弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2022年6月号に掲載された弁護士の懲戒処分の採決の公告・神奈川県弁護士会・平賀大樹弁護士の懲戒処分の変更の要旨

2021年11月30日 業務停止6月 2022年4月12日 業務停止4月 日弁連に審査請求を申立て5月で変更になりました。

元々飲酒交通事故の処分の相場は業務停止4月前後ですが世間に表向きき厳しい処分を出しておき審査請求があれば相場とおりにする。

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懲 戒 処 分 の 公 告 2022年5月号

神奈川県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 平賀大樹

登録番号 47698

事務所 横浜市神奈川区金港町5-36 東興ビル7階

法律事務所横濱アカデミア 

2 懲戒の種別 業務停止6月 

3 処分の理由の要旨 

被懲戒者は2020年7月3日、呼気1リットルにつき0,15ミリグラムを身体に有する状態で普通乗用自動車を運転し、物損事故を起こした。

被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2021年11月30日 2022年5月1日 日本弁護士連合会

採決の公告(処分変更)

神奈川県弁護士会が2021年11月30日付けで告知した同会所属弁護士 平賀大樹 会員(登録番号47698)に対する懲戒処分(業務停止6月)について、同人から行政不服審査法の規定による審査請求があり本会は、2022年4月12日 弁護士法第59条の規定により懲戒委員会の議決に基づいて、以下のとおり採決したので懲戒処分の公告公表規程第3条第3号の規定により公告する。

                   記
1 採決の内容
(1)審査請求人に対する懲戒処分(業務停止6月)を変更する、
(2)審査請求人の業務を4月間停止する。
2 採決の理由の要旨
(1)神奈川県弁護士会は(以下「原弁護士会」という。)は本件懲戒請求事件につき審査請求人を業務停止6月の処分に付した。
(2)審査請求人の本件審査請求の理由は原弁護士会の前記判断には誤りがあり原弁護士会の処分には不服なので、その取消を求めるいうにある。
 当委員会が審査した結果、本件審査請求の理由のうち量定が本件の飲酒運転の事案に照らし重過ぎるとの主張については本件において原弁護士会の事実認定に争いはなく、審査請求人は、仕事を終えてストレス発散のために午前0時頃自ら自動車を運転して接待を伴う飲食店に赴いて飲酒し、さらに自ら運転して別の飲食店に赴いて飲酒を重ね、午前6時頃飲酒運転で帰宅途中に運転を誤って道路脇のポール及び自転車に衝突し現行犯逮捕されたというのであり、原弁護士会の議決が法の担い手である弁護士、弁護士会の社会的信用を著しく損なうものと判断したことは妥当であり、さらに組織の構成員が酒気帯び運転した場合には構成員の身分喪失という極めて重い処分を受けることが珍しくないことを考慮し、議決により重い懲戒処分が相当であるとの意見が少なくなかったことを重く受け止める必要がある。
(3)ただし、日本弁護士連合会及び各弁護士会は公平の観点から飲酒運転に関する過去の懲戒処分事例の量定を踏まえるとともに、飲酒運転の根絶という社会的要請と弁護士は社会正義を顕現するものであることを自覚しなければならない(日本弁護士連合会会則第10条)ことから適正妥当な量定を不断に追及する必要があることを鑑みても本件の業務停止6月との判断はやや重きに失することが否めない。
以上を踏まえ当委員会が審査期日の陳述を含め親さした結果、審査請求人は将来にわたって運転免許を取得しないこと、深夜に執務することがないように業務の内容や執務時間を調整すること並びに飲酒の量及び回数を減らすことを確約するともに実践し、反省と再発防止を固く誓っていること、また、審査請求人が所属する法律事務所の弁護士らは本件を機に事務所内情報共有システムを導入し、執務及び日常生活において問題が起こらないように、そして問題が起こったときには迅速に対応できるように審査請求人を指導監督する旨確約している。
これらの事情を総合考慮すれば審査請求人を業務停止6月とした原弁護士会の処分は重きに失し、これを業務停止4月に変更するのが相当である。
3 採決が効力を生じた年月日 2022年4月18日 2022年6月1日 日本弁護士連合会