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日弁連広報誌
「自由と正義」
2016年6月号

弁護士会・弁護士連合会・2015年度 「回顧と展望」


日弁連広報誌「自由と正義」6月号には2015年度の各弁護士会会長(副会長)の回顧録が掲載されています。昨年も弁護士の不祥事、横領等が発生しました。不祥事、逮捕者を出した弁護士会長はどのようなコメントをしたでしょうか 各弁護士会にはB1ページが与えられています。


① 札幌弁護士会        会員数755名
2015827日 上田勝啓弁護士 横領 懲役4年判決
2016223日 平岩篤朗弁護士 14歳児童買春で逮捕


私たちは、市民から「いいね、弁護士!弁護士会」と声を掛けられ身近で信頼される存在となる・・・・・・・結局、不祥事、逮捕者が出たことには一切触れず

② 青森県弁護士会           会員数118名

 2016126日  公文書偽造 法律事務所事務員逮捕
 2 不祥事対策 
全国各地で弁護士による着服等の不祥事がやみません。当会においても2014年度は会請求(弁護士法582項)の手続や市民窓口に苦情があった会員についての措置などに関連して会則の改正や規制の改正を行いましたし、2015年度は紛議調停に関連して会則改正や規則制定を行いました。今後も不祥事防止対策として有益なものは積極的に行っていきたいと考えています。
 
③ 栃木県弁護士会   会員数210名

201564日 小林正憲・元弁護士 書類送検
不祥事について触れず。
6月に会員が盗撮で逮捕されています。来年はコメントがあると思います


 

④ 神奈川県【横浜】弁護士会   会員数1535名
 526日 楠本和貴弁護士(横浜)横領 逮捕
2 不祥事防止対策 
PTでの検討を経て弁護士業務適正化会規及び適正化対策室規則を制定し、会員の非行が疑われる場合に調査、指導などをし得るものとして不祥事の防止と被害の拡大を図る態勢を整えた。


⑤ 東京弁護士会   会員数 7737名
317日 吉田勧弁護士(東京)弁護士法違反 懲役1年執行猶予3年 東京地裁 


(4)弁護士職務の適正化への取組
弁護士不祥事は、先人が築いた弁護士・弁護士会に対する信頼を一瞬にして失わせる、不祥事防止のため、市民窓口への苦情等をはじめとしたネガテイブ情報を一局に集中し関係者で共有できる態勢を継続・強化した。また法律相談担当者推薦名簿からの登録抹消等を可能とする規則の改正、非弁提携防止のための規程の整備、事前公表による被害拡大の防止のための公表方法の改正を行い重大事案に対してはウエブ公表も可能とする態勢を整えた。


⑥ 第一東京弁護士会   会員数4786名
7月2日 渡部直樹弁護士 元一弁 成年後見人制度悪用 横領容疑逮捕  警視庁


5 不祥事対策
残念ながら当元会員が成年後見人の預り金を費消したとして2015年度に逮捕されました。再発を防止するため、嘱託弁護士を増員し、成年後見人報告書の提出の有無及び内容をチェックする態勢の施行を始めました。法律相談等名簿の登録拒否や配点停止規定の見直しも始めました。


⑦ 第二東京弁護士会   会員数5042名


1222日 湯澤昌己弁護士(第二東京)証人威迫 東京地検  在宅起訴 
本田洋司弁護士 除名https://jlfmt.com/2015/12/13/30493/

不祥事に対する記載等一切なし


 

 ⑧ 愛知県弁護士会   会員数1857名
3月7日 説田正幸弁護士 業務上横領 逮捕 遺産分割金横領
3月17日 梅田紘二弁護士(愛知)ひき逃げで逮捕

不祥事に対する対策等、コメント一切なし

⑨ 大阪弁護士会   会員数4333名

328日 久保田昇弁護士(大阪)業務上横領5億円 懲役11年判決https://jlfmt.com/2016/03/28/30663/

422日 白井裕之弁護士(大阪)業務上横領等 求刑懲役5

その他
(2)当会を始め各地で弁護士による不祥事が起こっているので、日弁連から照会のあった依頼者保護給付金その他諸外国の弁護士会における預り金制度の検討も行った

⑩ 兵庫県弁護士会   会員数876名
5 受任事件の引継支援制度を新設
  1. 会員が非常事態(死亡、突発的な心身の故障、不祥事等)により受任事件を引き継いで処理することになった別の会員に対し、会から支援金を支給することができる制度を設けました。この制度の目的は円滑な引継を支援することにより依頼者を保護し、もって弁護士及び弁護士会に対する市民の信頼を維持することにあります。
 
⑪ 奈良弁護士会   登録数166名

3 弁護士が急遽執務不能となった場合の対応について


事故や疾病により稼働中の弁護士が急遽執務不能な状況に陥る事態はどうしても避けられません。また不祥事等を原因とする場合もあります。複数事務所であればパートナーとなっている弁護士らにおいて対応する場合が多いのですが、個人事務所の場合、必ずしもそのはいきません。依頼者としては突然、委任していた弁護士と連絡を取る事ができなくなってしまうことがあります。
もちろん、弁護士会自身は委任契約の当事者ではありませんし、すべての会員の執務状況を把握しているわけではありません。ただ、問い合わせの電話等が弁護士会へ寄せられる事態も生じております。そろそろ、当会のような小規模な弁護士会としても対応を検討すべき時期が来ているのではないでしょうかと思います。


⑫ 愛媛弁護士会  会員数 163名
124日 島崎聡弁護士(愛媛)横領 懲役3年執行猶予5年  松山地裁


2 会員による不祥事
当会の会員が成年後見人業務における横領により逮捕、勾留され、有罪判決を受けました。同会員は有罪判決確定により弁護士資格を喪失しました。
当会としては、本件を契機に成年後見業務に於ける不祥事を目的としてプロジェクトチームによる検討を重ねているところです。


 

⑬ 沖縄弁護士会    会員数254名
 比嘉正憲元弁護士(沖縄)預かり金横領で逮捕


 2 不祥事対策
2015年も残念ながら、会員の預り金の着服による不祥事があり刑事事件にまで発展しました。そこで不祥事対策として①預り金会規の周知及び遵守を促すために全会員に対するアンケート実施 ②苦情処理のための市民相談窓口の広報 ③原則として、3回苦情が寄せられた会員については早期の指導、助言を行うという制度をスタートさせました。


以上【2015年 弁護士会 回顧と展望】
逮捕者を出した札幌、第二東京、愛知はまったく不祥事について触れてもいません。