弁護士の懲戒処分を公開しています
20137月号日弁連広報誌「自由と正義」に掲載された弁護士懲戒処分の要旨・奈良弁護士会・川村容子弁護士の懲戒処分の要旨
 
双方代理・受任してはいけない事案
弁護士登録後25年のベテランが知らないわけがない。

懲 戒 処 分 の 公 告
奈良県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下の通り通知を受けたので懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名        川村容子
登録番号       20111
事務所        奈良市登大路町5
           川村容子法律事務所
2 処分の内容         戒 告
3 処分の理由
(1)  被懲戒者は懲戒請求者及びその配偶者Aから婚姻関係についての相談を受け被懲戒者が二人の間の利害を調整した結果、20041017日被懲戒者立ち会いの下、懲戒請求者及びAの間で二人が円満な家庭を築くように努力すること等を内容とする合意書が作成された。
しかしながら被懲戒者は上記合意書に基づく懲戒請求者とAとの間の交渉が決裂した後、Aの代理人として懲戒請求者に対し債権差押命令申立をおこなった。
 
(2)  被懲戒者は懲戒請求者とAとの離婚事件において2011107日付けの答弁書を提出し、それ以後2012107日付け答弁書を提出しそれ以後20121030日の判決言い渡しに至るまでAの代理人として訴訟を遂行した。
(3)  被戒者の上記行為はいずれも弁護士職務基本規定第272号、第32条及び第42条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日 2013321日 20137月1日   日本弁護士連合会
弁護士職務基本規定 
第二十七条 弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
 
第三十二条 弁護士は、同一の事件について複数の依頼者があってその相互間に利害の対立が生じるおそれがあるときは、
事件を受任するに当たり、依頼者それぞれに対し、辞任の可能性その他の不利益を及ぼすおそれのあることを説明しなければ
ならない。
 
(受任後の利害対立)
第四十二条 弁護士は、複数の依頼者があって、その相互間に利害の対立が生じるおそれのある事件を受任した後、依頼者相互間に現実に利害の対立が生じたときは、依頼者それぞれに対し、速やかに、その事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。