弁護士がすすめる!捕まらない、父親の子どもの連れ去り方法の研究(1)

「ある日突然、子どもと母親がいなくなった。」という父親のSNSの書き込みを見ることがあります。

ある日、突然だったのでしょうか?

そんなわけがありません。

連れ去りをするなら事前にしっかり準備をし、子どもと安全に寝泊りする場所を確保し、父親に見つからないよう、支援措置等決めなければなりません。子どもと妻がいなくなった翌日あたりに弁護士から「当職が離婚に関する依頼」を受けましたという通知が送られてきます。ここで気が付くべきです。DVによる保護命令を提出しているという内容も書いてあります。

半年前くらいから弁護士、女権団体、NPO、が準備をしていたのです。連れ去られたと気付くのが遅いのです。それくらい父親が家庭に注意を払わなかったのかもしれません。もう、一生子どもに会えないかもしれません。

そして連れ去られた子どもを連れ戻すとこういうことになります。連れ戻しに失敗すると逮捕されます。

別居中の息子を学校から連れ去る 倉敷署、容疑で中学教諭の父逮捕

倉敷署は18日、未成年者略取の疑いで、笠岡市立の中学教諭の男(32)=岡山市北区=を現行犯逮捕した。 逮捕容疑は同日午後0時5分ごろ、倉敷市内の小学校で授業を受けていた別居中の息子を無理やり連れ去り、約3時間半にわたり容疑者の自宅に滞在させるなどした疑い。容疑を認めている。
 同署によると、学校からの連絡で母親が「子どもが父親に連れ去られた」と110番。捜査員が容疑者宅で男児を保護した。男児にけがはなかった。
 中学校によると、容疑者は2019年4月から勤務し、保健体育を教えていた。今月15日午後から休みを取っていたという。(2021年02月18日 21時29分 更新)

元妻から長女連れ去り 未成年者誘拐を一部否認 津地裁初公判、夫側違法性争う姿勢 三重

2021-01-23 社会

別居中に離婚調停を申し立てた元妻と暮らしていた長女=当時(2つ)=を連れ去ったなどとして、未成年者誘拐と人身保護法違反の罪に問われている三重県津市青葉台2丁目、無職谷口彰太被告(35)の初公判が22日、津地裁(柴田誠裁判官)であった。谷口被告は人身保護法違反罪については起訴内容を認めたが、未成年者誘拐罪は一部否認。弁護側は未成年者誘拐罪の違法性を争う姿勢を示した。

検察側の冒頭陳述によると、元妻は平成30年9月に長女を連れて谷口被告と別居し、離婚調停を申し立てた。一方、谷口被告は元妻に対して長女との面会交流調停を申し立てたが、面会条件に従わなければならないことなどに不満を覚えたという。

起訴状によると、谷口被告は同年12月24日午前10時から午後4時までなどとする条件を受け入れたふりをして長女と面会。約束の時間を過ぎても長女を元妻の元に返さず、令和2年8月18日まで長女を滋賀県甲賀市のアパートに住ませたとされる。

元妻は平成31年2月19日、津地裁に人身保護請求訴訟を提起。谷口被告は同年3月29日、津地裁から4月18日に長女を地裁に出頭させるよう命じられたが無視し、令和2年2月25日まで裁判所による長女の保護を妨げたとされる。引用 伊勢新聞 https://www.isenp.co.jp/2021/01/23/55349/

 

  父親の子ども連れ戻しに来た時の訓練をする幼稚園と京都府警

京都府警では地元の幼稚園の保母さんや職員に父親が子どもを連れ戻しにきたら「さすまた」で追い込んで警察に通報するという訓練を実施しています。(京都新聞2019年5月24日朝刊写真・京都新聞大橋昌子)

地元警察の指示のもと「さすまた」で楽しそうに父親を追い込んでいますが、この保母さんの後ろには幼稚園児や連れ戻しに来た父親の子どももこの姿を見ていると思いますが、ここまでやりますかね。

最初の連れ去りは逮捕されません。しかし連れ戻しは逮捕される場合もあります。だから先に連れさらなければならないのです。

 

題材として不適切な事案を「連れ去り勝ち」に結びつける人たち その思考が危うい

2021/02/20 猪野亨弁護士のブログより

http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-4787.html

 別居するにあたって子の「連れ去り」をすれば親権者になれる、 このようなことを聞いたことがありますか。 今の日本は離婚にあたって未成年の子がある場合にはどちらかに親権を定めなければなりません。これはむしろ当然のことで離婚する以上、子の父と母は別々の生活になるわけですから、どちらかの元で養育、監護がなされることになりますが、それが親権者です(親権と監護権が分離することもあり得ますが、極めて例外的なものになります)。

 どちらが親権者になるのかということになりますが、基本的には監護の継続性で決まります。別居前にどちらが主に監護してきたのか、さらにどちらに適性があるのかという観点から決まるのですが、何故か「別居後からの監護の継続性」で親権者が決まるという俗論がまことしやかに流布されています。これをその通りだと言ってしまう弁護士もいるのですから驚きです。弁護士としての適性を疑わざるを得ません。
『家庭の法と裁判 26』 子の監護者指定、面会について
 そうした俗論を前提にしたこの論考は多くの誤りがあります。
 この上條まゆみ氏の論考がとてもよい教材になります。
【実録】「子の連れ去り」をめぐる夫婦それぞれの言い分 <夫編>
【実録】「子の連れ去り」をめぐる夫婦それぞれの言い分 <妻編>

 この母親が「連れ去り」を計画したという表記も「連れ去り勝ち」を前提にしている点で誤りです。 それを夫側が弁護士に相談したところ、連れ去られたらもう二度と会えないとかいうアドバイスがあったというのです。「知人の弁護士に家庭の状況を相談すると、弁護士は「奥さんに子どもを連れて出られたら終わりだよ、一生子どもに会えないよ」と忠告。」 

その弁護士もあまりに無能すぎます。実際にそのような誤った回答をする弁護士が実際にいるのも、「連れ去り勝ち」という俗論を信じ込んでいる弁護士がネット上で騒いでいますからそうなんだろうなとは思います。
 さて、この母親に精神疾患があり、安定していないという状況があることは母側の言い分としても認めているところなので、そうなのでしょう。
 この場合、安定して子に対する監護が実行できるかどうかが問題なります。

 つまり、仮に母親が子を連れて別居したとしても、夫側は子の監護者指定ないしは引渡の審判を申し立てることになります。いずれが子の監護者として適性があるかを直ちに申し立てることになります。 それまでの子の監護状況に加え、母親に精神的な安定性を欠くということであれば、そのための補助体制が整っているのか、あるいは補助があれば監護が可能なのかどうか、などが裁判所の調査の対象となります。
 決して別居時に子を連れて出た方が監護者に指定されるわけでもありませんし、そんなに甘いものではありません。
 時々、「だったら父親に「連れ去り」を指南すればいいのか」などというずれた意見をツイッター上で見ることもありますが、何を言っても通じない人たちなんだろうなと思います。 それはともかく母が先に子を連れて出たからといって監護者に指定されるわけではないという家裁の実務(運用)を全く知らないとしたら、この論考を執筆した上條まゆみ氏は勉強不足、取材不足です。あるいは意図的なのかもしれません。

(一部引用)

以上、猪野亨弁護士の≪子の連れ去り≫についての主張です。

連れ去り勝ちは無いという趣旨のようです。実態は先に子どもを連れ去ったものの勝ちが続いているのも事実です。猪野亨弁護士の今までの発言の趣旨であれはそれは連れ去られた方に大きな問題があったと仰りたいのでしょう。

>弁護士は「奥さんに子どもを連れて出られたら終わりだよ、一生子どもに会えないよ」と忠告。」 その弁護士もあまりに無能すぎます。

日本には連れ去られた側の弁護士がいかに無能なのが多いと仰ってますが、これも仰るとおりです。では連れ去った側の弁護士が裁判所で面会交流を履行しなさいとなった場合、どれほどの割合で面会交流をさせるでしょうか?おそらく子どもを父親に会わせなさいと指示する弁護士は皆無でしょう。

なぜなら事件受任の際に子どもに会わせないという条件で受けていますから、今さら会わせなさいなどといえた義理ではありません。着手金を返せと言われます。ではなぜ裁判所で和解を行うかは父親からの申立てで付き合っているだけです。単なるセレモニーです。面会交流の約束があって履行しなくても何ら罰則はありません。弁護士の逃げ口上は「私は面会交流は重要であることを認識し母親に説得を行っているが、父親の暴力があり怖がっている」という回答がきます。

本来「一生子どもに会えないよ」の次に、「向こうは裁判所を含めて組織でやってますから、勝てません。諦めてください」という言葉が追加されるのです。 離婚事件についていえば無能でなく、何をやっても無駄、お手上げ状態が続いているのです。だから先に連れ去れです。父親に対しても弁護士は「なぜ先に連れ去らなかったのですか、そうすれば良かったのに」といいますが時すでに遅しです。

<独自>子供の引き渡し、強制執行「成功」は3割 最高裁

産経新聞

子供の引き渡しに関する強制執行の推移

上記の記事は珍しく父親が連れ去った事案です。

裁判所は母親に子どもを引き渡せと命じ、子の引渡しの強制執行に出向きましたが従わない父親になす術がありません。この件に関しては父親の連れ去り勝ちになっているのが今の状況です。母親と違い父親の場合は制約があります。過去のケースから研究してみましょう。

 

弁護士がすすめる「捕まらない、父親が子どもを連れ去る研究」(2)に続く

 

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