弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2021年1月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・大阪弁護士会・大本力也弁護士の懲戒処分の要旨

処分理由・相手に代理人が就任していながら直接交渉・相手弁護士に対する暴言

離婚事件で子どもの引渡しに関する交渉で代理人を通さす直接交渉。相手弁護士に対しての暴言が処分理由です。懲戒請求者は子どもを引渡さない親となっていますが実際は相手方代理人A弁護士が懲戒請求者に代わり申立をしたのでしょう。 

確かに弁護士職務基本規程に違反をしていますが、離婚事件の子の引渡しの交渉に不慣れな弁護士が離婚事件の現場に来て驚かれたのではないでしょうか。懲戒処分は受けましたが逆に依頼者からここまでやっていただいたと感謝され、今後も依頼者が増えるのではないでしょうか。

懲 戒 処 分 の 公 告

大阪弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士

氏名 大本力

登録番号23709

事務所 大阪市北区南森町1-4-28-505

白井・西岡・大本法律事務所 

2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2018年7月30日、緊急性、必要性がなく正当な理由がないにもかかわらず、懲戒請求者の代理人であるA弁護士の承諾を得ることなく、直接懲戒請求者に対しBの代理人として子らの引渡しを求める内容証明郵便をその勤務先に送付した。

(2)被懲戒者は2018年7月12日から同年9月18日までの間、懲戒請求者の代理人であるA弁護士との文書でのやり取りの中で「極めて短絡的な発想」、「明らかに可笑しな主張」、「貴殿は本当に資格がある弁護士か」等記載したファックスを送付し、懲戒請求者の代理人としての能力や執務内容自体を非難し、人格、名誉を繰り返し誹謗中傷した、

(3)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第52条に違反し、上記(2)の行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2020年8月1223日 2021年1月1日 日本弁護士連合会

(相手方本人との直接交渉)
第五十二条
弁護士は、相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは、正当な理由なく、その代理人の承諾を得ないで直接相手方と交渉してはならない
(名誉の尊重)
第七十条弁護士は他の弁護士弁護士法人及び外国法事務弁護士以下弁護士等というとの関係において、相互に名誉と信義を重んじる

大本力弁護士は現在事務所を変えておられます。ご依頼される場合は大阪弁護士会の弁護士検索で確認してください

【暴言・心ない発言・差別発言】弁護士懲戒処分例(3) 2023年11月更新