弁護士自治を考える会

弁護士の懲戒処分を公開しています。日弁連広報誌「自由と正義」2024年10月号に掲載された弁護士の懲戒処分の公告・福岡県弁護士会・清田知孝弁護士の懲戒処分の要旨

日弁連広報誌「自由と正義」は毎月発行です。特集の読み物も充実しています。

あなたが取った懲戒処分の記念にぜひ1冊。お申込みは、日弁連広報課 自由と正義担当 03(3580)9840年間購読費12000円(税別)1冊でも購入可能です。

処分理由・事件放置・横領、非行の限りをつくした歴史に名を残した大悪徳弁護士

自由と正義の処分要旨では最長ではないでしょうか、9件の処分理由が掲載されました。ここまで被害者を出したのは福岡県弁護士会の責任もあると考えます。早く除名処分にすべきでした。当会もファクタリング事案で懲戒を申立てましたが棄却となっています。6回目の懲戒処分でやっと除名になりました。

懲 戒 処 分 の 公 告

 福岡県弁護士会がなした懲戒の処分について、同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告及び公表等に関する規程第3条第1号の規定により公告する。

          記

1 処分を受けた弁護士氏名 清田知孝 登録番号 39449

事務所 福岡市中央区天神4-1-18 サンビル5階

リーガルジャパン法律事務所 

2 懲戒の種別 除名

3 処分の理由の要旨 

(1)被懲戒者は、2018年1月ごろ、懲戒請求者Aから自己破産申立てを受任するに当たり、委任契約を作成しなかった。また被懲戒者は上記事件において、懲戒請求者Aから弁護士費用及び予納金合計70万円を受領し、2021年6月以降、懲戒請求者Aから進捗状況等の問合せが何度もなされ債権者から訴状等が届いていることが度々伝えられていたにもかかわらず、謝罪及び応答を続け、同年8月3日付けのLINEでは申立て済である等返信したが実際には申立てをしなかった。

さらに被懲戒者は2022年2月26日に懲戒請求者Aが所属弁護士会に紛議調停申立てを行ったが、紛議調停委員会からの答弁書提出要請に応じず、調停期日にも出頭しなかった。

(2)被懲戒者は、2020年7月26日に所属弁護士会に申し立てられた紛議調停事件において、繰り返し督促を受けていたにもかかわらず、紛議調停委員会から指定された期日までに答弁書を提出せず、出頭期日2回にわたって出頭せず、3回目の期日において和解案を提示すると約しながら、和解案を提出しなかった。

また被懲戒者は2021年7月21日に申し立てられた紛議調停事件において、送付された文書を受領せず、指定された期日までに答弁書を提出せず、2回にわたって指定された続行期日についても呼び出し状の郵送を受けながら何らの回答等行わなかった。

さらに、被懲戒者は、委任業務の処理遅滞等を理由とする懲戒請求者が複数申し立てられていたところ、綱紀委員会から送付された期日までに答弁書等を提出せず、審査期日に出頭しない等の対応を繰り返した。

(3)被懲戒者は、懲戒請求者株式会社Bが債権の支払を求めて個別に提訴した6名の細工者それぞれの代理人に就任し、いずれも和解に代わる決定がなされ、上記債務者からお呼び被懲戒者と知己があったCが、上記債務者らから上記決定に基づく債務の分割返済金を預かり、被懲戒者へ合計90万円を送金したが、懲戒請求者B社に対し2022年3月31日に10万円を支払ったのみで、残額80万円について支払わなかった。

(4)被懲戒者はDの刑事弁護人に就任したところDの知人であった懲戒請求者EがDの保釈保証金を用意するため、被懲戒者の仲介によって、一般社団法人Fとの間で保釈保証金立替委任契約を締結し、2022年1月12日、懲戒請求者Eが一部負担分としてF法人に支払った10万円及びF法人が立て替えた190万円の合計200万円を受領したが、Dの刑事事件が同年4月14日に終了し、同日、裁判所から100万円の保釈保証金が還付されたにもかかわらず、建て替えられた全額について、F法人に対し返済を行わなかった。

(5)被懲戒者は、懲戒請求者合同会社Gから出資金返還訴訟を委任するに当たり、委任契約書を作成せず、2021年6月14日に弁護士費用35万円を受領したにもかかわらず、業務を履行しなかった。

また、被懲戒者は2021年6月14日に弁護士費用35万円を受領していたにもかかわらず、業務を履行しなかった。また、被懲戒者は懲戒請求者G社から上記訴訟とは別件の業務を受任するに当たり委任契約書を作成せず、同年11月15日着手金40万円を受領していたにもかかわらず、依頼事項を履行しなかった。

さらに、被懲戒者は、懲戒請求者G社から債権回収を受任するに当たり、委任契約書を作成せず、債務者から938万円を回収したものの、これを直ちに懲戒請求者G社に返還しなかったところ、2022年9月13日に上記金額の返済未了を謝罪し、同月14日から分割して返還する旨の合意書を作成したにもかかわらず、返還しなかった。

(6)被懲戒者は2022年8月頃、懲戒請求者H株式会社及びその代表者IからIの債権回収を受任し、債務者から同月30日に被懲戒者の預り金口座に2200万円が振り込まれ、債権を全額回収したが、Iらには債権回収していることを告げず、200万円のみを債務者から返済金として現金で懲戒請求者H社に持参したところ、同年10月7日、Iらから問いただされ、既払金200万円及び弁護士報酬200万円を控除した残額である1800万円を毎月限り100万円ずつ分割して返済することを約した合意書を交わしたにもかかわらず、残額を支払わず、Iらが連絡を取ろうとしても音信普通になった。

(7)被懲戒者は、2022年7月2日頃、懲戒請求者Jから自身が代表取締役になっているK株式会社について代表取締役退任手続を受任するに当たり、委任契約書を作成せず、同月3日に手数料として10万円を受領したが、懲戒請求者Jから委任契約書の作成について指示を求められたり、進捗状況を尋ねられたりしたが、いずれについても回答しなかった。

また、被懲戒者は2023年3月10日、懲戒請求者Jと面談し、上記手続について一切着手していないことを認め、委任契約を解除することに合意し、同月24日までに上記手数料10万円を返還する旨の合意書を作成したにもかかわらず、返還しなかった。

(8)被懲戒者は、2021年9月頃、懲戒請求者Lから同人が経営する株式会社Mらの債務整理を受任し、着手金500万円を受領するとともに、M社らの社判等の資料を預かり、同月21日頃、1783万0069円の現金を預かり、2022年7月26日までには5件の売掛金合計412万0460円を回収して預かっていたが、2023年3月まで債権者との間で債務整理の交渉をせず、懲戒請求者Lから度々、状況説明を求められていたにもかかわらず、詳細な説明をせず、同月13日に1年6月の業務停止を受けて弁護士として受任中の案件を処理することが不可能になり、懲戒請求者Lから委任の合意解約並びに預り金及び資料一式の返還を受けるべく面会を求められていたにもかかわらず、同年4月3日以降、連絡を絶ち、委任の合意解約をせず、懲戒請求者Lに対し上記預り金のうち2144万3380円及び資料一式を返還しなかった。

(9)被超課支社は、2022年10月19日、懲戒請求者Nから損害賠償請求事件を受任し、着手金44万円及び資料一式を受領したにもかかわらず、2023年まで、さしたる業務をせず、同月13日に1年6月の業務停止処分を受けて受任中の案件を処理することが不可能になり、懲戒請求者Nから委任の合意解約並びに着手金及び資料一式の返還を求めていたにもかかわらず、連絡を絶って、委任の合意解約をせず、上記資料を返還しなかった。

(10)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第6条、第26条、第30条第1項及び第35条に、上記(2)の行為は同規程第5条、第6条、第26条、及び第78条、所属弁護士会の紛議調停委員会規則第9条第1項及び第12条債1項並びに所属弁護士会の紛議調停委員会則大9条第1項及び綱紀手続に関する規程第31条第1項に、上記(3)の行為は弁護士職務基本規程第35条に、上記(4)の行為は同規程第5条、第6条、第45条に上記(5)の行為は同規程第5条、第6条、第45条等に上記(6)の行為は第5条、第6条、第36条、第44条に第45条に上記(7)の行為は同規程第5条、第30条第1項、第35条、第45条等に、上記(9)の行為は同規程第5条、第6条、第35条に違反し、上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

4処分が効力を生じた日 2024年2月27日 2024年10月1日 日本弁護士連合会

除名処分になった弁護士の弁護士経験年数データ(2000年以降)2024年10月更新 54件目