●●の職印があります。業務停止期間中に職印を書面に捺印する行為は許されるのか?
東京弁護士会の業務停止中の被懲戒弁護士の遵守事項(指示書)これから処分をうける方は必見、20のお約束
2020年10月8日 弁護士懲戒処分の研究