「弁護士自治を考える会」
書庫 「遺言執行者の弁護士懲戒処分例」(2)
弁護士が受けた処分の理由を内容別にまとめています。この書庫は遺言執行者に就任した弁護士に対する懲戒処分例です。
遺言執行者(遺言執行人)
とは、簡単に言うと遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことを言います。 実際には、相続財産目録を作成したり、各金融機関での預金解約手続き、法務局での不動産名義変更手続きなど、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権限を持ちます。
懲戒理由の多くは、遺言書のとおりでは無く相続人の中の特定の者に対して便宜や利益を図ったが、一番多くほとんどが「戒告」です。次に相続財産目録を作成しなかった。これも戒告です。弁護士会が宣伝するように、高齢者に遺言書を残しておけば安心というのは依頼した弁護士によるということです。遺言書とおりに処理をしなくても戒告しか出しません。財産の一部を横領したは業務停止以上の処分があります。
弁護士職務基本規定 ・第二十八条
弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。
二 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件
三 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
四 依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件
弁護士氏名 所属 処分 自由と正義掲載号
小室金之助弁護士(東京)業務停止1月 自由と正義 2013年3月
執行者申立てを行わず事件処理
相続財産目録を作らず
相続財産目録を作らず
相続財産目録を作らず
特定の相続人の代理人となった
特定の代理人として事件処理
特定の相続人の代理
特定の相続人の代理
特定の相続人の代理
財産目録を作成せず、公正な処理をしなかった
遺言書検認をしなかった
特定の相続人の代理
特定の代理人の代理
財産目録を作成」せず
副島洋明(東京)戒告 自由と正義 2009年9月号
怠慢な事件処理
太田稔 (大阪)業務停止1月 自由と正義 2018年11月号
1億円の財産管理で報酬2481万円
細川俊彦 (富山) 戒告 自由と正義 2019年1月号
利益相反行為
牧戸哲弁護士(三重) 戒告 自由と正義 2019年7月号
事件放置
https://jlfmt.com/2019/07/24/39751/
平井康博 (大阪) 業務停止6月 自由と正義 2019年11月号
相続財産の清算が遅い
https://jlfmt.com/2019/11/27/40573/
黒川勉(大阪)業務停止3月 自由と正義 2020年1月号
預り金の処理が不適切
https://jlfmt.com/2020/01/22/41090/
岡本敬一郎 第二東京 戒告 自由と正義 2020年12月号
https://jlfmt.com/2020/12/28/45316/