弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。懲戒処分の内容ごとに、書庫を設定してありますので参考にしてください。

公設事務所の弁護士の懲戒処分と非行行為

公設事務所は、日弁連や弁護士会が弁護士がいない地域に弁護士を送りこみ

法的サービスを受けやすいようにと設立された事務所

 

ひまわり基金法律事務所(公設事務所)の概要と紹介
 ひまわり基金法律事務所(公設事務所)は、弁護士過疎解消のために、日弁連・弁護士会・弁護士会連合会の支援を受けて開設・運営される法律事務所です()。日弁連から開設・運営資金の援助が行われるほか、事務所ごとに日弁連・地元弁護士会・地元弁護士会連合会より推薦された委員からなる「支援委員会」が設置され、所長弁護士の活動をサポートしています
 懲戒処分の多くは事務所の事件処理能力を超えた事件を受任したことによる事件放置、奄美大島の公設事務所では債務整理や自己破産事件を時効待ちという一番安易な方法で処理。こんな方法が通じるわけがないのですが
事件放置の研究

 

 ① 『八重山ひまわり基金法律事務所』 

弁護士過疎の石垣島に定住する弁護士

20040210
   藤井光男さん、沖縄・石垣島に日本弁護士連合会から派遣されて3年。3月で切れる任期を延ばしそのまま定住することを決めた。「困った人を助けるのが務め。還暦を前に初心に戻りたい」 全国の約200地裁支部地域のうち、弁護士が1人かまったくいない所を「ゼロワン地域」という。日弁連はゼロワン解消のため、各地に公設事務所を開いてきた。それでもまだ58地域残る。石垣事務所は01年4月に離島で初めてできた。その初代所長だ。 
懲戒処分の公告

沖縄弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので懲戒処分の公告及び公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
            記
1 懲戒を受けた弁護士
氏名 藤 井 光 男 登録番号 14754  沖縄弁護士会
事務所 沖縄県石垣市字登美城 
2 懲戒の種別   戒 告
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は2,00661日懲戒請求者から行方不明となったその父Aの不在者財産管理人の選任及びAが競落して得ていた不動産の明渡し請求等の関連事件を依頼されて受任した。被懲戒者は同年615日不在者財産管理人の選任の申し立てを行い同年728日懲戒請求者をAの財産管理人に選任する決定を得たものの、その後速やかに明渡執行の手続きを行わず懲戒請求者からの手続きの進捗状況の問い合わせに対して、明渡しを求める書面を送付してある等事実に反する説明を行っていた。被懲戒者の上記行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する
4 処分の効力の生じた日  2009724日 2009121日   日本弁護士連合会

 
② 奄美大島公設事務所

 

奄美の公設事務所損賠訴訟:22万円の賠償、高橋広篤弁護士に賠償命令--高裁宮崎支部  /鹿児島
 奄美市の公設弁護士事務所初代所長、高橋広篤弁護士(35)=静岡県掛川市=が、委任事務処理を怠った債務不履行や説明義務違反を理由に、元依頼者から損害賠償を求められた訴訟の控訴審判決が21日、福岡高裁宮崎支部(横山秀憲裁判長)であった。 この日は1審判決で高橋弁護士に賠償を命じ、高橋弁護士が控訴した2件と、逆に高橋弁護士の過失を認めず、元依頼者が控訴した2件の判決が言い渡された。 横山裁判長は、4件のうち2件で高橋弁護士の説明義務違反などを認め、計22万円の損害賠償金の支払いを命じた。2件については、高橋弁護士の賠償責任を認めなかった。 高橋弁護士を巡っては、元依頼者17人が総額5400万円の訴訟を提起し、3件が高裁で、9件が最高裁で係争中 
     
懲 戒 処 分 の 公 告
静岡県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 処分を受けた弁護士氏名  高橋広篤  登録番号30543
事務所   静岡県掛川市駅前8  掛川たんぽぽ法律事務所    
2 処分の内容     業務停止1月
3 処分の理由の要旨
被懲戒者は公設事務所の所長として業務を行っていたところ2005年から2007年にかけて懲戒請求者らを含む計18名の依頼者からそれぞれ債務整理事件を受任したが1名については受任時に破産及び免責の申し立ての方法があることに並びに時効待ちの不利益リスクについて説明しないまま、時効待ちの方針で受任し11名については途中から時効待ちの手法を取るにあたり依頼者らに時効待ちの不利益及びリスク並びに他の選択肢について説明せず又は協議を行わず時効待ちの手法を取り15名については十分な説明なく又は時効待ちすべき事案でないにかかわらず時効待ちの手法を取って事件の処理を遅滞した。また被懲戒者は4名については被懲戒者が公設事務所の弁護士であり依頼者らが法律扶助の要件を満たし、かつ当初弁護士費用を自ら分割弁済で支払う条件で依頼したが後に支払えなくなり、その旨被懲戒者に報告した等の事情があるにもかかわらず、法律扶助について説明せず法律扶助を利用しなかった。さらに被懲戒者は10名については委任契約書を作成せず1名については預かり金1万3362円について返還すると生活保護が打ち切られるかもしれない等の説明をして返還しなかった。
被懲戒者の上記行為は弁護士職務基本規定第29条、第30条、第36条及び第45条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4処分が効力を生じた年月日 20152920155月1日 日本弁護士連合会
 

 

③ 鴨川ひまわり基金法律事務所

2017年8月25日 処分取消

ひまわり基金法律事務所 日弁連HP
懲 戒 処 分 の 公 告

千葉県弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する

1 懲戒を受けた弁護士氏名 岡本吉平 登録番号 40448

事務所  千葉県鴨川市横渚 鴨川ひまわり基金法律事務所            
2 処分の内容 戒告(処分取消)
3 処分の理由の要旨
1〕被懲戒者は2012920日、懲戒請求者Aから医療過誤の損害賠償請求について病院との示談交渉を受任したが、2013103日まで示談交渉に着手せず懲戒請求者Aからの問い合わせに対して、その場しのぎの対応をした。
2〕被懲戒者は2014314日、Bから社会福祉法人Cに対する損害賠償請求事件を受任したが、受任通知を行わず、同年1027日頃、C法人の代理人であるD弁護士からBに対する受任通知があり、同年129日頃、D弁護士から年内解決を求めるFAX を受領した後も2015116日付け懲戒請求の申立てがなされるまで何らの具体的応答をしなかった。
3〕被懲戒者の上記各行為はいずれも弁護士職務基本規定第35条、に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4処分が効力を生じた年月日 2016118
201721日 日本弁護士連合会

 

④ 青森 さくら総合法律事務所

https://jlfmt.com/2016/01/10/30525/

 

部下の書類偽造に気づかず 青森の弁護士、1カ月業務停止
さくら総合法律事務所」(青森県五所川原市)の男性事務員が、依頼者の破産申立手続きを放置していた上、免責許可決定書(債務の免責を認める裁判所の文書)を偽造したのを見過ごしていたとして、青森県弁護士会が、同事務所代表の花田勝彦弁護士に対し、1カ月の業務停止とする懲戒処分をしたことが9日、関係者への取材で分かった。処分は4月27日付。
 懲戒処分の議決書によると、男性事務員は同事務所が平成21年までに受任した破産申立事件で事務を担当していたが、複数の事件で手続きを放置。放置していた事実を隠すため、25、26年、2事件の免責許可決定書を偽造し、依頼者に送付するなどした。27年3月、別の事件の依頼者側から進捗(しんちょく)状況の問い合わせがあり、不正が発覚。男性事務員は有印公文書偽造・同行使罪で逮捕・起訴され、青森地裁で有罪判決を受けた。
 議決書は「本来、破産申立事件を受任した弁護士は、裁判所の破産開始決定書や免責許可決定書などを直接手に取って確認すべきなのに、同事務所では事務員に任せきりで、事務員の不正を見抜けなかった。事件処理の姿勢は極めて不適切だ」と指摘。一方で、「不正発覚後、事件処理を再開し、現時点では大半が解決された」とし、業務停止1カ月が相当とした。 
産経イザ

 

 

 ⑤ 北千住パブリック法律事務所 
裁判員裁判の個人情報、ネットに掲載 閲覧設定誤る?
2011.12.26 19:28
 東京地裁で今年、婦女暴行事件の裁判員裁判を担当した弁護士が、被害者の女性や裁判員候補者の名前などの個人情報をインターネット上の掲示板に掲載し、閲覧できる状態になっていたことが26日、関係者への取材で分かった。弁護士が閲覧を制限する設定を誤った可能性が高いという。 日本弁護士連合会などによると、ネット上に掲載されたのは、婦女暴行事件の被害女性の名前や携帯電話番号のほか、裁判所から呼び出し状が送付された裁判員候補者数十名の名前が書かれたリスト。
 被告の弁護を担当した弁護士2人が、情報交換のため大手検索サイトの掲示板サービスを利用。裁判員裁判の情報もこのサービスを使ってやり取りをしていたが、検索サイトの会員であれば誰でも自由に閲覧できる状態になっていたという。26日に外部からの指摘を受け、削除された。 日弁連が調査したところ、他にも掲示板などで個人情報が閲覧できる状態になっていたケースが全国で十数件見つかった。