弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2009年5月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・京都弁護士会・堺和之弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・国選弁護人の不誠実な対応

懲 戒 処 分 の 公 告

京都弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 堺和之

登録番号 24315

事務所 木津川市兜台
堺和之法律事務所

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は2006年の公務執行妨害被告事件における弁護人であったが被告人が公訴事実の一部を否認しているにもかかわらずそれを認める弁論をした。また、被懲戒者は被告人に対し検察官取調証拠の同意不同意の意味について十分な説明をせず全部同意し、後に被告人の意思で被告人質問が実施されたが自らは被告人質問を求めないなど不利な弁護活動を行った

(2)被懲戒者は2006年の横領被告事件における被告2名の弁護人であったが、被告人らが横領行為の対象となった動産の所有権の帰属という犯罪の成否にかかわる根本問題を争っているにもかかわらず1回打ち合わせをしたのみで書証の謄写もせず第一回公判期日にのぞみ弁論においては被告人らが争っている動産の所有権の帰属の問題は何も触れず、また被告人らへの証拠内容についての説明も行わないまま検察官取調請求証拠も全部同意した
(3)被懲戒者は2005年の道路交通法違反被告事件における弁護人であったが被告人が速度につき公訴事実の一部を否認しているにもかかわらず、検察官取調請求証拠について被告人に対し書証に同意することの意味を説明せずに全部同意し、公判廷において「機械ではかっているから間違いない」等と発言し、被告人に不利な弁護活動をおこなった。
(4)上記被懲戒者の行為はいずれも被告人との打ち合わせが不十分であり被告人の意思に反する不利益な弁護活動がおこなわれたものであるから弁護士職務基本規定第46条及び第48条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日   2009年1月23日 2009年5月1日  日本弁護士連合会