弁護士自治を考える会

2020年今月の弁護士業界【鹿を負う者は山を見ず】

 

2020年2月もいろいろございました。コロナウイルスで裁判員裁判も延期になったとの報道がありました。

そのうち裁判官も原告も被告も傍聴人もマスク姿ということになるのではないでしょうか。

この方は以前からマスク姿でしたが・・・

2月の官報公告

今月から再処分と初処分、処分された法律事務所の弁護士の在籍人数を掲載しています、

2月 9件 通算7件目から15件目

⑦ 2月4日  青木一雄 19092  京都  戒告     1月14日    初

⑧ 2月13日 菅谷幸彦 24173  第二東京 戒告    1月22日     初

⑨ 2月14日 上野進  15319  福井   戒告    1月23日    初

⑩ 2月17日 山本忠雄 11093  大阪   戒告    1月24日    初

⑪ 2月17日 有馬純也 29434  福岡   戒告    1月23日    初 

⑫ 2月19日 豊川永昇 13316  沖縄   戒告    1月24日    2

⑬ 2月27日 渡邉太郎 33397  札幌  戒告     1月31日    初

⑭ 2月27日 冨田創一 44131  神奈川  戒告    1月30日    初

⑮ 2月27日 三浦直子 35669  東京  業務停止1月  2月6日    初

 

 

 処分別 2月終わり

戒告    10

業務停止  3

退会命令  1   第一東京

除名    1   愛知 

 

 弁護士会別 2月終わり

東京      業務停止3

大阪      戒告2

愛知      除名1

第一東京   退会1

第二東京   戒告1

奈良     戒告1

京都     戒告1

福井     戒告1

福岡     戒告1

沖縄     戒告1

神奈川    戒告1

札幌     戒告1

登録番号 2月終わり

10000まで

1万~1万5000     3

1万5000~2万     2

2万~2万5000     4

2万5000~3万     2

3万~3万5000     1

3万5000~4万     1

4万~45000      2

4万5000~5万

5万~5万5000

5万5000~6万

 

 ■ 再処分率

初処分    9

複数回    6

 

 事務所所属弁護士数 2月終わり

1人事務所      12

2人事務所      2

3人以上10人まで   0

10人以上       1 (福岡城南)

大規模事務所

(注)三浦直子弁護士処分を受けて「四谷あけぼの法律事務所」に移動 15人程度の事務所と思われる

 

 

 

日弁連広報誌「自由と正義」2月号掲載された弁護士の懲戒処分の要旨。

 

黒木芳男弁護士(第二東京)懲戒処分の要旨 2020年2月号 

 

福武公子弁護士(千葉)懲戒処分の要旨 2020年2月号 

 

若林侑弁護士(千葉)懲戒処分の要旨 2020年2月号 

 

渡邊征二郎弁護士(第一東京)懲戒処分の要旨 2020年2月号 

 

弁護士・2020年今年の逮捕者・起訴・有罪判決

① 2月3日 江口大和弁護士 49752 第二東京 懲役2年執行猶予5年 横浜地裁 

交通事故を起こした男に虚偽の供述をさせた

虚偽供述させた江口大和弁護士(第二東京)に有罪判決 横浜地裁

 

 

2月の「弁護士に関する記事・報道」

 

ブログに懲戒請求者の実名公開 高野弁護士を提訴.・産経新聞 

2020年2月21日 

 

DV被害女性の住所を伝える、加害男性の弁護士に 転居強いられ市が示談金 

2020年2月20日 

 

少女にAV出演強要したAV製作販売会社の顧問弁護士菅谷幸彦弁護士(二弁)懲戒処分の議決書 

2020年2月13日 

 

依頼者に無断で過払い金手続き廣田亮彦弁護士 業務停止3月懲戒処分 /大阪 

2020年2月12日 

 

日弁連会長選挙は再投票に、山岸候補(二弁)荒候補(仙台)との決戦に 

2020年2月8日 弁護士に関する記事

 

常軌を逸したゴーン氏の弁護士人高野隆弁護士の懲戒の答弁書・超一流弁護士としてあり得ない対応 

2020年2月6日 

 

ゴーン氏の弁護人に申立てた懲戒請求に対する高野隆弁護士の答弁書【高野隆のブログ】 

2020年2月5日

 

虚偽供述させた江口大和弁護士(第二東京)に有罪判決 横浜地裁 

2020年2月3日 

 

 

 

鹿を追う者は山を見ず

目先の利益ばかり追求して、それ以外のことが見えなくなり道理を忘れてしまう。ということわざ

 

 

弁護士に対する懲戒請求が不当なものがあると、ツイッターで批判をする弁護士がいます。今後懲戒の審査には懲戒請求者から費用を取るとか、不当な懲戒を申立てられたから裁判を起そうという弁護士の方々もいます、

不当懲戒とは誰が決めるのでしょうか、

綱紀委員会がこの懲戒は不当であると議決をしたものを見たことがありません。懲戒請求は懲戒事由が一番重要ですが綱紀委員会に審議が付されたということは懲戒事由が書かれてあったということです。綱紀に付された懲戒であるにもかかわらず、不当だ!不法だ!というのは大間違いです。まして綱紀の判断も待たずに裁判所に不当懲戒だと訴訟提起するのは「弁護士自治」を捨ててしまったということになります。懲戒権を法務省に渡してしまおうという弁護士も出てきました。先人が苦労して築き上げた「弁護士自治」を崩壊させようという意見が多く出てまいりました。

懲戒の判断を裁判所に委ねるということは「鹿を追うものは山を見ず」になっているのではないかと思います。

 

 

当会は「書庫」「弁護士懲戒請求の実務と研究」日弁連調査室編を公開しています。

これは主に弁護士会の懲戒審査に携わる方、弁護士会事務局のいわばマニュアル本です。

 

弁護士懲戒請求手続の実務研究 ⑫ 調査期日 

 

『弁護士懲戒手続の実務と研究』⑪ 調査は非公開・閲覧、謄写は許されない 

 

『弁護士懲戒手続の実務と研究』⑩懲戒請求者の地位 

 

《弁護士懲戒手続の研究と実務》⑨懲戒請求の受付機関と形式的調査 

 

《弁護士懲戒手続の実務と研究》⑧懲戒請求の手続⑧懲戒請求は匿名でも可能か 

 

弁護士懲戒手続の実務と研究⑦ 調査事項 懲戒請求者 

 

弁護士懲戒手続の実務と研究」⑥ 懲戒事由 

 

弁護士懲戒請求の実務と研究⑤ 懲戒請求の方式 

 

弁護士懲戒の実務と研究 ④ 現行懲戒制度の特色 

 

「弁護士懲戒手続の研究と実務」③ 自治的懲戒制度の根拠 

 

 「弁護士懲戒制度の実務と研究」②重複する懲戒請求 

 

【弁護士懲戒手続の実務と研究】① はじめに 

 

懲戒の調査開始に伴う登録換え等の制限・「懲戒の手続に付された」「手続が結了する」の意味 

 

懲戒請求の申立てがあった時に弁護士を辞めることができるか、懲戒の手続はどうなる