「預り金」に関しての弁護士懲戒処分例の書庫
弁護士の不祥事で一番多いのが「事件放置」その次に「報酬」「着手金」に関するもの「預り金の管理」についても多くの処分例があります。日弁連は、事件毎に預り金口座を設けて弁護士会に届ければ不祥事は無くなるという対策しか講じていません。しかし処分は後を絶ちません、杜撰な処理、不適切な処理、事件毎に口座を設けても、ハンコと通帳は弁護士が管理します。あとは弁護士、法律事務所のガバナンス、倫理、に任せるしかないという事です。つまり、日弁連に不祥事対策はありません、有効な対策を何もしてこなかった、そのツケが依頼者に行っているのです。
外に弁護士にたくさんいる中でそんな弁護士に依頼したあなたの自己責任ですと日弁連は申しております。
皆さまの幸運を祈ります。着手金、報酬は別の書庫を参照してください。あまりに多いので抜粋しています。
弁護士氏名   所属  処分    自由と正義

野武興一弁護士(茨城) 業務停止1月 2018年8月

大田清則弁護士(愛知) 戒告     2018年9月
池田崇史弁護士(大阪) 業務停止3月 2018年12月
堀越智也(茨城)戒告 2019年6月号
https://jlfmt.com/2019/06/28/37617/
島崎哲朗(京都)業務停止3月 2019年7月号
https://jlfmt.com/2019/08/03/39819/
栁田潤一(愛知)除名 2020年7月号
https://jlfmt.com/2020/07/16/43113/
          横領・着服 一覧表
所属 番号 横領金額 処 分 自由と正義
東 京 25567 7000万円 除 名 17年10月
大 阪 22511 570万円 業務停止1年 17年5月
大阪 18509 約5億円 除 名 16年11月
大阪 23727 約2800万円 除 名 16年8月
東京 15879 約400万円 業務停止1年 08年10月
東京 15924 約3000万円 退会命令 04年12月
第一 20572 約5858万円 除 名 04年4月
神奈川 14637 810万円 除 名 06年4月
東京 9749 200万円 退会命令 04年10月
東京 12081 2億6000万円 除 名 03年4月
愛知 13526 5153万円 除 名 03年7月
札幌 7451 1209万円 除 名 00年12月
広島 11802 50万円 業務停止2月 02年5月
大阪 15924 約3000万円 退会命令 04年12月
東京 18927 約5000万円 業務停止10月 09年4月
和歌山 15178 約250万円 業務停止5月 11年2月
広島 18899 約1億円 除 名 12年2月
香川 9218 約420万円 業務停止2年 12年2月
岩手 17929 約6000万円 除 名 13年6月
兵庫 15704 約3000万円 除 名 13年9月
静岡 26034 1460万円 業務停止1年6月 13年11月
長野 14702 1174万円 除 名 14年5月
神奈川 20613 1億5000万円 除 名 15年1月
広島 33521 1169万円 除 名 15年3月
大阪 27935 約4000万円 除 名 15年6月
奈良 15201 4200万円 除 名 02年8月
大阪 13025 2300万円 業務停止1年 14年5月
福岡 33297 1661万円 業務停止1年6月 18年1月
愛知 22461 7000万円 除名 20年7月
第一東京 25405 約4100万円 業務停止1年10月(弁済) 21年8月
懲 戒 処 分 の 公 告 2022年4月 鹿児島

1 処分を受けた弁護士氏名 吉岡大司 登録番号 33274 2 懲戒の種別 業務停止1年 

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、Aとの間で刑事事件手続中及び服役中の事務処理並びに遺産分割事件の包括的な委任契約を締結し、遺産分割協議の成立により、2017年5月8日、被懲戒者の預り金銀行口座に代償金776万7460円が入金されたが、同年10月10日頃までに、断続的にほぼ全額出金し、事務所経費等に費消し、返還を要する424万5967円につき流用した。

(2)被懲戒者は、Bから父の遺産相続の法的処理について委任を受け、遺産分割調停が成立し、Bの代償金として2017年10月24日に500万円、同年12月21日に500万円の合計1000万円が被懲戒者の預り金銀行口座に振り込まれ、同日頃委任事務が終了したが、上記1000万円から報酬等の合意額を除外した預り金774万9264円を、同年10月31日から2018年4月27日までの間に流用し、2020年6月8日まで返還しなかった。

(3)被懲戒者は、Cから交通事故に基づく損害賠償請求の示談交渉等の法的処理の委任を受け、示談を成立させ、被懲戒者の預り金銀行口座に2019年12月12日に458万3156円が振り込まれたことにより賠償金の回収を終えて委任事務を終了したが、2020年2月5日頃までに、ほぼ全額流用し、同年6月8日まで上記金員を返還しなかった。

(4)被懲戒者は、Dの父Eの遺産分割事件についてD及びDの母Fから委任を受け、Eの遺産のうちDが取得した預金の払戻金522万0739円及びFが取得した各貯金の払戻金合計616万2953円を被懲戒者の預り金銀行口座に預かり保管していたところ、Fが死亡した後、Dを代理して、Fの遺産について和解を、また、Eの遺産について調停を成立させ、遅くとも2019年秋頃には受任した事件処理を全て終えたが、上記預かり保管していた金員のうち返還を要する419万4141円を流用し、同年10月23日に60万円をDに送金したのみで2020年6月9日まで残りの預り金359万4141円を返還しなかった。

(5)被懲戒者は、Gの代理人としてHに対する組合債返還請求訴訟等を担当していたところ、2019年6月5日、Hから上記訴訟の判決に基づく履行として被懲戒者の預り金銀行口座に543万9000円が振り込まれ、同日までにGから受任した事務は全て完了したが、2020年9月23日までに上記預り金を流用し、遅滞なく返還しなかった。4処分が効力を生じた日 2021年10月25日 2022年4月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2022年4月号 第二東京

1 処分を受けた弁護士氏名 猪野雅彦 登録番号 28964 RING法律事務所 2 処分の内容 業務停止10月
3 処分の理由の要旨
(1) 被懲戒者は、2018年4月頃、懲戒請求者がAから貸金返還請求等の請求を受けた事件につき、懲戒請求者から交渉及び訴訟の受任をするに当たり委任契約書を作成しなかった。
(2)被懲戒者は、上記(1)の事件につき、Aの請求を認容する判決が言い渡され、2018年10月2日、判決正本が被懲戒者の事務所に送達されたにもかかわらず、上記判決の言い渡し及びその内容を控訴期間内に懲戒請求者に報告しなかった。
(3) 被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、Aに対する弁済費用として懲戒請求者から合計金20万円を預かったが、その保管を事務員に任せきりにし、保管状況すら把握せず、懲戒請求者との委任関係が終了したにもかかわらずこれを返還しなかった。4 処分が効力を生じた年月日 2021年11月10日  

懲 戒 処 分 の 公 表 東弁リブラ 2022年3月号 東京
被懲戒者     藤ヶ崎隆久 (登録番号23569) 藤ヶ崎法律事務所 
懲戒の種類    業務停止2月 効力の生じた日  2022年2月28日 
懲戒理由の要旨 
被懲戒者は平成28年12月6日、懲戒請求者から同人の配偶者を相手方とする離婚及び婚姻費用事件を受任し、平成30年2月28日に懲戒請求者から離婚解決金の頭金としれ330万円を預かったが、その後離婚の合意が成立できず平成31年2月12日懲戒請求者から解任されたところ
1、解任後に被懲戒者が申立てた紛議調停手続において、追加報酬として、委任契約に定める報酬を上回る金員を請求し、
2、請求した報酬額についても、事件相手方が請求していない金額を経済的利益として報酬額を算出し、その経済的利益も恣意的かつ多額であり、結果として過大な報酬額であり、
3、解任後の懲戒請求者からの預り金返還請求に対し、上記追加報酬と相殺する旨主張して速やかな返還に応ぜず、
4、預り金を預かり後直ちに預り金口座から引き出して保管していたが、離婚の合意が直ちに成立せず預り金の使用が必要なくなった後も引き続き3年以上現金で保管していた。2022年3月8日 東京弁護士会会長 矢吹公敏
懲 戒 処 分 の 公 告 2021年3月号 大阪

 1 処分を受けた弁護士氏名 西村秀樹  登録番号 23371 西村法律事務所2 懲戒の種別 業務停止1年  

3 処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、2006年2月頃、懲戒請求者から債務整理事件を受任し、2007年11月から2009年4月までの間に懲戒請求者から18回にわたって合計144万円の送金を受けたが、その後入出金の管理もせず、事案解決のためのごく初期の利息引き直し計算作業をしたものの、解決に至る業務を遂行せず上記事件を放置した。(2)被懲戒者は上記(1)の144万円について2018年8月及び9月に懲戒請求者の代理人弁護士から要求を受けたにもかかわらず、その使途を開示せず、懲戒請求者への返金もしなかった。4処分が効力を生じた日 2020年10月13日 2021年3月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2020年7月号 第一東京

1 弁護士氏名 濱田治雄 登録番号 36444 ユニヴァーサル特許法律事務所2 懲戒の種別  戒告  

3 処分の理由の要旨 (1)被懲戒者は、非弁行為をしていたAの依頼者であった懲戒請求者B及び懲戒請求者Cから受任した訴訟事件について、懲戒請求者Bからは2016年12月28日付けで、懲戒請求者Cからは2017年1月6日付けで、それぞれ解任通知書の送付を受け、委任契約が終了したが、その際に、依頼者保護のために必要とされる法的助言を付した説明を行わず、解任通知書に言及されているAが受領した着手金と預り金に関する協議や対応措置も行わなかった。また、被懲戒者は懲戒請求者Bに対して、被懲戒者の管理下にあった着手金及び預り金合計金7万円を、委任契約終了後5年以上にもわたり清算せず、返還しなかった。(2)被懲戒者は、Aの依頼者であった懲戒請求者D及び懲戒請求者Eから受任した訴訟事件について委任契約が終了した際に、依頼者保護のために必要とされる法的助言を付した説明を行わず、Aが受領したと思われる着手金と預り金の処理に関する協議や対応措置も行わなかった。

(3)被懲戒者は、Aの依頼者であった懲戒請求者Fから受任していた訴訟事件について、2017年2月20日の訴訟期日時点までに、訴訟代理人ではなくなったが、委任契約の終了の際に、依頼者保護のために必要とされる法的助言を付した説明を行わず、Aが受領したと思われる着手金と預り金の処理に関する協議や対応措置も行わなかった。4 処分が効力を生じた日 2021年1月23日 2020年7月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年11月号 愛知

1  瀬辺 勝 登録番号 12859 総合法律事務所ZERO 2 懲戒の種別   業務停止1年6月

3 処分の理由の要旨 (1) 被懲戒者は、2017年9月11日に死亡したAの遺言執行者に就任したところ、同年10月12日、A名義の普通預金口座を解約し、解約に伴う払戻金2399万3277円を同日付けで被懲戒者が通常業務で使用している被懲戒者名義の口座に入金して自己の金員と区別せずに管理し、遺言執行業務とは何の関係もない支払や預り金の返金に繰り返し流用した。
(2) 被懲戒者は、懲戒請求者Bから受任していた交通事故による人身損害についての損害賠償請求事件に関し、懲戒請求者Bに対し、2020年2月に上記事件を辞任する旨の書面を送ったが、懲戒請求者Bから預かった各書類をどこでどのように保管していたか明確にすることができず、また、懲戒請求者Bに対し、預かった書類の多くが存在すると思われる場所を伝えただけで書類の返還義務を果たさなかった。
(3) 被懲戒者は、上記(2)の交通事故による車両損害に関し、懲戒請求者Cから損害賠償請求事件を受任したが、2019年9月頃、車両の保管場所を変更したことを懲戒請求者Cに報告しないなど、適切に事件の経過を報告しなかった。また、被懲戒者は、懲戒請求者Cに対し、2020年2月に上記事件を辞任する旨の書面を送ったが、被懲戒者Cから預かった各書類をどこでどのように保管していたかを明確にすることができず、懲戒請求者Cに対し、預かった書類の多くが存在すると思われる場所を伝えただけで書類の返還義務を果たさず、また、委任の終了に当たり事件処理の状況の報告を適切に行わなかった。4処分が効力を生じた日 2020年6月1日 2021年11月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年10月号 福岡

1 処分を受けた弁護士氏名 東 武志 登録番号 14112 新未来法律事務所 2 懲戒の種別  業務停止1年6月 

3 処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、2015年3月24日、懲戒請求者の父であるAから事件を受任するに当たり、委任契約書を作成しなかった。(2)被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、懲戒誚求者及びAに対し、当初B弁護士と共同受任するかのように対応しながら、その後B弁護士が共同受任を固辞した結果、被懲戒者が一人で受任し、職務を遂行することなったことを懲戒請求者らに報告しなかった。(3)被懲戒者は、2019年2月頃、Cから交通事故の示談交渉事件を受任するに当たり連絡を取る窓口となっていたCの子であるDに対して、弁護士報酬についての適切な説明をせず、委任契約書の作成もしなかった。(4)被懲戒者は、上記(3)の事件に関し、2019年4月18日、相手方保険会社から被懲戒者の預り金口座に振り込まれた示談金700万円を全額出金した後、弁護士報酬と清算することなく流用した上、同年7月12日、Dから苦情申入れを受けた所属弁護士会の市民窓口等対応室担当者からの事情聴取に対し、示談金が入金された後、弁護士報酬を差し引いてDに渡した等と虚偽の説明を行った。4 処分が効力を生じた日 2021年4月26日 

 

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年8月 新潟

1 処分を受けた弁護士氏名 髙島章  登録番号 22968 髙島章法律事務所 2 懲戒の種別 業務停止6月  

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2016年5月13日から同月16日にかけて、ツイッターにおいて、自己のアカウントを使用して複数の投稿をし、その投稿の全体として、懲戒請求者Aが暴行事件の被害者に対する組織的、集団的な暴行事件に加害者として関与しており、そのことについて、弁護士である懲戒請求者が客観的な証拠を有している旨の事実を摘示することにより、一般の閲読者をして、懲戒請求者Aについて、組織的、集団的な暴行事件に加害者として関与したことが確実又はその可能性がある人物であるとの印象を抱かせ、その社会的評価を低下させた。(2)被懲戒者は、2013年2月7日、懲戒請求者Bから受任していた損害賠償請求事件等につき和解が成立し、懲戒請求者Bに対し、2014年7月4日、同日時点までに相手方から振り込まれた和解金の合計額であるとする21万円につき弁護士報酬等を差し引いた残金16万4640円を支払い、同日以降については和解金の振込額が10万円程度貯まったときに連絡する旨の書面を送付したものの、和解金の振込額が再度の清算を約束した10万円に達した2017年5月29日以降も清算を行わず、代理受領した預り金の残額20万円について引渡しをしなかった。(3)被懲戒者は、2017年10月20日頃、懲戒請求者Cから告訴代理の依頼を受け、弁護士費用として108万円を請求しこれを受領したが、同年11月16日、懲戒請求者Cから事件依頼を中止する旨の連絡を受けて事件処理を中断し、その後、懲戒請求者Cから相談料及び旅費を超える支払済み弁護士費用の返還の請求を受けたにもかかわらずこれに応じず、2018年9月18日、紛議調停手続において和解金を80万円とする和解が成立したがこれに基づく分割弁済を約定どおりに履行せず、2019年1月に懲戒請求者Cから懲戒請求を受けるまでの間及び所属弁護士会の綱紀委員会から調査を受ける過程で再三にわたり和解に基づく弁済が求められ、同年5月21日に裁判所から期限の利益喪失による一括弁済を命じる判決を受けた後も適切に対応せず、同年9月24日まで上記和解金額の支払をしなかった。(4)被懲戒者は、2019年9月17日付けで所属弁護士会から業務停止3月の懲戒処分を受けたにもかかわらず、少なくとも2件の訴訟手続外民事事件について辞任通知書を発送する等依頼者との委任契約を解除する措置を採らず、所属弁護士会の会長から受任事件について辞任しその旨を報告するよう求められても事前連絡のないまま出頭しない等、所属弁護士会の会長の懲戒処分の執行に関わる指導に従わず業務停止処分の履行状況の確認に協力しなかった。4 処分が効力を生じた日 2021年2月18日

懲 戒 処 分 の 公 告2021年8月第一東京

1 処分を受けた弁護士氏名 鈴木 謙 登録番号 25405 2 懲戒の種別 業務停止1年10月 

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2009年9月8日にAの保佐人に選任されAの財産管理に関する代理権を付与されて財産管理を行っていたところ、2018年9月25日から2019年5月27日までの間に23回にわたり、合計1950万円をAの資金を保管していた預金口座から引き出し、自己の用途に費消するため着服した。

(2)被懲戒者は2014年5月8日にBの成年後見人に選任されBの財産管理に関する代理権を付与されて財産管理を行っていたところ、2018年7月9日から2019年10月24日までの間に18回にわたり、合計2150万円をBの資金を保管していた預金口座から引き出し、自己の用途に費消するため着服した。

(3)被懲戒者の上記各行為はいずれも預り金の取扱いに関する規程第2条並びに弁護士職務基本規程第5条、第6条に違反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。被懲戒者が上記各行為に係る横領金額全額を返済したこと等から業務停止1年10月を選択する。4処分が効力を生じた日 2021年3月24日 

懲 戒 処 分 の 公 告2021年6月 第一東京

1 処分を受けた弁護士氏名 大久保雅晴登録番号 17051 大久保・藤井綜合法律事務所 2 懲戒の種別  業務停止3月 

3 処分の理由の要旨 (1)被懲戒者は、懲戒請求者Aから委任を受けて申し立てた損害賠償請求調停事件につき2007年9月14日に調停が成立し、その調停に基づき相手方らから被懲戒者の預り金口座に分割して振り込まれる金員を懲戒請求者Aに返還すべきであったにもかかわらず、2011年1月から2012年7月までの間に相手方らから振り込まれた金員について遅滞なく返還せず、かつ、懲戒請求者Aの再三の請求に対してもその返還に応じなかった。(2)被懲戒者は、2015年5月7日に懲戒請求者A及び懲戒請求者Bが被懲戒者に対して懲戒請求を申し立てたことに対し、上記(1)の預り金が返還されておらず、懲戒請求には相応の理由があるものであり、懲戒請求者らが根拠を欠く懲戒請求であることを容易に知り得たのにあえて懲戒請求をしたような相当性を欠く懲戒請求とはいえなかったにもかかわらず、懲戒請求者らに対し、不当に懲戒を申し立てたとして、2018年7月24日付け内容証明郵便にて損害賠償請求の通知をし、懲戒請求者らがこれに応じなかったため、同年8月3日、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。処分が効力を生じた日:2021年1月20日

 

懲 戒 処 分 の 公 告  2013年11月号 旭川

1 懲戒を受けた弁護士氏名 金子 利治 登録番号 13571金子法律事務所2 処分の内容 業務停止1月

3 処分の理由(1)被懲戒者は事務職員Aを通じて懲戒請求者、B、C及びDから医療法人Eに対する貸金返還請求訴訟事件を受任した。被懲戒者は上記事件について一度も面談、報告、説明及び協議をしないままAから聞いた話を基に2006年3月3日E法人が懲戒請求者に対し1000万円、Bに対し600万円、C,に対し1000万円Dに対し100万円を支払うこと等を内容とする和解を成立させた。(2)被懲戒者は上記和解に基づきE法人から2007年10月30日までに分割して預り金口座に和解金全額の振込みを受けた。被懲戒者は上記預り金口座の管理及び懲戒請求者らへの和解金の送金等の手続きをAに一任してその監督を怠りBに対し上記和解金の一部である500万円を返還したのみで懲戒請求者らに対しては和解金合計2200万円を返還しなかった。(3)被懲戒者はAの監督を怠り上記事件の記録の一部がAによって持ち出され返還されないままになる事態を招いた。(4)被懲戒者は所属弁護士会綱紀委員会が2012年6月12日付けで弁護士法及び所属弁護士会規約に基づいて預り金口座の取引履歴の開示を求めたのに対し正当な理由なく断った。4 処分の効力を生じた年月日 2013年7月23日

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年5月号 長野

1 処分を受けた弁護士氏名 山本賢一登録番号 46430 2 懲戒の種別 退会命令 

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、Aから同人が被害者である交通事故による損害賠償請求の示談交渉の依頼を受け2018年4月24日、自賠責保険会社から自己の預り金口座に3000万円の送金を受けて預かっていたところ、その預り金について、2018年4月26日に1414万0446円を2019年1月21日に857万3878円を被懲戒者の業務用個人口座に振替入金し2020年1月21日に728万5676円を被懲戒者が社員となっている弁護士法人の業務用口座に振替入金して合計3000万円を全額横領した。

(2)被懲戒者は(1)の交通事故に関し2019年9月27日、加害者の代理人との間で示談を成立させ、自賠責保険からの金3000万円を控除した最終的な損害賠償金1800万9344円を受領することに合意し、その旨の示談書が作成されたところ同年11月11日頃、示談書の損害明細に記載されている自賠責保険からの入金3000万円の記載を削除し、かつ、示談に基づき支払われる損害賠償金額と整合するように損害慰謝料、逸失利益等を改ざんした示談書を作成して偽造し、これを同日、相談支援専門員としてAを担当していた社会福祉協議会の職員にファックス送信した。

(3)被懲戒者は所属弁護士会から2020年5月12日付け照会書及び同月15日付け再照会書により、被懲戒者の預り金処理につき照会等を求められたところ、同月19日付け回答書にて自賠責保険会社から支払われた3000万円は、同日にAの成年後見人口座に送金するまでの間、被懲戒者の預り金口座で預かり保管していた旨虚偽の回答をし、その裏付けとして上記預り金口座の預金通帳にその旨の印字をして偽造し、これを提示した。4処分が効力を生じた日 2020年11月17日 

懲 戒 処 分 の 公 告 2021年1月号 大阪

1 処分を受けた弁護士氏名 吉村卓輝登録番号 39169グリーン法律会計法律事務所2 懲戒の種別 退会命令  

3 処分の理由の要旨 被懲戒者は、所属弁護士会の会派の一つである懲戒請求者の会計担当副幹事長として、懲戒請求者の会員弁護士全員のために、懲戒請求者の預り金を保管していた口座の金銭を業務上預かり保管する立場であったにもかかわらず2017年5月30日から2018年2月14日までの間、上記口座から41回にわたり合計1975万8000円を、自己の使途のために払戻して無断流用した。4処分が効力を生じた日 2020年9月15日 2021年1月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告 2020年7月号 京都

1 処分を受けた弁護士氏名 島崎 哲朗  登録番号  22769 島崎法律事務所 2 処分の内容 退会命令

3 処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、かつての依頼者であった懲戒請求者Aからの借入金及び受領済の着手金等合計303万500円について2013年4月1日、紛議調停において分割して返済する旨の合意が成立したにもかかわらず、その一部しか履行せず、その後、残金153万500円等の請求を認容する判決が言い渡されたにもかかわらず全く支払わなかった。(2)被懲戒者は2013年1月24日、かつての依頼者であった懲戒請求者Bに対し、突然電話にて借入を依頼し懲戒請求者Bがこれを拒んだのになお執拗に借入れを求め続けて70万円を借り受け、返済期日である2016年1月25日が経過しても返済せず、その後、懲戒請求者Bからの連絡に対しても全く応答しなかった。(3)被懲戒者は2019年2月19日の時点で、2018年7月分から2019年2月分までの所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会費合計29万7600円を滞納した。(4)被懲戒者は2019年6月3日の時点で届出済みの法律事務所所在地に法律事務所を置かず、かつ、届出済みの住所に居住していなかったにもかかわらず法律事務所の所在地変更を所属弁護士会にも日本弁護士連合会にも届け出ず、住所の変更も日本弁護士連合会に届けなかった。4 処分が効力を生じた日  2017年7月10日  

懲 戒 処 分 の 公 告  2020年8月号 大阪

1 処分を受けた弁護士氏名 鈴木敬一登録番号 19365 スタート弁護士法律事務所 2 懲戒の種別 除名  

3 処分の理由の要旨(1)被懲戒者は、懲戒請求者Aから残業代請求事件を受任して2014年6月16日に訴訟を提起したが、懲戒請求者Aに進捗状況について報告等を行わず、また2015年12月21日それまでの経緯の報告や協議を行うことなく裁判上の和解を成立させ、さらに解決金として受領した273万0308円を懲戒請求者に渡さなかった。(2)被懲戒者は懲戒請求者Bから残業代請求事件を受任して2017年11月9日に訴訟を提起したところ2018年2月1日頃、懲戒請求者Bから700万円から800万円程度支払ってもらえるのであれば和解に応じてもよいと伝えられていたにもかかわらず、同年4月27日、懲戒請求者Bに無断で和解金を400万円とする等の裁判上の和解を成立させ、これを懲戒請求者Bに報告せず、上記和解金を着服し、また同年10月11日懲戒請求者Bとの間で被懲戒者が懲戒請求者Bに対して解決金として総額700万円を支払うこと等内容とする合意書を作成したにもかかわらず、同日に100万円を支払ったのみで残金600万円については支払を行わなかった。4処分が効力を生じた日 2020年3月4日 

懲 戒 処 分 の 公 告 2020年7月号 東京

1 処分を受けた弁護士氏名 張學錬 登録番号 27297 AITS新宿法律事務所 2 懲戒の種別 業務停止1月   

3 処分の理由の要旨被懲戒者は、懲戒請求者の私選弁護人であったところ、2016年3月頃、懲戒請求者から保釈申請の要請を受け、懲戒請求者側から保釈を支援する団体を利用するための手数料として10万円を預かったが、その後、保釈申請が見送りになり、懲戒請求者が繰り返し上記金員の返還を求めたにもかかわらず、返還をしなかった。4処分が効力を生じた日 2019年12月25日

懲 戒 処 分 の 公 告2020年7月号 愛知

1 処分を受けた弁護士氏名 栁田潤一登録番号22461SU法律事務所 2 処分の内容  除 名

3 処分の理由 被懲戒者は、2011年10月懲戒請求者から同人の資産を預かることを依頼され、同月28日に7000万円を預かり、銀行口座で保管していたが、懲戒請求者のために預り金保管すべき義務に違反し、上記預り金7000万円を他の用途に充てるため出金し、着服した。被懲戒者の上記行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。4 処分の効力を生じた年月日2020年1月8日 

懲 戒 処 分 の 公 告 2020年2月号 第二東京

1 処分を受けた弁護士氏名 黒木芳男 登録番号 11330 弁護士黒木芳男法律事務所 2 懲戒の種別 戒告

3 処分の理由の要旨 (1)被懲戒者は、懲戒請求者からその子Aの刑事事件を受任し、2017年2月22日に懲戒請求者から受領した保釈保証金200万円を裁判所に納付し、その後、裁判所から還付を受けたにも拘わらずこれを預り金口座で保管しなかった。(2)被懲戒者は上記(1)の還付を受けた保釈保証金200万円について、ここから実費及び報酬を控除した147万9000円が清算金額と明示した2017年5月11日付け清算書を作成して懲戒請求者に交付したものの、その作成日から約4か月後の同年9月15日及び同月22日にそれぞれ50万円を支払い、約9か月後の2018年2月8日に残額47万9000円を支払うまで、これを返還しなかった。(3) 被懲戒者は上記(1)の事件について委任契約を作成しなかった、2020年2月1日 日本弁護士連合会

懲 戒 処 分 の 公 告2012年7月号 東京

氏名 吉川 彰伍  登録番号 13105 吉川法律事務所 2 処分の内容 退会命令

3 処分の理由 (1)  被懲戒者は2006年12月8日懲戒請求者Aから破産申立を受任したが約5年間事件処理を行わず2011年4月21日に懲戒請求者Aから委任事務の履行を催告されたあとも事件処理を行わなかった(2)  被懲戒者は2008年2月21日頃、懲戒請求者Bから亡兄の国債の換金並びに普通預金の解約及び払い戻し手続き等を受任したが、懲戒請求者Bに対し事件処理の報告を行わず、また国債の換価金及び普通預金の解約返戻金の合計約1000万円以上の金員を返還しなかった4 処分の効力を生じた年月日 2012年4月12日

 

懲 戒 処 分 の 公 告  2022年8月号 東京

1 処分を受けた弁護士氏名 藤ヶ崎隆久 登録番号 23569 藤ヶ崎法律事務所 

2 懲戒の種別 業務停止2月

3 処分の理由の要旨

(1)被懲戒者は、2016年12月6日、懲戒請求者から、配偶者であるAを相手方とする離婚及び婚姻費用事件を受任し、2018年2月28日、離婚給付の頭金として公正証書作成時にAに交付するため被懲戒者の預り金口座に330万円の送金を受け、同年3月1日に170万円を、同月22日に200万円を引き出し、そのうち330万円につき、公正証書作成のめどが立たなくなった同年4月以後も、預り金口座で保管しなかった。

(2)被懲戒者は、懲戒請求者から、2019年2月12日に上記(1)の事件の代理人を解任され、上記(1)の預り金の返還を求められたが、これに応じなかった。

(3)被懲戒者は、懲戒請求者との間で、上記(1)の事件の委任契約書により弁護士報酬を定額とするとの合意がなされていたところ、弁護士報酬についての説明や協議をしなかったにもかかわらず、懲戒請求者を相手方とする紛議調停の期日において、上記委任契約を上回る報酬を提示した。

(4)被懲戒者は、上記(3)の弁護士報酬の提示において、Aが請求していない金額を基に過大な経済的利益によって報酬を算出した。

4 処分が効力を生じた日 2022年2月28日 2022年8月1日 日本弁護士連合会