弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2020年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・第二東京弁護士会・内山裕史弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・相続事件の事件放置

弁護士に仕事がないといいながら実際、何が気にいらないのか事件放置をする。よほどやりたくなかったように読み取れます。事件放置をしても処分は戒告しかありませんから、覚悟の上の放置でしょうか?

 

弁護士職務基本規程

(事件の処理)
第三十五条 弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。
(事件処理の報告及び協議)
第三十六条 弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と 協議しながら事件の処理を進めなければならない。

懲 戒 処 分 の 公 告

第二東京弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 内山裕史

登録番号 31881

事務所 東京都中央区銀座7-5-4毛利ビル4階

フレイ法律事務所 

2 懲戒の種別 戒告  

 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は懲戒請求者Aからその母Bの相続に関し、Bの公正証書遺言についての遺言無効確認請求及び懲戒請求者Aの弟Cの使途不明金についての不当利得返還請求の各訴訟について受任していたところ、2014年3月以降2015年2月までの間、上記公正証書遺言に基づき就任した遺言執行者であるD弁護士から遺言執行に関する通知、問い合わせの書面を複数回受領しながら、懲戒請求者Aに一切報告をせず、D弁護士にはほとんど回答せず、また被懲戒者はD弁護士から2015年1月遺言執行終了の通知を受けながら、同年2月27日に行われた打ち合せにおいて懲戒請求者Aに対しあたかも上記通知が打ち合せの直前に来た旨の説明を行った。被懲戒者は2015年10月、懲戒請求者Aらとの打ち合わせにおいて、Cに対する不当利得返還請求訴訟の訴状案を1か月程度で作成するとしながら、これを作成せず、懲戒請求者から再三の問い合せに対し、同年12月に年明け第2週程度まで待って欲しい旨のメールを送信したのみで、その後は何ら返答しなかった。

(2)被懲戒者は懲戒請求者Aから損害賠償請求交渉事件を受任し2015年10月に行った懲戒請求者Aらとの上記(1)の打ち合せにおいて2,3週間で訴状を作成する旨説明したにもかかわらず、その後、同年12月22日に進捗状況を報告したのみで懲戒請求者Aらに連絡をせず、事件処理をしなかった。

被懲戒者の上記各行為はいずれも弁護士職務基本規程第35条及び同第36条に違反し弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2019年9月26日

  2020年1月1日  日本弁護士連合会

 

相続に関する懲戒処分例

相続事件に関する弁護士懲戒処分例(4)

 

事件放置処分例

弁護士懲戒処分【事件放置】の処分例 2024年3月更新