弁護士の着服、被害20億円超…後見人悪用も
依頼者らの財産を着服したり、だまし取ったりした弁護士が過去3年間で23人起訴され、被害総額は20億円超に上ることが、読売新聞の調査でわかった。
背景には弁護士数の拡大や、成年後見人として高齢者の財産を預かる弁護士の増加があり、23人のうち9人は後見人だった。着服金を返済しないケースも多く、日本弁護士連合会は弁護士への信頼が崩れかねないとして、被害者に一定額を給付する救済制度の検討を始めた。
読売新聞は、2013年1月~先月の約3年間に、代理人や成年後見人として扱った金を着服するなどして起訴された弁護士について調べた。その結果、東京、大阪、兵庫など13都道府県の弁護士会に所属していた23人が業務上横領罪や詐欺罪で起訴され、事件数では103件。一部は有罪が確定している。
弁護士自治を考える会
弁護士が成年後見人制度をやるようになって被後見人の財産、預金を横領、着服する事案が後を絶ちません。
被害者となる後見人は高齢者や痴呆を患ったり、障害がある弱者。裁判所で選任された後見人を解任することはなかなかできません。また、被後見人の家族も弁護士などにに依頼した後は任せきりになって被後見人が死亡して初めて財産が無くなっていることを知るのですが残念ですが後の祭りです。
考えてみてください。
中学、高校を机に向かい優秀な成績を取り大学を卒業し難関の司法試験に合格した。社会経験も無く偉そうにふんぞり返っていたら仕事が来たバブル時代、急に仕事が無くなって成年後見人になって、都会から離れた施設に行って被後見人の手を握り『おばあちゃん元気ですか』と弁護士先生が言うと思いますか・・・
もちろん極一部の弁護士が横領、着服をするのでしょうが、表に出てきた金額は氷山の一角ではないでしょうか
いくつかの報道
後見人弁護士が預金流用=業務停止処分に―静岡県弁護士会
時事通信 8月12日(月)12時3分配信
成年後見人となった女性の預貯金口座から現金を引き出して流用したとして、静岡県弁護士会は12日、同弁護士会浜松支部所属の中川真弁護士(50)を8月6日から1年10カ月間の業務停止処分にしたと発表した。同弁護士会によると、中川弁護士は流用を認め、被害者側に弁済している。
同弁護士会によると、中川弁護士は2008年4月、同県掛川市内の女性の後見人に選任され、10年5月~12年6月に女性の二つの口座から1460万円を私的な目的で引き出して使った。生活費などに充てたとみられるという。
同弁護士会によると、中川弁護士は2008年4月、同県掛川市内の女性の後見人に選任され、10年5月~12年6月に女性の二つの口座から1460万円を私的な目的で引き出して使った。生活費などに充てたとみられるという。
元県弁護士会長の後見人財産流用:地検が在宅起訴 3人から横領罪で /香川
毎日新聞 2013年07月31日 地方版
成年後見人として保管していた3人の預金など約420万円を着服したとして、高松地検は30日、元県弁護士会長の徳田恒光弁護士(81)を業務上横領罪で高松地裁に在宅起訴した。地検は認否を明らかにしていない。
起訴状によると、10年3月〜11年6月に複数回、銀行預金などから着服した、としている。 徳田弁護士を巡っては、県弁護士会が昨年9月に業務停止2年の懲戒処分とした他、同11月には高松地検へ業務上横領容疑で告発していた。
後見人弁護士に賠償命令 財産横領で千葉地裁
成年後見人の弁護士に財産を横領されたとして、千葉県の女性が、元東京弁護士会副会長の弁護士松原厚被告(76)=業務上横領容疑で逮捕、起訴=に損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁は11日、請求通り約5500万円の支払いを命じた。
判決理由で、松並重雄裁判長は「法廷に出頭せず、答弁書などの書面も提出しなかったため、被告側に争う意思がないと認定した」と述べた。
訴状によると、松原被告は2007年9月に千葉家裁から成年後見人に選任されたが、女性の財産を着服。ほかにも、女性の介護費と称して、財産から被告の知人に高額な費用を支払うなどの不適切な支出をしたとしている。
懲戒処分例
「成年後見人制度」法務省
有罪判決になった場合は懲戒処分が出ない時があります。
弁護士氏名 登録 処分
中村尚達 13881 長崎 戒告 2011年 怠慢な業務処理
徳田恒光 9218 香川 業務停止2年 2012年 制度悪用し横領
菊田幸一 31228 二弁 業務停止2月 2013年 怠慢な業務処理
幣原廣 17918 二弁 戒告 2013年 事件放置
中川真 26034 静岡 業務停止1年10月 2013年 横領
玉城辰夫 13656 大阪 業務停止1年 2014年 横領
小野寺康男 19969 仙台 業務停止3月 2014年 怠慢な金銭処理
岡田弘隆 14232 沖縄 業務停止1月 2014年 怠慢な事件処理
阿野順一 37238 横浜 戒告 2015年 意思確認が不適切
橋本公裕 20731 福島 戒告 2012年 財産管理が不適切
2014年に当ブログが出した成年後見人制度の改革案です。
日弁連の弁護士の後見人不祥事対策についての提案といいながら具体的には何もございません。抜本的な改革や具体策はないということです、成年後見人制度を悪用して横領しても実際にどれだけの被害があったのか分かりません。多くは被後見人が亡くなってから事件になるのです。対策といっても弁護士側の理論しかなく被害者側の目線からのものは一つもありません。
一番弱い人から金を盗る。
困っている人を助けるフリをして金を盗る。
弁護士会や仲間が隠ぺいする。
弁護士の犯罪の特徴です。
ではどうすれば弁護士の後見人の横領が防げるか、それは最初に後見人になる弁護士について厳しく審査をすべきです。
① 弁護士会費の未納があるか調査し未納があるものは後見人に推薦しない
② 事務所の家賃の滞納がないか自宅の謄本等を提出し差押や街金からの借 入がないか等、個人信用調査を受ける。
③ 横領を行った場合は被害を弁護士会が弁済をする
④ 被害の弁済が終了しない場合は所属弁護士会は新たに後見人を引き受けない。
⑤ 横領した場合の懲戒処分は除名とする。
⑥ 最後に後見人の定年を80歳とする。後見人のほうが介護を必要とするということがないようにしなくてはなりません。